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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
交通事故の弁護士費用の相場は、依頼を検討している人ならだれもが気になるところです。
弁護士費用の内訳を確認すれば、費用の仕組みが分かります。そうすればできるだけ安く済ませることができる部分も見えてきます。順番に確認しましょう。
弁護士費用を加害者に請求することは可能です。しかし、請求するには条件があります。
どんな場合でも認められるわけではありません。また、全額出してもらえるというわけではありません。気になる方は、該当するかを弁護士に相談してください。次の記事でも、弁護士費用を相手に請求できるのかを解説しています。参考にしてください。
交通事故の弁護士費用、相手に請求できる?
以下は「日本弁護士連合会」が一般に開示しているアンケート結果です。アンケートは会員弁護士を対象に実施されました。
着手金 | 報酬金 | |
最も多い回答 | 30万円 (49%) | 50万円 (35%) |
2番目に多い 回答 | 20万円 (20%) | 70万円 (18%) |
2008年度アンケート結果:市民のための弁護士報酬ガイド(日本弁護士連合会 公式サイトより)
公式サイトにはほかにも情報が公開されていますので、参考にしてください。
交通事故の着手金は、全体のおよそ70%の回答が30万円または20万円となっており、傾向が見えやすくなっています。しかし交通事故の報酬金は、2番目までに多い回答でも全体の53%でしかなく、残りの47%は違う回答になります。これは、報酬金が結果に影響されるためと推察できます。例えば弁護士に依頼・相談することで慰謝料がアップした場合に「増額分の●%」を報酬金としている例もあります。こういったことから、報酬金の項目は回答にばらつきが出やすいといえるでしょう。
弁護士費用特約とは、加害者ではなく被害者加入の保険にこの特約が付いているかということです。
被保険者が交通事故によって被った被害について、保険金請求権者(被保険者、被保険者の法定相続人等)が損害賠償請求をして弁護士費用等を負担したことによって生じた損害について、一定の限度で保険金が支払われるものである。
引用元:「改訂版 交通事故実務マニュアル 民事交通事件処理」株式会社ぎょうせい 平成29年出版
保険会社によってさまざまですが、弁護士特約が利用できる範囲はおおむね以下のようなケースが一般的です。
範囲は、契約している保険会社によって変わる可能性があります。加入している任意保険を必ず確認してください。
具体的に「弁護士費用特約」の使用例をアトム法律事務所で確認してみます。
特約なし | 特約あり | |
被害者 (人身事故) | 無料0円/初回30分 | 1.1万円/1時間(税込) =特約保険会社に請求 =被害者実質負担なし |
その他の方 | 相談は受け付けておりません |
特約なしの場合でも、初回30分は無料です。特約がある場合は、アトム法律事務所から弁護士費用特約の保険会社へ請求します。したがって、被害者の実質相談料はかからないということになります。
そのほか着手金・報酬基準も、弁護士費用特約の有無で違います。弁護士費用特約での負担額には上限がありますが、原則として保険会社が全額負担するので安心です。詳細はアトム法律事務所の公式ホームページでも紹介しています。関心のある方はぜひご覧ください。
弁護士費用特約をつかうと、費用はおさえられます。しかし、その特約がなく、金銭的にも弁護士費用を支払うのが難しい場合もあるかと思います。その場合は法テラスの利用を検討してください。
法テラス(日本司法支援センター)は、法律に関する困っていることについて、解決するための方法を提案してくれる国の公的な機関です
法テラスの基本的な利用は無料です。しかし、無料の法律相談は下記の1と3、弁護士費用等の立替制度の利用は、下記の1~3すべてを満たす人のみ利用できます。
1.収入等が一定額以下であること
2.勝訴の見込みがないとは言えないこと
3.民事法律扶助の趣旨に適すること
引用元:https://www.houterasu.or.jp/madoguchi_info/faq/faq_2/index.html#cmsjouken
公式ホームページに掲載されている収入の条件を抜粋してみました。
人数 | 収入要件 手取り月収額 | 資産要件 資産合計額 |
1人 | 182,000円以下 (20,0200円以下) | 180万円以下 |
2人 | 251,000円以下 (27,6100円以下) | 250万円以下 |
3人 | 272,000円以下 (299,200円以下) | 270万円以下 |
4人 | 299,000円以下 (328,900円以下) | 300万円以下 |
※手取り月収額:()内は東京、大阪など生活保護一級地の場合
収入要件には、家賃又は住宅ローンを負担している場合に一定の金額を加算することができます。詳細は「法テラス公式ホームページ」を参照してください。
「法テラス」は、弁護士費用の立替制度も提供しています。原則、援助最終日から3年をめどに完済となります。条件にあてはまるかどうか、利用を検討している方は問い合わせてみるとよいでしょう。
弁護士費用には以下のものが含まれます。
いずれの金額設定も、弁護士事務所や相談内容ごとに違います。相談料については、契約前からかかる場合も考えられますので、事務所へ行って相談する前に、あらかじめ確認するとよいでしょう。
着手金については、弁護士の弁護活動の結果には左右されません。例えば、「A弁護士」と一度契約をした後に、やはり「B弁護士」に頼むことになったとします。その場合「A弁護士」が弁護活動の途中で解約になっても、着手金が戻ってこないこともあります。
また、報酬金や日当、実費のそれぞれの定義についても、必ず弁護士に確認しましょう。例えば、契約書に成功報酬の「成功」とは何なのか、そういったところまで双方で確認し、認識を共有することが望ましいといえます。
弁護士に依頼すると、慰謝料の増額が期待できます。それは、慰謝料を算出する基準が保険会社と異なるからです。慰謝料には3つの算出基準があります。
自賠責保険は、車の運転者に加入の義務があります。被害者救済を目的としており、最大上限120万円までは自賠責保険から賠償金が支払われます。任意保険は、自賠責保険を追加補てんする目的があります。
イラストでわかるように、自賠責保険・任意保険よりもはるかに相場が高くなるのが裁判・弁護士基準です。この基準では、これまでの裁判例などを元に慰謝料を算出します。「弁護士に依頼するとお金がかかる…」という方も、弁護士に依頼することでもらえる慰謝料が増えるのであれば、最終的に手元に残る金額も増える可能性が高いです。
慰謝料計算機をつかえば、最も相場が高い裁判・弁護士基準で簡単に計算できます。情報を入力するだけで、自動で計算できて手間がかかりません。
算出する基準が違うだけで、金額も大きく変わります。適正な金額を受けとるためには、裁判・弁護士基準をつかった示談交渉のプロである弁護士への相談・依頼をおすすめします。
アトム法律事務所は、交通事故の解決実績が豊富です。
無料の相談窓口が利用できます。また、事前にLINEでの相談も実施しています。弁護士費用特約のある方なら、来所相談料・着手金の被害者負担は0円です。また、特約がない方でも、初回の来所相談が30分無料です。「会って話をしてから決めたい」という方にも好評です。
弁護士と契約をする前には、弁護士事務所の比較検討をおすすめします。依頼者が「話したい」、「任せたい」と思える弁護士との出会いが大切です。それは、交通事故解決には、弁護士と依頼者の信頼関係が欠かせないからです。契約する際には、費用のこと、解決までの流れのことなど、わからないことはそのままにせず、なんでも弁護士に聞いてください。
(第二東京弁護士会)
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。