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示談成立後に作成される示談書。
今回は、示談書に関する様々な疑問にお答えします。
目次
交通事故の示談交渉は、加害者側任意保険会社が相手であることがほとんどです。
加害者側任意保険会社との間で示談がまとまると、その内容を記した示談書が送られてきます。
しかし、なかなか示談書が送られてこないことがあります。
保険会社から示談書がなかなか送られてこない理由としては、以下のことが考えれます。
示談書がなかなか送られてこない背景に、
という保険会社内での問題がある場合があります。
また、示談書に加害者と被害者が署名・捺印すると、記載されている示談金を保険会社が支払います。
そのため、特に示談金額が大きい場合には、会社の上層部の人にも確認してもらう必要があります。
そうした事情から、なかなか示談書を送る段階までたどり着けていない可能性もあります。
いずれにしても、個人としてではなく会社組織として示談交渉にあたり、処理しているからこその事情ということになります。
示談書には、被害者だけでなく加害者も署名・捺印する必要があります。
保険会社が被害者より先に加害者に署名・捺印を求めていて、加害者がそれを渋っていることも考えられます。
そうなると、必然的に被害者に示談書が送られてくるのが遅くなるのです。
任意保険会社は加害者の代わりに示談交渉に臨みます。
そのため、任意保険会社が代行した示談交渉の結果について、加害者が納得しないということもあり得ます。
そのような場合には、示談書になかなか署名・捺印してもらえず、その後の流れが滞ってしまいます。
保険会社からの示談書がなかなか届かない場合には、保険会社に直接問い合わせるという対処法が一番です。
保険会社に問い合わせると、今示談書がどの段階にあるのかが分かります。
また、万一送ったのに届いていないということが発覚した場合には、新たに送ってもらえます。
示談書に署名・捺印してしまうと効力が発生し、基本的には内容を取り消せなくなります。
示談書には、示談成立を以て被害者はこれ以上の損害賠償請求をしないという旨が記載されていることが多いです。
示談書に署名・捺印するということは、それに同意したということになるのです。
効力 | |
---|---|
対加害者 | 示談書に記載された示談金額の支払い義務が発生 |
対被害者 | これ以上の損害賠償請求権が消滅 |
しかし、特別な事情がある場合には示談書に署名・捺印した場合でもその内容を無効にできます。
示談書の内容を無効にできるのは、以下のような場合です。
①公序良俗に反する場合(民法90条) |
---|
弱みに付け込み不当な示談内容になった場合 |
②心裡留保(民法93条) 虚偽表示(民法94条Ⅰ項) |
本心でないことを互いに知りながら形式的に合意した場合 |
③錯誤に当たる場合(民法95条) |
示談の前提や重要な事実についての錯誤があった場合。 |
④詐欺・脅迫があった場合(民法96条) |
詐欺や脅迫によって合意した場合。 |
② の心裡留保・虚偽表示は聞きなれない言葉ですが、交通事故の示談の場合には以下のようなケースが考えられます。
示談成立前に加害者の刑事裁判がある。
刑事裁判では示談書は情状資料として提出できる。
そこで、情状資料として提出するために、示談が成立したという体で示談書にサインした。
この場合、裁判で提出するためだけに取り合えず示談書に署名・捺印したということになります。
互いにこの内容は本当の示談交渉の結果ではないと了解したうえで署名・捺印しています。
そのため、もし加害者に「それでも署名・捺印したのだからこの示談書は有効だ」と言われても、無効にできるということです。
加害者に対する処罰感情があまりない場合、こうした申し出に応じてしまいがちです。
しかし、いくら無効にできるとはいえ心裡留保で署名・捺印した示談書がトラブルのもとになることもあります。
このような場合、裁判提出用の示談書を作るのではなく、処罰感情がない旨を示した嘆願書を作成しましょう。
① ~④の中でも特にありがちなのが、③錯誤に当たる場合です。
「示談交渉の時点では後遺障害がなくけがは完治と思われていたのに、後から後遺障害が発覚した。
新たに後遺障害慰謝料や逸失利益を請求したい。」という場合には、錯誤に当たるとして再び示談をすることが可能です。
ただし、後から後遺障害が発覚しても、加害者側が追加の示談交渉に応じずもめることもあります。
今後後遺障害が発覚する可能性がある場合は、示談書に
後遺障害が発覚した場合には、再度示談交渉を行う
という旨を記載しておく方が安心です。
交通事故の示談交渉は、基本的に加害者側任意保険会社が相手になります。
この場合、示談書は任意保険会社が作成することがほとんどです。
こうした場合には、相手がプロなので、上で解説した①②④の心配はありません。
加害者側任意保険会社と交渉する際の注意点は、以下のような点になります。
加害者側任意保険会社は示談交渉のプロで、経験も知識も豊富です。
また、示談金額は加害者側任意保険会社にとって出費になります。
したがって、少しでも示談金額を抑えようと交渉してきます。
どんなに法的根拠や過去の判例とともに正当な主張をしても、弁護士でないと聞き入れられないことも多いです。
加害者側任意保険会社との示談交渉では、弁護士に代理を依頼することが重要です。
加害者が任意保険に入っていない、入っているけれど利用を拒否しているという場合もあります。
この場合、示談交渉は加害者や、加害者側任意保険会社以外の代理人と行うことになります。
こうした場合には、上で解説した①②④のような状態で示談交渉が進められる危険性もあります。
加害者や専門家ではない加害者の代理人が示談交渉の相手となる場合は、
というような注意点があります。
示談交渉の相手が加害者側任意保険会社だった場合、相手がプロである以上被害者側もプロを立てることが重要です。
一方、示談交渉の相手がプロでない場合でも、プロでないからこそ正しい示談交渉のために被害者側はプロを立てることが重要です。
いずれにしても、示談交渉に臨むにあたって、一度弁護士に相談しておくことがポイントです。
示談交渉に臨む場合や示談書に署名・捺印する場合には、弁護士に相談することがポイントです。
そうすることで、以下のようなメリットが生じます。
示談書に署名・捺印をしてしまうと、基本的に示談交渉をやり直したり再開したりすることはできません。
示談書の無効化が可能になる事情があっても、相手がそれに応じてくれなければ裁判が必要になります。
そうならないためにも、示談書に署名・捺印する前の最終チェックが重要です。
交通事故や示談交渉に詳しい弁護士に相談することで、署名・捺印後のリスクを軽減できるのです。
弁護士に相談した方が良いことはわかっていても、
という事情もあります。
そのような場合には、アトム法律事務所の無料相談をご利用ください。
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弁護士費用特約は、
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岡野武志
保険会社の担当者は、他にも複数の示談交渉を抱えています。
そちらが忙しくてなかなか示談書まで手が回っていない可能性があります。