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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
交通事故の強い衝撃などによって、椎間板ヘルニアや内臓ヘルニアを発症することがあります。適切な治療、安静に過ごすことで回復するケースもありますが、症状によっては痛みなどさまざまな後遺症が残る可能性があります。
交通事故で後遺症が残る被害にあったら、適切な慰謝料などの補償はきちんと得ることはできるのでしょうか。
目次
奈良県立医科大学付属病院アトム法律事務所顧問医
藤井 宏真医師
背骨は複数の脊椎で構成されており、脊柱と脊柱のあいだにはクッションの役割を果たす椎間板があります。この椎間板の中身がはみ出すことを椎間板ヘルニアといい、痛みなどの神経症状をもたらします。
「ヘルニア」というのは、身体の組織・臓器の一部が本来あるべき場所からはみ出ている状態をいいます。本記事では、椎間板ヘルニアと内臓ヘルニアに焦点をあてて解説していきます。
まず、交通事故で発生しやすい椎間板ヘルニアについてです。椎間板ヘルニアは首から腰までつながる背骨で起こり、大きく頚部/胸部/腰部の3つに分けられます。
それぞれの部分で起こる椎間板ヘルニアには以下のような症状がみられます。
▼頚椎椎間板ヘルニア
肩こり
背中の痛み
腕の痛み
腕のだるさ・しびれ
足の痛み
足のしびれ
膀胱障害(尿失禁)
▼胸椎椎間板ヘルニア
背中の痛み
脇腹の痛み
歩くにくい
尿が出づらい
▼腰椎椎間板ヘルニア
片足にしびれ
片足に痛み
脱力感
感覚障害
膀胱障害
麻痺
など、このような症状がみられることになります。
胸椎椎間板ヘルニアに関しては、決して腕に症状がみられず下半身のみに症状がみられるのが特徴になっています。
つぎに、臓器ヘルニアについて解説します。臓器ヘルニアは大きく、腹壁ヘルニア/腹壁瘢痕ヘルニア/鼠径ヘルニア/内ヘルニアなどに分けることができます。それぞれの部分で起こる臓器ヘルニアには以下のような症状です。
▼腹壁ヘルニア
腹痛(にぶい痛み)
腹部の違和感
重症化すると激しい痛み・吐き気など
▼腹壁瘢痕ヘルニア
腹部の痛み
食後の腹部膨満感
▼鼠径ヘルニア(脱腸)
鼠径部のふくらみ
鼠径部の不快感・違和感
鼠径部の痛み
▼内ヘルニア
便秘
吐き気
おう吐
腹痛
重症化すると腸管壊死に発展
など、このような症状がみられることになります。
椎間板ヘルニアに関しては、整形外科などの受診をおすすめします。内臓ヘルニアに関しては、消化器外科や消化器内科などを受診しましょう。
一般的な治療方法はつぎの通りです。
▼保存的治療
コルセットなど装具の装着
消炎鎮痛剤
筋弛緩薬
神経ブロック注射
▼手術
後方椎間板切除術
基本的に手術をおこなう
十分な治療を受けても、良くなったり悪くなったり一進一退の状態で残存する症状
交通事故では、障害の部位・程度により14段階の後遺障害等級で区分される
ヘルニアで生じることのある後遺障害には以下のようなものがあります。
▼神経症状
しびれ
痛み
麻痺
ヘルニア部分の脱出・膨隆
それぞれがどのよう等級になるかは次の章で詳しく説明します。
ヘルニアは身体の組織が本来あるべき場所からはみ出す状態のことをさすので、体のいたるところでおこり得ます。
椎間板・内臓ヘルニア以外のヘルニアとしては、
などがあげられます。
後遺障害等級に認定されると、相手方から支払われる金銭の項目が増えます。
後遺障害が残ったことに対して追加で支払われる金銭の一つが後遺障害慰謝料です。
後遺障害を負ってしまったことで受けた精神的苦痛に対して支払われる損害賠償
さらに、後遺障害慰謝料以外に追加で支払われる金銭として逸失利益があります。
後遺障害を負ったことが原因で労働能力が低下または喪失し、将来的な収入が減ることへの補償
[計算方法]
基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(67歳-症状固定時の年齢)に対応するライプニッツ係数
逸失利益を算定するうえで用いられる「労働能力喪失率」は、
などを考慮して増減することがあります。
主婦などの場合におけるライプニッツ係数一覧、年収算定方法などはこちらの記事をご覧ください。
ヘルニアで後遺障害等級を申請するところから、後遺障害慰謝料を受け取るまでの流れを見てみましょう。
治療を継続してもこれ以上、症状の改善が見込めなくなった状態を症状固定と言います。
後遺障害等級認定を受ける場合、原則として事故発生から約6カ月以上経っている必要があります。治療期間がこれよりも短い場合、後遺障害としては認められない可能性が高くなります。
症状固定の診断が出たら、後遺障害等級認定に向けて後遺障害診断書などの資料の収集をはじめます。
後遺障害の申請には、2通りの方法があります。
事前認定:被害者が後遺障害診断書のみを任意保険会社へ提出
被害者請求:被害者が後遺障害診断書とその他の医学的資料もあわせて用意して自賠責保険へ提出
被害者請求は手間がかかる分、後遺障害等級の認定に有利とされる医学的資料を自分で精査できるのが強みとなっています。弁護士に依頼すると、資料の収集作業を任せることもできます。
事前認定と被害者請求
事前認定 | 被害者請求 | |
---|---|---|
請求者 | 相手方保険会社 | 被害者自身 |
長所 | 資料収集の手間がない | 自分で資料を確認できる |
短所 | 自分で資料を確認できない | 資料収集の手間がかかる |
提出された資料をもとに、専門の認定機関である「損害保険料率算出機構」が後遺障害等級の審査をおこないます。
後遺障害等級の審査は、基本的に書面のみで審査がおこなわれることになります。したがって、
といった点が認定には重要になってきます。
審査結果をふまえ、自賠責保険会社が等級認定をおこないます。
後遺障害等級の申請について
椎間板ヘルニアによる神経症状では、痛みやしびれなどの症状が後遺障害として残る可能性があります。
椎間板ヘルニアで認定が予想される後遺障害等級は以下のようになります。
椎間板ヘルニアによる神経症状
等級 | 内容 |
---|---|
9級10号 | 片方の足に軽度の麻痺があり、就労可能な職種の範囲が相当程度限定されるもの |
12級13号 | 医学的に証明しうる神経系統の機能の障害を残すもの |
14級9号 | 医学的に説明可能な神経系統の機能の障害を残すもの |
▼9級10号
足の麻痺・歩行困難が生じている重篤なケースであること
▼12級13号
神経系統の機能障害が医学的に証明可能であること
▼14級9号
神経系統の機能障害が医学的に説明可能であること
慰謝料の金額は、相手方が提示する基準(自賠責基準・任意保険基準)と、弁護士が用いる基準(弁護士基準)で大きく異なります。
椎間板ヘルニアに対応する後遺障害慰謝料は以下のようになります。
椎間板ヘルニアによる神経症状
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
9級10号 | 245万円 | 690万円 |
12級13号 | 93万円 | 290万円 |
14級9号 | 32万円 | 110万円 |
等級ごとによる話ではありますが、弁護士に依頼することで約2~3倍程度の後遺障害慰謝料を請求することができます。
慰謝料の増額を目指すのであれば、できるだけ早い段階で弁護士に相談しておくことが大切です。
交通事故で腹部をぶつけたり、交通事故によって腹部の手術を受けたりしたことで、内臓が外側へ飛び出る臓器ヘルニアの症状がみられることがあります。手術によって臓器が本来あるべき場所に戻ることもありますが、回復せずに後遺障害として臓器ヘルニアが残存する可能性があります。
内臓ヘルニアで認定が予想される後遺障害等級は以下のようになります。
内臓ヘルニアによる脱出・膨隆
等級 | 症状 |
---|---|
9級 | 常時ヘルニア内容の脱出・膨張が認められるもの、または立位をしたときヘルニア内容の脱出・膨張が認められるもの |
11級 | 重激な業務に従事した場合等、腹圧が強くかかるときにヘルニア内容の脱出・膨張が認められるもの |
内臓ヘルニアに対応する後遺障害慰謝料は以下のようになります。
内臓ヘルニアによる脱出・膨隆
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
9級 | 245万円 | 690万円 |
11級 | 135万円 | 420万円 |
ヘルニアは、体の組織が本来あるべき場所からはみ出ている状態になっているので痛みなどがともないます。一時的な痛みでも辛いのに、交通事故で負った怪我が原因で一生痛みつづけることになってしまったら不安が多いと思います。
にも関わらず、事故の相手方保険会社から提示される補償金額は、被害者の受けた損害に対して不十分であること多々あります。
損害に対して、適正・十分な補償を受け取るためには弁護士に依頼することがポイントになります。
保険会社との示談交渉など、弁護士に一任することで慰謝料の増額の可能性が高くなります。また、面倒なやり取りや手続きなどから解放されます。
ヘルニアによる慰謝料はどのくらいもらえるのか、後遺障害等級は認定されるのかなど、どんなことでも結構です。
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(第二東京弁護士会) 第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。
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