作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
腕神経叢損傷|後遺症の等級、麻痺の慰謝料は?後遺障害認定のポイントを弁護士が解説
もしも腕神経叢損傷(わんしんけいそうそんしょう)の後遺症で片手が動かなくなってしまったら・・・。
交通事故によって、肩の付近に強い衝撃をうけると「腕神経叢損傷」の後遺症を負ってしまうことがあります。
手(上肢)を動かすための重要な神経を損傷すると、腕のしびれ、脱力感、重傷の場合には完全麻痺の症状があらわれることもあります。
- 腕神経叢損傷の後遺症とは?どのような症状があらわれるの?
- 腕神経叢損傷の後遺症の原因は?治療法は?
- 腕神経叢損傷の後遺症の等級は?後遺障害認定の申請方法は?
- 腕神経叢損傷の後遺症の慰謝料の相場は等級ごとに決まるの?
- 腕神経叢損傷の後遺症の逸失利益とは?示談金はいくらなの?
今回は、このような「腕神経叢損傷の後遺症」にまつわる疑問を弁護士が解説します。
目次
腕神経叢損傷の後遺症|①症状、原因、治療法はどんなもの?
腕神経叢損傷の症状|腕が動かない?痺れ?
腕神経叢(わんしんけいそう)とは?
腕神経叢(わんしんけいそう)とは、頸椎の下部、胸椎の上部の脊髄から出てくる「神経根」の束のことです。首の前の鎖骨の上のあたりに位置しています。
腕神経叢は、その神経の束がしだいに枝分かれしながら指まで至り、動かす命令や、感覚の情報を伝える役割をしています。
腕神経叢と運動
- 第5頚髄神経根(C5):肩
- 第6頚髄(C6):ひじの屈曲
- 第7頚髄(C7):ひじの屈伸、手首の伸展
- 第8頚髄(C8):手指の屈曲
- 第1胸髄(T1):手指の伸展
腕神経叢を損傷するというのは、これらの神経根の役割がうまく機能しなくなることを意味するのです。
症状は…運動麻痺、感覚麻痺など
腕神経叢を損傷すると、次のような症状があらわれます。
運動麻痺
- 腕全体が麻痺している。腕が上がらない。
- 肩と肘が動かない。肘を曲げる力が弱い。
- 手の指が動かない。指に力が入らない。
感覚麻痺
- 腕のしびれ
- 指のしびれ
腕全体が麻痺して動かないような重症の場合
- まぶたが落ちる(眼瞼下垂・がんけんかすい)
- 自律神経の障害(ホルネル兆候)
の症状があらわれることもあります。
腕神経叢損傷の原因|神経の引き抜き?
腕神経叢損傷の原因としては、首と肩が異常に引き延ばされることといわれています。
交通事故でいうと、とくにオートバイの転倒事故などによって起こりやすいです。
そのような事故では、首が横のほうに強く曲げられたり、肩が引っ張られたりすることが多いからです。
※交通事故のほかには、機械の巻き込み事故、スポーツ事故などで起こる。
鎖骨骨折、肩関節脱臼、上腕骨骨折なども原因とされているので、複合的な原因で腕神経叢損傷が起こっている可能性があります。
腕神経叢のなかでは、どのようなことが起こっているのかといえば、大きく分けて次の4つです。
腕神経叢で起こっていること
① 引き抜き損傷
神経根が脊髄から引き抜けた状態
② 断裂
神経が末端で引きちぎられた状態
③ 軸索損傷
神経外周は脊髄とつながっているが、神経内部の軸索が損傷した状態
④ 神経虚脱
神経外周も軸索も脊髄とつながっているが、一過性のショック症状があらわれた状態
後ほど触れますが、このうち後遺症として問題になるは、①引き抜き損傷、②断裂の場合です。
腕神経叢損傷の診断|画像?特別な検査?
症状や受傷の状況から腕神経叢損傷が疑われる場合、画像検査や神経学的検査がおこなわれます。
画像検査
レントゲン検査
- X線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査
- 鎖骨や肩の骨の状態を調べるために行なう
MRI検査
- 電磁波を使って組織を詳しく調べる検査
- 実際の神経の状態を詳しく調べるために行なう
神経学的検査
- 麻痺している筋肉や感覚の部位を調べる検査。
- 損傷している部位を詳しく調べるために行なう。
とくに、引き抜き損傷、断裂など重症の場合、慎重に診断が行なわれます。
「引き抜き損傷」の診断方法
脊髄液検査
血性を示せば陽性
CTミエログラフィー検査
造影剤が漏出すれば陽性
麻痺や痺れのほかの自覚症状があるか
- ホルネル症候群(眼瞼下垂、縮瞳、眼球陥没)
- 手指の異常発汗
「断裂」の診断方法
- 脊髄造影
- 神経根造影
- 自律神経機能検査
- 針筋電図検査等の電気生理学的検査
- MRI検査 など
腕神経叢損傷の治療|手術?リハビリ?
腕神経叢損傷の治療については、整形外科を受診し、早急に始めるようにしましょう。
損傷の部位や程度によって、手術や、リハビリ等の保存療法が行なわれます。
【重症】①引き抜き損傷、②断裂の場合
引き抜き損傷、断裂の場合には、早急に手術が必要です。
具体的には、神経縫合、肋間神経移行術、神経血管付筋移行術などを受ける必要があるでしょう。
手術
神経機能の回復見込みがある場合
- 神経移植術(神経の修復手術)
- 神経移行術(神経の修復では回復の見込みがないため、肋骨の神経などを取ってきて、つなぎ合わせる手術)。
神経機能の回復見込みがない場合
正常に動く筋肉を肩やひじに移行する手術をおこなう。
移植筋に神経が入ってきたら(目安3~5ヵ月)、持久力の強化、機能回復のリハビリが行なわれる
受傷後6ヵ月を経過すると、筋肉が萎縮してしまい、筋力が回復しない可能性が出てくるといわれています。
そのため、早急な処置を受ける必要があります。
【軽症】③軸索損傷、④神経虚脱の場合
軸索損傷、神経虚脱の場合、保存療法を施しながら自然回復を待ちます。
保存療法
- リハビリ
- 関節拘縮予防(動かなくなった筋肉が縮まらないようにリハビリを行う)
- 筋肉強化訓練
- 装具の使用
- ビタミンB12内服
回復までの期間については、一般的に
- 軸索損傷の場合、およそ3ヵ月程度
- 神経虚脱の場合、およそ3週間程度
といわれており、後遺症が残る可能性は低いです。
腕神経叢損傷の後遺症|②後遺障害等級は何級が認定される?
後遺障害認定とは?
後遺障害等級の認定とは、後遺障害の重さを認定してもらう手続きです。
後遺障害の重さは、1級から14級にわかれており、1級がもっとも重い等級になります。
入通院治療が終了し、症状固定をむかえたら、後遺障害診断書などの必要書類を準備して、損害保険料率算出機構に申請します。
後遺障害認定の申請手続は、被害者請求と事前認定の2通りです。
被害者請求とは、被害者みずからが申請する手続きです。
事前認定とは、被害者が保険会社を通じて申請する手続きです。
被害者請求の場合、より柔軟に認定に資する書類を提出できるので、認定を受ける者にとって有利といえます。
被害者請求のデメリットとして、資料の準備など手間がかかりますが、弁護士などに助言を求めながら進めていきましょう。
被害者請求 | 事前認定 | |
---|---|---|
手続の手間 | かかる | かからない |
有利な医証 の提出 |
できる | できない |
不利な事情 の補足 |
できる | できない |
後遺障害認定のポイントは?
腕神経叢損傷の後遺障害等級は、その症状によって異なります。
後遺障害等級認定のポイントとなる症状は、次のとおりです。
腕神経叢損傷の認定ポイント
① 運動麻痺なのか、感覚麻痺なのか
- 運動麻痺は「動かない」症状
- 感覚麻痺は「しびれ」の症状
② 肩・ひじ・手関節、指のうち、どこの部分が問題なのか
(例)腕全体が動かない場合、等級が重くなる
後遺症で「腕が動かない」のは何級?
後遺症で「腕が動かない」場合、次のような等級が認定される可能性があります。
5級6号:「上肢の用を全廃したもの」 ※肩関節、ひじ関節、手関節のすべての関節が強直、指の全部の用を廃したもの。 ※上腕神経叢の完全麻痺も含む。 |
6級6号:「3大関節中の2関節の用を廃したもの」 |
---|
8級6号:「3大関節中の1関節の用を廃したもの」 |
10級10号:「3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの」 |
12級6号:「3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」 |
※両上肢の用を全廃したものは、1級4号に該当する。
解説
「用を廃した」もの
- 全く可動しないこと(完全麻痺を含む)
- 可動域が10%程度に制限されること
機能に「著しい障害」
- 可動域が2分の1以下に制限されること
- 人工関節の装着を常時必要とする
機能に「障害」
- 可動域が4分の3以下に制限されること
- 習慣性脱臼を残すもの
完全に腕が動かない場合(腕神経叢の完全麻痺の場合)、5級6号に該当します。
肩関節の可動域角度
肩関節の可動域角度の目安は、次のとおりです。
肩関節 | 屈曲 | 外転 |
---|---|---|
正常値 | 180° | 180° |
用を廃した 8級6号 |
20° | 20° |
著しい障害 10級10号 |
90° | 90° |
単なる障害 12級6号 |
135° | 135° |
※原則として、健側(=障害がないほう)の可動域と比較して、後遺障害が認定される。
※屈曲と、外転は個別に判断される。
※「用を廃した」かどうかは、屈曲、外転ともに基準を満たす必要がある。
※「障害」については、屈曲、外転のいずれか一方の基準を満たせばよい。
解説
屈曲
体の前面を通って、腕をあげる運動
外転
耳の横を通って、腕を上げる運動
※腕を垂直に降ろした状態を0°とする。
肘関節の可動域角度
肘関節の可動域角度の目安は、次のとおりです。
ひじ関節 | 屈曲 | 伸展 | 合計 |
---|---|---|---|
正常値 | 145° | 5° | 150° |
用を廃した 8級6号 |
15° | 5° | 20° |
著しい障害 10級10号 |
75° | 5° | 80° |
単なる障害 12級6号 |
110° | 5° | 115° |
※原則として、健側(=障害がないほう)の可動域と比較して、後遺障害が認定される。
解説
屈曲
ひじ関節を、手のひら側へ曲げる運動
伸展
ひじ関節を、手の甲の側へ曲げる運動
※肩の位置で腕を水平に保つ状態を0°とする。
手関節の可動域角度
手関節の可動域角度の目安は、次のとおりです。
手関節 | 背屈 | 掌屈 | 合計 |
---|---|---|---|
正常値 | 70° | 90° | 160° |
用を廃した 8級6号 |
10° | 10° | 20° |
著しい障害 10級10号 |
35° | 45° | 80° |
単なる障害 12級6号 |
55° | 70° | 125° |
※原則として、健側(=障害がないほう)の可動域と比較して、後遺障害が認定される。
解説
背曲
手首の関節を、手の甲の側へ曲げる運動
掌展
手首の関節を、手のひら側へ曲げる運動
※手首をまっすぐ伸ばした状態を0°とする。
後遺症で「指が曲がらない」のは何級?
指が曲がらない、指が曲がりにくい等の後遺症が残った場合、「手指の用を廃したもの」として、次のような等級が認定されます。
等級 | 片手の指の用を廃したもの |
---|---|
7級7号 | ・5本の指 ・親指を含む4本の指 |
8級4号 | ・親指を含む3本の指 ・親指以外の4本の指 |
9級13号 | ・親指を含む2本の指 ・親指以外の3本の指 |
10級7号 | ・親指 ・親指以外の2本の指 |
12級10号 | ・人差し指 ・なか指 ・くすり指 |
13級6号 | ・小指 |
※両手の指の全部の用を廃した場合は、4級6号が認定される。
14級7号 | 「親指以外の指の遠位指節間関節(DIP)を屈伸することができなくなったもの」 |
①遠位指節間関節が強直したもの ②屈伸筋の損傷等原因が明らかなものであって、自動で屈伸できないもの又はこれに近い状態にあるもの |
「手指の用を廃したもの」(7級~13級)とは?
「指の用を廃したもの」というのは、指の関節に著しい運動障害が生じた場合をいいます。
具体的には・・・
- 指の付け根に位置する関節(中手指節関節/MP)
- 指の付け根から数えて次の関節(近位指節間関節/PIP。親指の場合は指節間関節/IP)
において、正常な関節と比べて、可動域角度が2分の1以下になった場合などをいいます。
指の用を廃したもの
親指以外の指
中手指節関節(MP)又は近位指節間関節(PIP)の可動域が健側の 1/2 以下に制限されたもの
親指
- 中手指節関節(MP)又は指節間関節(IP)の可動域が健側の 1/2 以下に制限されたもの
- 橈側回転又は掌側外転のいずれかが健康な指の1/2以下に制限されているもの
後遺症で「しびれ」「痛み」は何級?
腕や指のしびれといった感覚麻痺の場合、局部に神経症状を残すものとして12級13号または14級9号が認定されます。
12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの |
---|
・医学的に証明可能な神経症状が残る場合。 (例) MRI画像、CT画像などの他覚所見から神経症状が証明できる。 |
14級9号:局部に神経症状を残すもの |
・医学的に合理的説明が可能な神経症状が残る場合 (例) 一定規模の重大事故。症状の一貫性・継続性。 6ヵ月で100日程度の頻度で、整形外科に通院。 |
12級13号に該当するのは、画像診断などから神経症状が証明できる場合です。
MRI画像などの他覚所見から神経症状を証明できない場合は、
事件の規模、通院期間、症状の継続性・一貫性などから、医学的に合理的説明が可能か
を基準に、14級9号が認定可能性があります。
腕神経叢損傷の後遺症|③慰謝料や逸失利益など示談金はいくら?
後遺症がないときの慰謝料、示談金は?
腕神経叢損傷が軽症だった場合(③軸索損傷、④神経虚脱の場合)、自然回復が見込まれます。
つまり、後遺症が残らないので、後遺障害等級が認定されません。
このような場合でも、治療中の損害については賠償請求が可能です。
治療中の損害とは、治療費、休業損害、入通院慰謝料などです。
治療費 |
---|
交通事故による怪我の治療にかかった費用。 必要かつ相当な範囲内で実費が補償される。 |
休業損害 |
治療中に仕事を休んだために減少した収入に対する補償。 |
入通院慰謝料(傷害慰謝料) |
入通院を余儀なくされた精神的苦痛に対する慰謝料。 入通院の治療期間に応じて慰謝料金額が算定される。 |
具体的には・・・
- 示談交渉によって、保険会社から示談金をもらう
- 民事裁判によって、加害者側から支払ってもらう
などの方法で、賠償してもらうことになります。
後遺症が残ったときの慰謝料、示談金は?
腕神経叢損傷が重症の場合(①引き抜き損傷、②断裂の場合)、後遺症が残る可能性が高いです。
この場合、後遺症について「後遺障害等級」が認定されれば、「治療中の損害」に加えて「治療終了後の損害」についても賠償請求可能になります。
「治療終了後の損害」とは、後遺障害に関する逸失利益、慰謝料などです。
後遺障害逸失利益 |
---|
後遺障害によって稼ぐことができなくなった将来の収入に対する補償。 |
後遺障害慰謝料 |
後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対する慰謝料。 |
そのほかの賠償金について
そのほか、物損があれば修理費を賠償してもらえます。
被害者の方が亡くなられた場合には、死亡に関する逸失利益、慰謝料などの賠償金がもらえます。
腕神経叢損傷の後遺症の慰謝料相場は?
後遺障害慰謝料は等級ごとに相場がある?
後遺障害慰謝料は、認定された後遺障害等級ごとに相場があります。
ここでは、弁護士基準と自賠責基準の相場を整理しました。⇊
等級 | 弁護士基準 | 自賠責基準 |
---|---|---|
1級 | 2,800 | 1,100 |
2級 | 2,370 | 958 |
3級 | 1,990 | 829 |
4級 | 1,670 | 712 |
5級 | 1,400 | 599 |
6級 | 1,180 | 498 |
7級 | 1,000 | 409 |
8級 | 830 | 324 |
9級 | 690 | 245 |
10級 | 550 | 187 |
11級 | 420 | 135 |
12級 | 290 | 93 |
13級 | 180 | 57 |
14級 | 110 | 32 |
※単位:万円
たとえば、腕神経叢の完全麻痺の場合、5級6号に該当しました。
この場合、弁護士基準による相場では、1,400万円の後遺障害慰謝料を受け取ることが可能です。
弁護士基準、自賠責基準とは?
慰謝料の算定基準には、弁護士基準、任意保険基準、自賠責基準の3種類があります。
慰謝料の算定基準
①弁護士基準
実際の裁判例をもとにした慰謝料の相場
3つの算定基準のなかで最も高額になる
②任意保険基準
任意保険の保険会社独自の支払基準
自賠責基準とほぼ同額か少し上回る程度
③自賠責基準
自賠責保険の支払基準
保険会社から提示される示談金は、裁判の相場をもとにした弁護士基準と比べて、どうしても少額になりがちです。
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腕神経叢損傷の後遺症の逸失利益は?
逸失利益とは?後遺障害で思うように働けないときの補償?
「腕神経叢損傷の後遺症によって、今までどおりに労働できなくなってしまった・・・」
このような場合、本来ならば得られたであろう収入が得られなくなってしまいますよね。
このような損害のことを「逸失利益」といいます。
後遺障害認定を受けることによって、逸失利益についても賠償金を受け取ることができるのです。
- 以前の労働能力を100%とした場合に、現在の労働能力は何%なのか(労働能力喪失率)
- 後遺障害によって思うように働けない期間は、何年間なのか(労働能力喪失期間)
- 将来受け取るはずだった収入を、現在受けとれる利益はどのくらいあるのか(中間利息控除)
というような視点で、逸失利益は計算されます。⇊
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数 |
---|
基礎収入 | 被害者に後遺障害がなければ 将来的に得るはずであった年収 |
---|---|
労働能力 喪失率 |
後遺障害によって 年収を低下させる割合 |
労働能力 喪失期間 |
後遺障害によって 年収が低下する期間 |
ライプニッツ係数 | 逸失利益を一括で受け取るにあたって 現在価値に修正するための係数 |
労働能力喪失率は?等級ごとに決まっている?
後遺障害等級ごとの労働能力喪失率は、次のとおりです。⇊
第1級 | 第2級 | 第3級 | 第4級 |
---|---|---|---|
100% | 100% | 100% | 92% |
第5級 | 第6級 | 第7級 | 第8級 |
79% | 67% | 56% | 45% |
第9級 | 第10級 | 第11級 | 第12級 |
35% | 27% | 20% | 14% |
第13級 | 第14級 | ||
9% | 5% |
※要介護第1級・要介護第2級の労働能力喪失率は、いずれも100%。
このような等級ごとの相場をもとに、個別事案にあった労働能力喪失率が決定され、逸失利益が計算されることになります。
腕神経叢損傷の場合には、腕や指にあらわれる症状が明確であることが多いです。
そのため、等級が認定されれば、その相場どおりの労働能力喪失率が認定される可能性が高いです。
逸失利益についてはこちらの記事もどうぞ。⇊
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- 検査による診断結果を「後遺障害診断書」に適切に記載してもらうこと
が必要です。
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岡野武志弁護士
腕神経叢損傷についてのQ&A
腕神経叢損傷とは?
腕神経叢(わんしんけいそう)損傷とは、腕神経叢を損傷することを言います。腕神経叢とは、首の前の鎖骨の上のあたりに位置する、頸椎の下部、胸椎の上部の脊髄から出てくる「神経根」の束のことです。症状としては、腕の麻痺・腕全体が上がらない・肩、肘、手指が動かない・腕や指のしびれなどがあげられます。 腕神経叢損傷の症状内容とは?
腕神経叢損傷の治療法は?
腕神経叢損傷の治療は、損傷の部位や程度によって異なります。軽傷の場合、装具の使用やリハビリなどの保存療法が行われます。一方、重症の場合は早急に手術が必要となることがあります。受傷後6ヵ月を経過すると、筋肉が萎縮してしまって筋力が回復しない可能性が出てくるといわれているため、早急な処置を受ける必要があります。 腕神経叢損傷の治療|手術?リハビリ?
腕神経叢損傷は後遺障害になる?
腕神経叢損傷では、重傷の場合は後遺症として残ってしまうおそれがあります。具体的には関節可動域制限やしびれ・痛みが挙げられ、症状の内容や障害が生じた部位よって認定される等級が変わります。損傷の程度が比較的軽い場合は3週間から3ヵ月で回復するため、後遺症が残ることは少ないです。 腕神経叢損傷の後遺障害等級