作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故対応

交通事故対応マニュアル:現場で使えるチェックリスト/保険会社の対応が悪い時は?

交通事故、被害者はどう対応?交通事故、被害者はどう対応?

交通事故対応は、被害者に対しても求められるものです。
この記事は、交通事故被害者向けに
(1)現場対応マニュアル
(2)交通事故解決までの流れ
(3)加害者・加害者側の保険会社の対応が悪い場合
の3つに分けて解説します。
現場で使える初動対応チェックリストや、流れ・フローがひと目でわかるイラストも掲載しています。最後までぜひ読んでください。

  • 交通事故対応、被害者が事故現場ですべきことは?
  • 交通事故の流れが知りたい…
  • 加害者や加害者側の保険会社の対応が悪くて困っている…

順番にみていきましょう。


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【交通事故の対応マニュアル】チェックリストで対応を確認

交通事故現場で被害者が対応する4点は次のとおりです。
対応①負傷者の救護を最優先
対応②二次災害を防止
対応③加害者の連絡先を把握
対応④警察への連絡・報告

すぐに使えるチェックリストを作成しましたので、ご利用ください。

<チェックリスト>交通事故・初動対応
□ 対応①負傷者救護
□ 救急車の要請
□ 応急処置の実施
□ 警察へ通報(110番)
□ 協力者・目撃者の存在
▶ □あり / □なし
▶ 協力者連絡先:
□ 対応②二次災害を防止
□ 負傷者の安全確保
□ 事故車両の移動・事故現場状況の撮影
□ 後続車に知らせる
□ 対応③警察対応
□ 事故の発生日時・場所
□ 事故の死傷者数
□ 事故の負傷者の負傷程度
□ 損壊物と損壊の程度
□ 事故車両の積載物
□ 事故発生後に講じた措置
□ 対応④加害者情報
□ 加害者の氏名・住所・連絡先
▶ 氏名:
▶ 住所:
▶ TEL:
□ 加害者車両の所有者・ナンバー
▶ 所有者は □本人 /□その他
▶ ナンバー:
□ 加害者の保険
▶ □任意加入 / □任意未加入
▶ 自賠責保険番号:
□ 対応⑤ 被害者自身の保険会社に電話
□ 事故の発生を連絡

特に、対応①と対応③は法律でも定められている義務行動です。
それぞれを確認していきましょう。

対応①負傷者の救護を最優先

対応①負傷者の救護

負傷者の救護は「道路交通法」という法律で定められた運転者の義務行動です。法律の一部を抜粋してみました。

交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。

引用元:道路交通法第72条1項前段

「運転者」とは、交通事故の加害者・被害者の両方です。また、同乗者にも同様の義務が発生します。

負傷者救護ポイント

(1)救急車を呼ぶ
(2)応急措置を行う

この2つは必ず行ってください。

交通事故発生時、周囲の人に協力を頼めないかも確認しましょう。そして、代わりに行ってもらうなどして、110番で警察も呼ぶようにしましょう。

対応②二次災害を防止

対応②二次災害を防止
二次災害を防ぐために

(1)負傷者を安全な場所に移動させる
(2)事故車両を安全な場所に移動させる
(3)交通事故の発生を後続車に知らせる

以下の補足内容も確認しておきましょう。

<補足>
(1)怪我人を移動させるときには、状態を見て慎重に行いましょう。頭を打っている場合などは、不用意に動かさないほうがいいこともあります。

(2)交通事故の現場はできるだけそのまま置いておくことが望ましいです。それは警察の実況見分が行われるためです。しかし、交通の大きな妨げになっている場合には、やむを得ないでしょう。その際には物を動かす前にスマホ等で写真を撮影して記録を取っておきましょう

(3)後続車への事故発生通知は、三角表示板や発煙筒などを用います。積載は義務ではありませんが、使用せずに高速道路の加速車線、減速車線、登坂車線、路肩、路側帯で車を停止させることは、故障車両表示義務違反という違反の対象にもなります。車両に積載して使える状態にしておきましょう。

対応③警察への連絡・報告

対応③警察への連絡・報告

警察への連絡・報告内容についても、「道路交通法」で定められています。

警察への報告内容

① 事故の発生日時・場所

② 事故の死傷者数

③ 事故の負傷者の負傷程度

損壊物損壊の程度

⑤ 事故車両の積載物

事故発生後に講じた措置

多くの場合は、加害者側が警察へ報告します。「運転者」への義務ですので、被害者にも報告の義務があります

また、事故の程度にかかわらず、警察の許可なく事故現場から離れてはいけません。加害者・被害者両方で立ち合い、偏った見方にならないように、警察に報告するのが望ましいです。

対応④加害者と連絡先を交換

対応④加害者と連絡先を交換
確認しておくこと

(1)加害者の氏名・住所・連絡先 ⇒ 運転免許証などで確認
(2)加害者車両の所有者・ナンバー ⇒ 車検証などで確認
(3)加害者加入の保険会社 ⇒ 任意保険の加入状況
※任意保険未加入の場合は、自賠責保険の証明書を確認

少なくとも、加害者の氏名・住所・連絡先は必ず確認しておきましょう。そのほかの項目は、後からでも確認できます。
比較的軽微な事故の場合、加害者から示談を持ち掛けられることもあるようですが、この時点では応じないようにしましょう

対応⑤被害者加入の保険会社に電話

対応⑤保険会社へ連絡

被害者自身で保険に加入している場合は、交通事故直後に、必ず連絡を入れましょう。代表的な被害者加入の保険を例にあげてみます。

保険の例

(1)人身傷害補償保険
(2)搭乗者傷害保険
(3)無保険車傷害保険

加入状況・補償内容を確認して、治療などに役立てましょう。
被害者を支える保険の仕組みについてもっと気になる方は、関連記事「交通事故|被害者請求&弁護士相談で慰謝料UP/被害者を支える保険と仕組み」も併せてお読みください。

まとめ
交通事故の被害者になってしまった場合

被害者も加害者も、事故の当事者という点では共通しています。
▶負傷者の救護
▶二次災害の防止
▶加害者との連絡先交換
▶警察への連絡・報告
主体的に行動をすることが望ましいでしょう。

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【交通事故の対応】被害者視点で流れを解説、治療~示談までのフロー

ここまでは、交通事故現場での対応を解説してきました。
次に、現場対応が終わった後の交通事故の流れを、被害者目線で確認していきます。

対応⑥病院の受診・治療

現場での対応を済ませた後は、必ず早急に病院を受診しましょう

「どこも痛くないので病院には行かなくてもいいかな」
この判断は非常に危険です。
例えばこういったリスクがあります。
▶後から痛みが… ⇒ 加害者が支払いを拒否?
▶病院に行って診断書をもらわないと… ⇒ 慰謝料ゼロ?

交通事故の発生日から通院まで日数があくと、「本当にその痛みは交通事故が原因?」、「痛かったらすぐに通院するんじゃ…」など、事故との関連や被害者の主張が否定されたり、疑われる材料になってしまいます。

交通事故の流れ

治療を一定期間続けると、そのケガが完治する場合と、治療の効果が認められにくくなる場合にわかれます。

完治した場合 ⇒ 示談へ

治療の甲斐なく後遺症がのこった場合 ⇒ 症状固定へ

「症状固定」から以後の流れを見ていきます。

対応⑦人身事故として警察へ届け出る

慰謝料は、「物損事故」の場合は支払われません。慰謝料は、事故でケガを負った苦しみに対して支払われます。だから、事故は人身事故として警察に届けて「交通事故証明書」を発行してもらいましょう。

人身事故として届け出るためには、病院発行の「診断書」が必要です。やはり、病院は必ず受診しなくてはいけません

対応⑧後遺症が残ったら…

症状固定とは、傷病の治療を進めてきたけれども、これ以上治療を続けても症状の改善がみられない状態をさします。つまり、完治とはならず身体に何らかの後遺症が残っている状態です。

症状固定のタイミング

症状固定の判断は、医師の見解が尊重されます。
「症状固定」となると事故の治療は終了となり、後遺障害認定を受けることを目指します。

医師は「症状固定」の判断をしますが、「後遺障害」の認定はできません。ですので、医師に「後遺障害診断書」を作成してもらい、認定を受けるための申請をします。

認定期間の目安は、1か月~2か月程度と思っておきましょう。交通事故の後遺障害の程度によって、認定にかかる期間はさまざまです。

後遺障害の等級が認定されると、後遺障害に対する慰謝料や、後遺障害を負うことで失われた将来の利益(逸失利益)を算出して加害者に補償を求めていきます。

後遺障害認定についての詳細が気になる方は、関連記事も参考にしてください。

対応⑨示談交渉

示談交渉で決めること

示談交渉では、治療にかかった費用や慰謝料など、最終的に加害者が被害者に支払う総額・事故に関する示談金(損害賠償額)を決めます。

交通事故示談金の内訳

双方が合意した結果は「示談書」として残しておきます。「示談書」は、基本的には加害者側の保険会社が作成します。
一度、示談書で取り交わした内容は、原則、後から変えることができません。よく内容を確認し、捺印・返送をしましょう。

3

【Q&A】加害者や保険会社の対応が悪い…どうすれば?

ケガの治療に専念できるように、示談交渉のプロである弁護士への相談・依頼をオススメします。

その理由を「加害者」、「加害者の保険会社」の2視点から確認してみましょう。

加害者の対応が悪いと感じる…

「謝罪に来ない・謝意が感じられない」

「お見舞金の金額が少ない」

「加害者が損害賠償に加害者の保険を使いたがらない」

「対応の悪さ」は、このような時に感じる人が多いようです。

加害者側は、「保険会社が窓口に立ってくれている」と考えており、直接対応するという意識が低い場合があります。
しかし、こういった加害者に腹を立てても、被害者のストレスになってしまう一方で、プラスにはなりません。適正な損害賠償をきっちり受け取ることに徹したほうがよいでしょう

お見舞金については受けとるデメリットもあります。例えば、裁判において、「お見舞金の受領=加害者の反省を被害者が受けとめた」ととらえられ、加害者の刑罰が軽くなることもあります。

保険を使いたがらない背景には、「保険の等級が下がり、保険料が増額になることを避けたい」という心理がありそうです。
まず、車の運転者にかかわる2つの保険のちがいをおさえましょう。

自賠責保険と任意保険のちがい
自賠責保険 任意保険
加入義務 義務加入 任意加入
補償限度 最大120万円* 保険による

*傷害部分

自賠責保険は、最大120万円までしか補償できません。ですので、足りない分を任意保険がカバーしています。
「保険使用を避ける」とは「任意保険を使わない」ということです。加害者が加入している保険を使って示談金を支払うと、その分、月々の保険料が上がるのです。

保険を使わないということは、120万円を超えた分を、加害者個人で支払うということです。金額によっては難しく、最終的に加害者に支払い能力がない…なんてことも多々あります。
120万円を一つのボーダーと考えて注意が必要です。加害者が任意保険を使わず、さらに個人でも支払われない場合は、裁判を起こすことも視野に入れなくてはいけません。

保険会社の対応が悪いと感じる…

一方的に「症状固定」を主張し、治療費の支払打ち切りを連絡してきた

突然「弁護士が対応する」と言ってきた

保険会社の対応が悪いというご相談は、こういったお悩みが多いです。

症状固定の判断は医師の意見が尊重されます。
加害者の保険会社が症状固定を伝えてくるのは、
▶症状固定をして、治療費の支払いを打ち切りたい
▶ケガの内容から、だいたいの症状固定時期を推測している
このような背景がありえます。

治療費の打ち切りと言われるとなんだか焦ってしまいます。
症状固定とは交通事故を終結させる(慰謝料などを受けとる)ために必要なのです。
しかし、まだ痛みがあるなどで治療の必要性を感じている場合は、一度医師に相談してみて、見解をたずねてみましょう。

治療は被害者の自由です。仮に、症状固定となっても通院自体は可能です。ただ、治療費は被害者が負担をしなくてはいけません。領収書を保管しておくと、後の裁判などで費用負担を求める際の資料になります。

また、加害者の保険会社から「次からは弁護士が対応します」と言われ、緊張や焦りを覚える人もいるようです。

事故の規模が大きく、賠償額が高額になる

示談交渉がうまくまとまらない

被害者の気質で交渉の難化を感じた(クレームなど)

弁護士が出てくる背景としては、このような理由が考えられそうです。

示談とは、加害者・被害者の双方がお互いに譲歩しあい、争いをやめる合意をすることです。どちらか片方の意見だけを通すことを、示談とは言いません。保険会社が窓口を弁護士に変更してくるときには、示談交渉を円滑かつ迅速に進めることを目的としています。焦る必要はありません。

増額交渉(弁護士あり)

加害者や保険会社の対応が悪いと感じること自体がストレスです。治療に専念するためにも、交渉ごとは弁護士という専門家に任せると良いでしょう。結果として、慰謝料などの損害賠償も弁護士基準で交渉することが、増額のカギです。

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「交通事故、どう対応すれば…?」お悩みの被害者の方へ

LINE・電話OK|<24時間・365日>無料相談の予約窓口

アトム法律事務所は「交通事故と刑事事件の地域一番の弁護士事務所として、 相談者のお悩みとお困りごとを解決すること」を目指しています。交通事故に関する解決実績が多数ありますので、ご安心ください。

無料相談の予約受付の窓口は24時間365日ご利用いただけます。電話・LINE・メールなど、使いやすい方法でお問い合わせください。混み合う時間帯や土日祝は順番をお待ちいただくこともありますので、お早めにご連絡ください。


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まとめ

交通事故の対応は、被害者にとってケガの治療と並行して進めなくてはならず、大変な負担です。一方で、最初の対応が慰謝料金額を左右することもあるのです。しっかり準備して治療・交渉を進めるためにも、弁護士相談は早すぎることはありません。遅くとも、示談前に弁護士に依頼することが重要です。一度結んだ示談は、原則変更できません。

アトム法律事務所は、東京・大阪・福岡をはじめ、全国各地に事務所を設けています。どの事務所も駅から近く、交通アクセスのよい立地です。次のページに各事務所・支部の一覧が確認できますので、相談時の参考にしてください。


弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

全国10事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業依頼、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2019年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。