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交通事故の治療費を加害者に請求するためには?怪我を治療するときの注意点!

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交通事故の被害にあって怪我をした…。

怪我の治療に関して、様々な不安が生じます。

  • 治療費として請求できる費用と、請求できない費用のちがいは
  • 入院によって失われた収入は補償されるのか
  • 整骨院に通っても治療費は請求できるのか

治療費についての疑問なら、この記事を参考にしてみてください。


1

交通事故の治療費の請求方法

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Q1

治療費は加害者負担?

治療費は加害者に請求できる

交通事故で怪我をしたとき、治療や入通院などでお金がかかります。

治療に必要な費用は、加害者側の保険会社に請求することができます。

治療が終了した後ではなく、治療中から請求することが可能です。

交通事故の被害者と加害者は示談を行います。

慰謝料などは、示談が成立した後に示談金として払われます。

しかし、治療費は示談金から前払いする形で支払われることが多いのです。

示談金が支払われる時には、治療費は既払金と扱われます。

二重に受け取ることはできません。

治療から示談までの流れは、以下の図を参照ください。

交通事故による治療の流れ

事故直後はすぐに病院へ!

治療費を請求するためには、事故後すぐに病院に行ってください。

事故から時間が経てば、治療費を請求できないおそれがあります。

事故と怪我との因果関係が疑われるためです。

たとえば、事故から数ヶ月後に身体が痛みだしたとします。

その痛みの原因が事故であると証明できなければ、請求は難しいです。

加害者が賠償責任を負うのは、自分が起こした事故による損害のみだからです。

また、事故を人身事故として届け出するためには診断書が必要になります。

物損事故として扱われると、実況見分調書が作成されません。

示談や裁判の際に証拠が足りず、賠償金額が減少するリスクがあります。

すぐに病院に行く理由

診断書が作成され、人身事故として届け出できる

自覚がない怪我や症状を発見して、対処できる

事故と怪我の因果関係が証明できる

治療のためにも、賠償金請求のためにも、事故直後はすぐに病院へ行ってください。

過失割合に注意!

多くの事故では被害者にも何らかの過失があります。

その場合、過失割合に応じて、治療費は一部自己負担となります。

被害者に2割の過失がある場合、2割の治療費が自己負担になります。

請求できる項目の内訳

病院に通うと、治療費以外にも様々な費用が発生します。

基本的には、事故が原因で発生した費用は加害者に請求することができます。

被害者に生じた損害を賠償する責任は、加害者にあるからです。

治療に関係する費用の例

治療費

通院交通費

看護料

入院雑費

診断書作成費

各費用を請求するためには、金額を示す書類が必要です。

病院の領収書などは大切に保管してください。

示談成立した後に支払われる慰謝料には、入通院した日数が関係します。

日数もしっかり記録しましょう。

日数ごとの慰謝料の相場は、以下の票を確認してください。

重傷の慰謝料算定表

重傷の慰謝料算定表

Q2

支払いが打ち切られるタイミングは?

治療費の支払いは「症状固定」まで

治療は、症状固定と呼ばれる段階まで続けられます。

症状固定とは

それ以上の治療を続けても症状の大幅な改善が見込めなくなる段階のこと。

通常、保険会社による治療費の支払いは、症状固定時まで続きます。

症状固定後は、それ以降の治療費の打ち切りを打診される場合が多いです。

保険会社による支払いが打ち切られた後は、治療費は被害者の自己負担となります。

症状固定のタイミングは、怪我の種類ごとにおおよそ予測できます。

軽い怪我であれば、症状固定時には完治していることが大半です。

症状ごとの症状固定タイミング(例)*
むちうち症
3ヶ月前後
骨折
6ヶ月前後
高次脳機能障害
1年以上

*症状の程度や被害者の年齢などにより変動します

後遺障害が残った場合

症状固定時を過ぎても完治せず、症状が残り続ける怪我もあります。

重症であればあるほど、完治しない可能性が高くなります。

完治しなかった症状は後遺障害と呼ばれることになります。

後遺障害とは

症状固定時を過ぎても完治せず、残っている怪我の症状のこと。

後遺障害が残ると、後遺障害慰謝料などの項目が示談金に追加されます。

追加される金額は、後遺障害の等級で変わります。

後遺障害等級は、審査機関に申請して認定してもらう必要があります。

後遺障害慰謝料の基準については、以下の表をご覧ください。

弁護士基準による慰謝料の相場

また、後遺障害が残った場合は逸失利益という項目も追加されます。

後遺障害や逸失利益の詳細は、以下の記事で解説しております。


2

交通事故の休業補償とは?

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Q1

休業補償も請求できる?

休業損害は補償される

交通事故の怪我のために入院すると、入院中の収入が失われます。

これを休業損害と呼びます。

休業損害の補償(休業補償)は、加害者に請求できます。

休業補償は、基本的には治療終了後に示談金の一項目として請求します。

請求できる休業補償の金額は、加害者の加入している保険によって変わります。

自賠責任意保険かで変わるのです。

請求できる治療費や慰謝料の限度額も、保険の種類によって変わります。

請求に必要な書類

休業補償を請求するためには、損害額を明らかにする書類が必要です。

必要な書類は、就業形態によって異なります。

会社員である場合、休業損害証明書と源泉徴収票が必要です。

ボーナスが減少したときには賞与減額証明書も提出します。

自営業であれば、事故前年の所得税確定申告書などの書類が必要です。

また、休業の必要性の証明が求められる場合もあります。

被害者本人の自己申告ではなく、客観的な指標が必要になります。

医師による就労制限の指示が、特に重要な指標です。

「休業の必要性」の判断

怪我の症状と、業務内容と照らし合わせて判断する。

業務内容により、休業の必要性が認められる症状は異なる。

症状の程度や、発生している部位などが判断基準となる。

症状と業務内容による、休業の必要性
デスクワーク 肉体労働
目まいがする 症状程度により変わる 症状程度により変わる
足が痛む 必要性が認められづらい 必要性が認められやすい
Q2

休業補償の計算方法は?

会社員の場合

休業補償の総額は、加害者の加入している保険により変わります。

自賠責の計算方法は、原則として以下の通りです。

自賠責保険における休業補償金額

5,700円 × 実際に休業した日数(実休業日数)

任意保険であれば、実際の収入を元にして計算します。

会社員の場合は、事故前3か月の給料を参照します。

任意保険における休業補償金額(会社員の場合)

1日当たりの補償金額(算定基礎日額):

事故前3か月の給料の合計額 ÷ 90日

支払われる補償金額:

算定基礎日額 × 実際に休業した日数(実休業日数)

ボーナスは「事故前3か月の給料」に含まれません。

ボーナスが減額した分の補償は、賞与減額証明書を用いて別途請求します。

自営業の場合

自営業であれば、確定申告書を用いて計算します。

任意保険における休業補償金額(自営業の場合)

1日当たりの補償金額(算定基礎日額):

確定申告の申告所得額 ÷ 365日

支払われる補償金額:

算定基礎日額 × 実際に休業した日数(実休業日数)

申告所得額に加えて、事業を維持するためにかかる固定経費も請求できます。

ただし、加害者側の保険会社による計算には、固定経費が含まれていることは少ないです。

被害者側の方から、固定経費を加算した補償額を算出して提示する必要があります。

会社員と自営業、それぞれの休業補償
会社員 自営業
必要書類 休業損害証明書など 確定申告書など
1日あたりの補償金額* 事故前3か月の収入÷ 90 事故前年の収入 ÷ 365

*任意保険の場合(自賠責保険では、原則、1日あたり5,700円)

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交通事故の治療で注意すべき点とは?

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Q1

タクシー代や個室代は?

基本的には公共交通機関

事故による痛みがひどければ、タクシーで通院したくなるかもしれません。

通院代は、基本的には公共交通機関でかかる費用のみが請求できます。

タクシー代を請求できるのは、タクシーを使う必要性が認められる場合に限ります。

以下のようなケースなら、タクシー代を請求できる可能性があります。

タクシー代を請求できる場合

骨折などにより歩行に支障があるとき

タクシーを使用するよう、医師から指示があったとき

地理的に、公共交通機関の使用が困難であるとき

「痛みがひどい」程度の理由なら、タクシー代が請求できないことがあります。

どうしてもタクシーを使わなければならないなら、医師に相談しましょう。

診断書にタクシーの必要性が記載されれば、請求しやすくなります。

個室代を請求できる場合

入院費用に関しては、基本的には大部屋の代金が請求できます。

個室代は、やむをえない事情がある場合にしか請求できません。

個室代を請求できる場合

個室を使うよう、医師から指示があったとき

大部屋が満員であり、個室しか使用できなかったとき

どうしても個室を使いたい場合は、自己負担することも可能です。

Q2

整骨院でも治療費は請求できる?

整形外科と整骨院

交通事故では、骨折や脱臼などの外傷を負うことがあります。

骨折などをしたとき、病院では整形外科に通うことになります。

また、整形外科と並行して整骨院(接骨院)に通うことも多いです。

整形外科では医師(整形外科医)が骨・関節・筋腱(運動器)・手足の神経(末梢神経)・脊椎脊髄の治療を行います。

(略)

整骨院(接骨院)では柔道整復師が捻挫や打撲に冷罨法、温罨法、マッサージや物理療法等の施術を行います。柔道整復師は医師ではなく、あん摩・マッサージ、はり・灸師と同じ医業類似行為の資格です。

引用元:整形外科と整骨院(接骨院)――「整体」なども整形外科の一分野なのでしょうか?

(日本整形外科学会 ホームページより)

https://www.joa.or.jp/public/about/bonesetter.html

争いの種になりやすい整骨院

整骨院による治療が、怪我の回復に効果のあることは多いです。

しかし、整骨院で発生した治療費は扱いが難しく、争いの種になりえます。

柔道整復師の国家資格を持つ先生による診断の場合、治療費を請求できます。

柔道整復師の資格を持たない人が運営する施設では、治療費は原則請求できません。

施設の名称に、注意してください。

治療費が請求できる施設、できない施設
治療費が請求できる
整骨院、接骨院
治療費が請求できない
整体院、カイロプラクティック

また、整骨院で発生する治療費であっても支払われないことがあります。

病院と整骨院とで、治療終了期間が異なることがあります。

病院での治療は終了したが、整骨院での治療は継続する、などです。

このとき、治療費が打ち切られる場合があります。

診断書の作成は病院で

医師と柔道整復師はどちらも国家資格が必要ですが、資格の内容は違います。

医師と柔道整復師

医師は医学を修めており、その診断は医学的見地に基づく

示談交渉や裁判などでは医学的見地が重視される

医師と柔道整復師の判断が違う場合、医師の判断が優先されることが多い

後遺障害認定を申請するときにも、医師による診断書が必要になります。

整骨院にばかり通っていると、後遺障害が認定されないリスクがあります。

示談や裁判などでも、医師による診断書が必要になることが多々あります。

交通事故の被害にあったら、病院には定期的に通ってください。

整骨院には、医師の指示が出てから通うことが望ましいです。

交通事故で整骨院に通うときの注意点などについては、以下の記事もご覧ください。


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交通事故の治療に不安があれば「弁護士に相談」

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Q1

治療費の請求に問題はない?

治療費に慰謝料、休業補償…。

交通事故で請求できる費用は様々であり、請求可能なタイミングも異なります。

請求の手続きや、請求に必要な書類の管理も、大変なものです。

交通事故の被害にあわれたら、弁護士に相談ください。

ぬかりなく治療費や慰謝料を請求するためのアドバイスをいたします。

事故の被害にあわれた方は、さっそくスマホで無料相談をしてください。

365日24時間、お電話はいつでもつながります。

事故の直後から、交通事故に詳しい弁護士が相談に乗ります。

無料で弁護士に相談できる、SNS相談もご利用ください。

対面相談の予約も、SNSで受け付けています。

LINE・Facebookへのお問い合わせは、順次回答させていただいています。

後悔のない治療をするために

治療に関係するものとして請求できる費用は何か?

休業補償を請求する手続きは適切に進んでいるか?

接骨院の適切な利用法とは?

…事故の怪我を治療していると、様々な不安があるかと思います。

すこしでも不安があれば、すぐに弁護士に連絡をください。

交通事故に詳しい弁護士が、治療開始から示談成立まで、トータルでサポートいたします。

不安をなくし、治療に専念しましょう。