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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
自転車事故が起きた場合、怪我の治療と並行して損害賠償請求などについて考えなければなりません。
そのとき、法律に詳しい相手に相談ができれば心強く、また適切な解決法を図れて早期解決にも繋がります。
この記事では6種類の相談窓口を紹介しますので、相談先を決める際の参考にしてください。
まずは自転車事故が解決するまでの流れをみて、相談の前に把握しておくことを確認しましょう。
ここでの自転車事故とは、自転車対自転車の事故・自転車対歩行者の事故を想定しています。
自動車対自転車の事故については、以下の記事をご覧ください。
自転車事故の発生から解決までの大まかな流れは、以下のようになっています。
事故解決の流れ
①自転車事故が発生する |
↓ |
②自分と相手方の保険会社を確認・連絡する |
↓ |
③治療が終了する(症状固定) |
↓ |
④相手方と示談交渉を行う 示談が成立しなかった場合訴訟の提起など |
↓ |
⑤損害賠償金受け取り |
自転車事故の発生を警察に報告しておけば、交通事故証明書が入手可能になります。
さらに、事故が発生すると、警察が場合に応じて書面を作成します。
人身事故の場合は実況見分調書、物損事故の場合は、物件事故報告書です。
それぞれの入手方法は以下の通りです。
交通事故証明書は、交通事故が発生したことを公的に証明する書類です。
最寄りの自動車安全運転センターの窓口やインターネット上で取り寄せることが可能です。
実況見分調書は、事故状況について詳細に記された報告書です。
検察庁などに閲覧・謄写を申請することで入手が可能です。
ですが原則として、加害者の刑事責任について結論が出るまでは入手できません。
物損事故として扱われていた場合、病院にいって診断書を手に入れ、警察に提出することで実況見分調書を作成してもらえます。
物件事故報告書は実況見分調書と比べると簡易な内容ですが、事案の把握には役立ちます。
取得するためには、弁護士会を通じた照会手続きをとる必要があります。
弁護士に依頼し、物件事故報告書を入手したい旨を伝えることで活用できます。
物損事故で特に争いがある場合、活用することをお考えください。
また、交通事故証明書のみでは事故当時の状況まではわかりません。
これらに加えて事故発生状況報告書を作成しておくとなおよいでしょう。
テンプレートなどは各種保険会社のホームページなどでダウンロードすることができます。
事故現場で相手の氏名・住所・連絡先のみならず、加入している保険についても確認しましょう。
自転車保険に加入していない場合、自動車保険への加入を確認するべきです。
なぜなら、自動車保険のオプションとして他人に対する損害賠償を補償してくれる特約がある可能性があるためです。
自転車事故で生じた怪我を治療しても完治せず、後遺障害が残ってしまうこともあります。
自転車事故では後遺障害を客観的に認定する機関がないため、当事者の主張とそれを裏付ける証拠が重要です。
どのような症状が生じているのかを的確に説明できるようにしましょう。
自覚症状の説明
悪い例 | 良い例 | |
痛みなど | 首に痛みがある | 首に痺れるような痛み 腕をあげようとすると首から腕にかけて痛みがひどくなる |
示談とは、自転車事故の加害者と被害者が裁判外の話し合いで紛争を解決することです。
自転車保険、または個人賠償責任保険に示談代行サービスがついていれば、保険会社が示談交渉を代行してくれます。
それらに加入していない場合は個人で交渉することになります。
そのようなときは弁護士に依頼すると示談交渉を一任できるため、示談交渉が負担となる場合はご一考ください。
以上をまとめると、自転車事故の相談をするにあたり確認しておきたいことの例は以下の通りです。
相談の前には、以上のことを説明できるよう書面でまとめておくと、相談がスムーズに進みます。
相談窓口では時間制限や回数制限を設けているところもあるため、説明の時間短縮は大きなメリットです。
では、実際に自転車事故が発生したとき、相談に乗ってくれる窓口を紹介します。
弁護士による、交通事故の無料相談を主な業務とするADR機関です。
10分程度、無料の電話相談をしてもらうことができます。
また全国に39カ所の拠点・157カ所の相談所を持ち、面談にも足を運びやすいのも特徴です。
利用の際の注意点としては、以下のようなものがあります。
事業者 | 日本弁護士連合会 |
住所 | 東京都千代田区霞が関1–1–3 弁護士会館14階(本部) |
ホームページ | 日弁連交通事故相談センター公式HP |
電話相談 | 0570–078325 平日 午前10時~午後3時30分(祝日、年末年始を除く) |
なお、似た名称の交通事故紛争処理センターは自転車事故は取り扱っていないので気を付けましょう。
自転車事故に特化したADR(裁判外紛争解決手続き)センターです。
電話予約をすることで面談を受け、場合に応じて調停(第三者の仲介により合意成立を目指す手続)の申立が出来ます。
自転車事故の解決までサポートしてくれるという点が利点です。
利用の際の注意点としては、以下のようなものがあります。
事業者 | 一般財団法人日本自転車普及協会 |
住所 | 東京都品川区上大崎3–3–1 自転車総合ビル4F |
ホームページ | http://www.bpaj.or.jp/adr/ |
電話相談 | 03–4334–7959 毎週月・木曜日 午前10時~午後4時(祝日、年末年始を除く) |
自転車事故に関するトラブルについて、無料の法律相談や場合に応じて調停をしてもらうことができます。
自転車ADRセンターと同様に、自転車事故の解決までサポートしてくれる点が利点です。
利用の際の注意点としては、以下のようなものがあります。
事業者 | 一般財団法人日本自転車普及協会 |
住所 | 東京都品川区上大崎3–3–1 自転車総合ビル4F |
ホームページ | 行政書士ADRセンター東京公式HP |
電話番号 | 03–5489–7441(行政書士ADRセンター東京) 毎週火・木・土曜日 午前10時~午後4時(祝日、年末年始を除く) |
自転車事故などの法的トラブルについて弁護士の紹介・費用の立替などを行う窓口です。業務の一環として、無料法律相談を行っています。
電話で予約したうえで、30分程度の相無料相談を1つの事案につき3回まで受けることができます。
利用の際の注意点としては、以下のようなものがあります。
事業者 | 行政 |
住所 | 東京都中野区本町1–32–2 ハーモニータワー8階 |
ホームページ | 法テラス公式HP |
電話番号 | 0570–078374 平日 午前9時~午後21時(祝日、年末年始を除く) 土曜 午前9時~午後17時 |
行政が交通事故への対応、示談に関することなど一般的な相談に無料で応じてくれます。
各都道府県・政令指定都市・主要都市市役所などに設置されています。
利用の際の注意点としては、以下のようなものがあります。
事業者 | 行政 |
住所 | 東京都新宿区西新宿2–8–1都庁第一庁舎3階南側 |
ホームページ | 東京都都民の声課 |
電話番号 | 03–5320–7733(東京都交通事故相談所) 平日 午前9時~午後17時(祝日、年末年始を除く) |
弁護士事務所の中には、交通事故などに関し無料の法律相談を受け付けているところもあります。
時間や回数などの制限は各事務所によって異なります。
自転車事故について弁護士に相談することには、以下のようなメリットがあります。
一方で、
という注意点もあります。
連絡をする際は、費用のことも念頭にいれて相談するとよいでしょう。
様々な相談窓口を相談してきましたが、どれも一長一短です。
ですが傾向として
などが相談に適していると考えられます。
今回の記事をまとめると、以下のようになります。
自転車事故は自動車事故と異なり、相手方が無保険のことも多くあります。
そのような場合、個人での交渉が一層困難になります。さらに後遺障害や過失割合など、様々な法律問題に対応しなければなりません。
それらに一括で、高度なレベルで対応できるのが弁護士です。
適正な損害賠償獲得のための手続きや金額の見積もり、後遺障害何級に該当するかの検討、被害者と加害者で過失割合はどれくらいか、そのようなご不安は是非交通事故に詳しい弁護士にお任せください。
アトム法律事務所ではLINE・電話での無料相談を受け付けています。
自転車事故の無料の相談窓口として、皆様のお役にたてることを願っています。
(第二東京弁護士会)
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。
自転車事故が発生してから解決するまでの大まかな流れとしては[①自転車事故が発生②自分と相手方の保険会社に確認・連絡③治療終了(症状固定)④示談交渉⑤損害賠償金受け取る]ことになります。示談交渉が決裂した場合は、訴訟提起の流れに変わります。 事故解決の流れについて
ご自身だけで自転車事故の解決を図るのが困難になった場合、弁護士等に相談することをおすすめします。相談の事前準備として、事故状況や損害について把握する・当事者双方の保険加入状況・怪我の状態などを説明できるように準備しておくことが大切です。 自転車事故について相談する前の準備
自転車事故に関する相談を受け付ける窓口としては、①日弁連交通事故相談センター、②自転車ADRセンター、③行政書士ADRセンター、④法テラス、⑤交通事故相談所、⑥弁護士などがあげられます。悩みは一人で抱えず、自分にあった窓口を探して相談するようにしましょう。 自転車事故の相談窓口一覧