作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

人身事故被害者

人身事故|被害者は無料相談はできる?交通事故対応、示談・治療費・保険金の3つの禁則

人身事故の被害者になった…
  • 「人身事故の対応について悩んでいるけれど、弁護士の無料相談はできる?」
  • 「人身事故の対応について、被害者がすべきことや注意点を教えてほしい。」

人身事故の被害者は、事故直後の対応についてお悩みのことでしょう。

今後の治療費や慰謝料の請求のために、事故直後に「しておくべきこと」、「してはいけないこと」は、どのようなことなのでしょうか。

  • 人身事故の被害者がすべき対応は?7つの初期対応が必要?
  • 人身事故の被害者が注意すべき点?3つのリスクとはなに?
  • 人身事故の被害者が弁護士に無料相談できる窓口はある?

今回は、このような「人身事故の被害者」のお悩みを解決していきましょう。


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人身事故の被害者は〇〇をしよう!7つの対応とは?

交通事故の被害者になってしまった場合

まずは、人身事故直後に被害者の方がすべき「7つの対応」を順を追って解説します。

①警察に事故を報告・連絡

事故の通報は運転者の義務?

交通事故が発生した場合、車両の運転者には、道路交通法上、次のような義務があります。

運転者の義務

運転停止義務、負傷者救護義務、危険防止措置義務

(道路交通法72条1項前段・117条・117条の5第1号)

(警察に対する)事故報告義務

(道路交通法72条1項後段・119条1項10号)

これらの義務は、被害者、加害者の区別なく、運転者に課せられる義務です。
被害者でも、警察に対する事故報告義務が課せられています。

警察を呼ばないと、道路交通法上の義務違反になり、3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金に処せられる可能性もあります。

第百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
(略)
十 第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項後段に規定する報告をしなかつた者

引用元:道路交通法第119条第1項第10号

警察への連絡方法は、110番通報で十分です。
お持ちのスマホが110番通報できない機種だった場合、緊急通報アプリをインストールしましょう。

交通事故が発生した場所を説明しにくい場合でも、緊急通報アプリならば、簡単に知らせることができます。
口頭で説明する際には、目印になる大きな(特徴的な)建造物を伝えましょう。

警察に報告すべき内容は?

警察には、次のような内容を報告しましょう。

警察に報告すべき事項
  • 人身事故が発生した日時場所
  • 死傷者の数・負傷者の負傷の程度
  • 人身事故について講じた措置 など

②加害者の氏名・連絡先確認

後日、人身事故の相手方に損害賠償請求ができるように、加害者の身元などについての情報を確認しておくことも重要です。

具体的には、次のような情報を確認しておきましょう。

確認すべき加害者の情報
  1. ① 加害者の氏名・住所・連絡先
    (運転免許証の提示など)
  2. ② 加害者の勤務先の名称・連絡先
    (名刺の提示など)
  3. ③ 自動車の所有者が加害者と異なる場合、所有者の氏名・運転の目的・加害車両の通常の使用状況
    (自動車車検証の提示など)
  4. ④ 加害者の自賠責保険及び任意保険の保険会社契約番号
    (自動車損害賠償責任保険証明書の提示など)

加害者車両の自動車登録番号及び車台番号(下7桁)を記録しておけば、後日運輸支局または自動車検査登録事務所に照会して自動車登録事項等証明書を入手し、自動車の所有者や使用者の氏名・住所などを知ることができます。

③事故状況を自分で撮影記録

警察が現場に到着した後、人身事故の現場検証がおこなわれます。
人身事故では、実況見分調書という捜査報告書が作成されます。

実況見分調書

警察などの捜査機関が場所・人の身体・物の状況を確認(=実況見分)して、その結果を録取した捜査上の文書

実況見分調書には、現場検証をする警察官が見聞きした内容が整理されて記入されます。
すなわち、当事者のなまの声をそのまま記載するわけではないので、被害者側の言い分が十分に反映されないおそれがあります。

加えて、写真があれば一目瞭然で状況を把握できますが、実況見分調書には、詳細な現場写真が添付されるとは限らず、事故発生から実況見分が行われるまでにはある程度の時間が掛かります。
そのため、事故直後できるだけ早いタイミングで、携帯電話のカメラ機能などを使って、事故状況を撮影しておきましょう。

実況見分調書の問題点
  • 当事者のなまの声は、警察官に編集されて捜査報告書になる
  • 実況見分調書に詳細な現場写真が添付されるとは限らない

具体的には、次のようなポイントに注意して撮影するとよいでしょう。

撮影のポイント

現場の状況
(道路状況、信号機、横断歩道、照明、樹木、標識、交通量、交差点の見通し、時刻、天候など)

事故の状況
(破損した部位、スリップ痕の長さ、擦過痕、血痕など)

被害の状況
(転倒位置、衝突地点、血痕の位置、破片の位置など)

警察が到着するまで、事故当時の状況をそのままにしておければよいですが、運転者には危険防止措置義務があるため、安全な場所に車を移動させないといけません。
そうなると、事故直後の様子を撮影できるのは、被害者の方自身です。
きちんと証拠保存しておければ、事故対応としてはベストです。

④目撃者の氏名・連絡先確認

上記の証拠に加えて、人身事故の目撃者は、事故状況を証言してくれる重要な存在です。
人身事故の目撃者がいる場合、事故現場で、目撃者の氏名、住所などの連絡先を確認しておきましょう。

確認すべき情報
  • 氏名
  • 住所などの連絡先
  • 目撃した内容

目撃者の方から一方的に情報を聞くだけでなく、捜査協力をお願いしておきましょう。
そして、警察に目撃者がいることを伝えておくことも大切です。

ポイント
  • 目撃者の情報を確認する
  • 目撃者に捜査協力を依頼しておく
  • 警察に目撃者がいることを伝える

⑤自分の保険会社への連絡

加害者の保険金に期待できないから?

基本的には、人身事故の場合、加害者側の保険会社から支払われる保険金で損害の大部分を回復することになります。
しかし、次のような場合には、加害者側の保険支払いを期待できない場合もあります。

  • 被害者に過失があり、加害者側の保険会社から十分な支払いが期待できない
  • 被害者に過失はないが、加害者が無保険である

このような場合に備えて、被害者の方は、ご自分の加入する保険会社にも連絡をいれておきましょう。

弁護士特約をうまく利用するため?

弁護士費用特約を利用するためにも、ご自分の加入する保険会社への連絡が必要です。
自動車保険に弁護士費用特約が付いていれば、保険金で弁護士費用をまかなうことができます。

弁護士費用特約

弁護士費用特約を利用すれば、弁護士費用の負担を感じることなく弁護士に依頼でき、有利に示談交渉を進められる可能性が高まります。

弁護士費用特約のメリット

弁護士費用特約について、詳しくはこちらもご覧ください。

⑥病院で「診断書」を入手

人身事故の場合、人身事故の届出を警察にします。
人身事故の届出の際に、必要となるのが「診断書」です。

診断書は、医師のみが作成できる書面です。
むちうちの場合、整骨院に通院するケースもよくあります。
この場合の注意点としては、整骨院で施術する柔道整復師は医師ではないので、診断書を入手できないということです。
整形外科の医師の診察をうけて、診断書を作成してもらいましょう。

交通事故によって受傷したことを明らかにするために、診断書の提出が求められます。
そのため、診断書には、次のような項目を記載をしてもらう必要があります。

診断書の記載項目
  1. ① 事故日
  2. ② 初診日
  3. ③ 治療期間
  4. ④ 因果関係(受傷の原因が交通事故であること)

交通事故診断書の作成に慣れていない医師もいて、因果関係(④)が記載されていない診断書もあります。
そのような場合には、診断書の作成を再度依頼しましょう。

⑦警察で「交通事故証明書」を入手

交通事故証明書とは、交通事故が起こったことを公的に証明するための書類です。

証明書の内容
  • 交通事故の発生日時、場所
  • 当事者の住所、氏名
  • 事故の類型 など

交事故証明書があることで、加害者への損害賠償請求、保険会社への保険金請求が可能になります。

証明書の利用例
  • 自賠責保険金の請求
  • 任意保険金の請求
  • 市町村・各種団体共済金の請求
  • 交通遺児育英資金の申請
  • 申請の手控え など

証明書交付手数料は、一通540円です(2019年3月1日現在)。
警察(自動車安全運転センター)の窓口で、申請書を入手できます。
郵便振替で手数料を払込んだ後、郵便局窓口でも申請可能です。

申請方法|自動車安全運転センター

保険会社に治療費や休業損害、傷害慰謝料などを請求したい場合、交通事故証明書が必要になります。

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人身事故の被害者は〇〇をしてはいけない?3つの禁則

①「事故直後の示談」をしてはいけない?示談金が減額?

事故直後に現場で示談してはいけません。
事故直後の示談では、通常の示談交渉に比べて、示談金額が減少してしまうからです。

時折、加害者側から、事故直後の現場において「示談しよう」と持ち掛けられることがあります。
このような提案は、無保険、無免許といった加害者から持ち掛けられることが多いです。

通常、交通事故の解決の流れは、次のような流れです。

交通事故の流れ

人身事故の当事者が、事故直後の対応を済ませた後、被害者は治療を受けることになります。
治療が終了して、怪我が治った(=完治または症状固定)時点以降、示談交渉を開始します。
今までかかった治療費や、通院や後遺障害に関する慰謝料など様々な損害項目が考慮されて示談金額が決定します。

しかし、このような通常の示談交渉なしで事故現場で示談するとなると、当事者の独断で損害総額が決定されることになり、重大な不利益を被ることになってしまいます。

加えて、保険会社に連絡なしで示談をしてしまった場合、保険金請求ができなくなるリスクも生じます。
したがって、事故現場で示談してはいけません。

②「治療(通院)の中断」をしてはいけない?慰謝料が減額?

治療費打ち切り、通院期間が減少のリスク

治療のための通院は、事故直後から定期的に継続しましょう。
途中で通院を辞めてはいけません。
通院しなければ怪我が完治しないのは、もちろんのことです。
しかし、それ以上に困るのは、保険会社から治療費負担について打ち切りを打診されてしまうことです。

治療費打ち切りに加え、慰謝料算定など治療期間が考慮要素になるため、通院期間が短くなることで、もらえる慰謝料の金額も減少してしまうリスクがあります。

通院先は変えられる?

医師や治療方針への不満から、通院しなくなるケースもよくあります。
しかし、このような不満は、通院先を変更すれば解決するものです。

通院先を変更すれば保険金が下りたのに、転院しなかったために自腹になってしまった…

このような後悔をしないためにも、通院は継続し、必要とあれば転院先を探しましょう。

転院先の候補が見つかったら、事前に保険会社に連絡を取りましょう。
転院の必要性を保険会社に伝えて、「転院しても治療費を負担してもらえるか」相談しましょう。

③「自由診療での通院」をしてはいけない?保険金が底をつく?

交通事故の診察でも健康保険を利用することができます。
そのため、自由診療で通院するメリットはありません。

基本的には、交通事故による治療費は保険会社が負担してくれますが、過失割合によって保険会社が負担してくれる金額も変わってきます。
健康保険を利用すれば保険診療扱いになり、治療費は低額です。
被害者の過失割合が多いときはとくに自己負担額を抑えることができるので、保険診療は治療をする方にとってメリットが大きいです。

加害者が自賠責保険にしか加入していなかった場合、自賠責保険から支払いをうけることになります。
しかし、自賠責保険には限度額があり、120万円です。
自由診療の場合、治療費そのものが高額であるため、すぐに限度額120万円に達してしまいます。

期待していた保険金が底をついて自腹になってしまった・・・

このような後悔をしないためにも、健康保険を利用して、できるだけ負担額を減らすべきです。

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人身事故の無料相談のまえに…被害者の慰謝料、示談金の相場を確認

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人身事故でもらえる示談金の目安はどのくらいなのか、悩んでいたら、是非こちらの自動計算機をお試しください。
治療日数や休業日数によって、示談金の金額は変わってきます。

  • 入通院慰謝料
  • 休業損害
  • 後遺障害慰謝料
  • 後遺障害逸失利益

など、交通事故でうけとれる示談金の目安がわかります。


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人身事故の無料相談|お困りの被害者の方へ。弁護士相談窓口はこちら

東京・大阪・愛知etc24時間365日相談予約受付中

  • 人身事故被害者になってしまった
  • 人身事故直後の対応が適切だったか確認したい
  • 人身事故の慰謝料相場示談交渉の疑問点を解消したい

このようなお悩みで法律事務所をお探しの方へ。
アトム法律事務所では、交通事故弁護士相談窓口を設置しています。
お問い合わせ・相談ご予約の受付時間は・・・

  • 24時間365
  • 深夜・早朝・土日・祝日

問いません。

LINE相談完全無料です。

  • 「事務所まで来所する時間的余裕はない」
  • 「アトム法律事務所の弁護士の雰囲気が知りたい」

このような方でも、お気軽にご相談いただけます。
早期のご相談が、お悩み解決の秘訣です。
お電話・メール・LINEにて、お気軽にお問い合わせください。

示談交渉や治療期間、事故後の流れについて、ご不安をいただかれる被害者も多いです。
示談交渉が本格化するのは、治療終了後です。
まずは、治療に専念するためにも、無料相談をご活用いただき、今のうちにご不安に思われる点を解消しておきましょう。

弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。


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人身事故が起きたときの対応Q&A

人身事故が起きたときに被害者がすべき対応は?

人身事故に遭ったときに被害者の方がするべき対応は次のとおりです。①警察に事故を報告・連絡②加害者の氏名・連絡先確認③事故状況を自分で撮影記録④目撃者の氏名・連絡先確認⑤自分の保険会社への連絡⑥病院で「診断書」を入手⑦警察で「交通事故証明書」を入手 事故時に被害者がするべき7つの対応とは?

加害者に確認するべき情報は何?

人身事故の被害に遭ったとき、損害賠償請求するために加害者の身元を確認しておきましょう。具体的には、加害者の氏名・住所・連絡先・勤務先の名称・勤務先の連絡先・加入している保険会社や契約番号・車台番号などを確認しておきましょう。 事故時に加害者に確認するべき情報は?

人身事故のケガの治療に健康保険は使える?

交通事故が原因のケガの診察でも健康保険を利用することができます。基本的には交通事故による治療関係費は加害者側の保険会社が負担してくれますが、過失割合によってはすべての金額を保険会社に負担してもらうことはできない可能性もあります。自己負担する金額の可能性を考えても、健康保険を使った保険診療は治療をする方にとってメリットが大きいです。 治療に健康保険を使うメリットとは?

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