交通事故でもらえるお金はいくら？保険金の支払いが遅いときは？むちうちや死亡事故を例に

交通事故では多くの場合、自動車保険によって損害賠償をうけることになるでしょう。

自動車保険から支払いを受ける場合は、保険会社との示談交渉を経て決定されたお金を受け取ることになります。
そのため、次の3つのお金は、基本的に同じお金を意味することになります。

傷害事故については、後遺障害の有無によって事故でもらえるお金は異なります。

損害項目の目安については、次のとおりです。

後遺障害の有無によって違いがあるのは、次の項目です。

【収入減①】入通院中の休業損害の計算式

休業損害は、事故による怪我により、仕事を休んだり、十分に就労できなくなったために、本来ならば得られたはずの収入が得られなかったことによる収入の減少を補償するものです。

休業損害の算定方法は、次の計算式によります。

自賠責保険の場合

自賠責保険の場合、1日あたりの基礎収入は、原則として5,700円とされます。

ただし、給与明細や源泉徴収票、確定申告書などにより、実際の基礎収入が5,700円を超えることが明らかな場合、上限1万9,000円の範囲で、その実額が基礎収入となります（自賠法16条の2,自賠法施行令3条の2）。

任意保険の場合

任意保険の場合、1日当たりの基礎収入については、事故前3か月の給料の合計額を日割り計算して、算出します。

事故前3か月の給料の合計額というのは、手取りの金額ではなく、基本給と付加給の合計額です。

休業損害の詳しい算定方法については、こちらをご覧ください。

交通事故の休業補償について弁護士が解説｜休業損害の算定方法とは？

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【収入減②】逸失利益（後遺障害）の計算式

逸失利益とは、交通事故で後遺症がのこり、本来得られたであろう収入などの経済的利益を失ったことによる損害をいいます。

つまり、本来の労働能力で得られたはずの収入から、労働能力喪失後の収入をひいた部分が、逸失利益といえるでしょう。

交通事故では、後遺障害逸失利益と死亡逸失利益があります。
ここでは、後遺障害逸失利益について解説します。

逸失利益の算定では、労働能力の低下の程度、収入の変化、将来の昇進・転職、失業等の不利益の可能性、日常生活上の不便等が考慮されます。

具体的な計算式は、次のとおりです。

たとえば、年収600万円、後遺症により労働能力が35％低下、45歳の男性で症状固定（ライプニッツ係数は「13.163」）の場合、次のとおりです。

労働能力喪失率は、後遺障害等級認定を参考に決定されます。

後遺障害逸失利益については、こちらをご覧ください。

逸失利益の計算方法は？

交通事故の逸失利益の計算方法は？主婦や学生には後遺障害の逸失利益は認められない？について交通事故の慰謝料増額と後遺障害に強いアトム法律事務所弁護士法人グループが解説しています。

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【慰謝料①】入通院慰謝料の計算

慰謝料とは、精神的損害に対する金銭賠償のことです。
慰謝料には、以下の3種類があります。

このうち傷害慰謝料（入通院慰謝料）が想定する精神的苦痛は以下の2つです。

• 交通事故による怪我や精神症状を患う苦痛
• 入通院を余儀なくされることに対する苦痛

慰謝料の算定基準も3種類あります。

弁護士基準（裁判基準）というのは、実際の裁判例の相場を基準にしたものです。
3つの基準のなかで、もっとも高額になる算定基準です。
被害者の方が弁護士に依頼すれば、弁護士基準にもとづいて示談交渉を進めてくれるます。

算定方法・3つの基準については、こちらをご覧ください。

【慰謝料②】後遺障害慰謝料の計算

後遺障害慰謝料とは、後遺障害認定された後遺症が残ることに対する慰謝料です。
治療を継続しても治療効果が上がらない苦痛、外見の悪さ、生活への影響等に対する賠償です。

後遺障害慰謝料の詳しい算定方法、傷害慰謝料（入通院慰謝料）との違いについては、こちらをご覧ください。

後遺障害等級表（14級～1級）

後遺障害等級表（14級～1級）と後遺障害慰謝料について交通事故の弁護士が解説。「事故で後遺障害が残ってしまったが、補償をいくら受け取れるのか知りたい」という方もご覧ください。

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人身事故の慰謝料計算｜計算機はある？慰謝料の3基準と相場

人身事故の【慰謝料計算機】（登録不要・自動計算）の使い方は？交通事故の【3つの慰謝料】とは？弁護士基準と自賠責基準、任意保険基準の違いはなに？具体的な【計算方法】や【相場】はいくら？今回は、このような「人身事故の慰謝料計算」に関する疑問を解説します。

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死亡事故でもらえるお金について、損害項目の目安は次のとおりです。

これらのうち、死亡による慰謝料、死亡による逸失利益、葬儀費用の相場・計算方法について解説します。

死亡慰謝料には、次のような相場があります。

上記はあくまで相場であり、裁判になれば、上記の金額以上の慰謝料が認められることもあります。
たとえば、次のような事案があります。

公益財団法人　日弁連交通事故相談センター東京支部「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準　上巻（基準編）2019（平成31年）度版」180頁（千葉地松戸支判決平27.7.30　自保ジ1955･99）

死亡事故の慰謝料相場はいくら？

死亡事故の慰謝料相場は？弁護士基準（裁判基準）・任意保険基準・自賠責基準とは？について交通事故の慰謝料増額と後遺障害に強いアトム法律事務所弁護士法人グループが解説しています。

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死亡逸失利益を算出するための計算式は、次のとおりです。

先ほどの後遺障害逸失利益と異なり、死亡事故では生活費控除率が考慮されます。

死亡逸失利益の算定で生活費控除が行なわれるのは、死亡後には生活費がかからないからです。
現在では、被害者の立場に応じて一定の割合で控除されています。
生活費控除率については、次のとおりです。

公益財団法人　日弁連交通事故相談センター東京支部「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準　上巻（基準編）2019（平成31年）度版」172頁

このような生活費控除率の違いは、扶養家族の生活の経済的基盤になっているかどうか、男女の基礎収入額の違いなどの理由が挙げられます。

裁判例では、葬儀費用の相場は150万円です。
これを下回る場合は、実際に支出した金額となる傾向があります。
もっとも、150万円を超える葬儀費用が認められた例もあります。

公益財団法人　日弁連交通事故相談センター東京支部「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準　上巻（基準編）2019（平成31年）度版」62頁

公益財団法人　日弁連交通事故相談センター東京支部「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準　上巻（基準編）2019（平成31年）度版」62頁

交通死亡事故の詳しい解説はこちらです。

死亡事故の慰謝料相場および遺族がすべきことは？

交通事故で死亡した場合の慰謝料や賠償金の相場は？被害者遺族になった場合、賠償金をしっかり受け取るには何をすべき？交通事故による死亡者数や死亡率はどれくらい？このような疑問・お悩みに、交通事故に注力するアトム法律事務所弁護士法人が解説します。

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慰謝料の金額についてお悩みの方はこちらの慰謝料計算機をご利用ください。
入通院日数など数カ所入力するだけで弁護士基準の「慰謝料」「休業損害」「逸失利益」などが自動計算できます。

面倒な登録不要手続きは不要です。

是非ご活用ください。

保険会社との示談成立後、保険会社から示談書が送られてきます。
その示談書の内容を確認し、署名・押印して返送します。
その後、保険会社に到着してから、早ければ2～3日営業日で振り込まれることが多いようです。

支払時期は保険会社内部の事務手続きの進行具合に左右されます。
なかには、1～2週間かかることもあるようです。
2週間以上経過しても振り込まれないようであれば、保険会社に確認してみましょう。

むちうちの場合、後遺障害等級は14級9号に認定されることが多いでしょう。

むち打ちの慰謝料・逸失利益について、実際に裁判例の金額を見てみましょう。

横浜地裁平成24年8月31日平成16年（ワ）第22244号

東京高裁平成20年3月13日平成19年（ネ）第5193号

ご自身のむちうち（頸椎捻挫）の見込み額について知りたい方は、お気軽にご相談ください。

死亡慰謝料と死亡逸失利益についても、実際の裁判例の金額を見てみましょう。

駐車場内で祖母が押していたベビーカーに乗っていた被害者（女児・1歳）が、加害者運転の車両と衝突した事故では、次のような金額が認定されています。

大阪地方裁判所平成14年4月23日　平成13年（ワ）第14031号

加害者の運転する自動車が中央線を越えて対向車線に進入し、対向車線上の被害者の自動車に正面衝突した事故では、次のような金額が認定されています。

東京地裁平成15年12月8日　平成14年（ワ）第27303号

死亡慰謝料、死亡逸失利益についてもご確認いただけます。

保険会社から、提示された金額について適正なのか知りたくなったという方もおられるかと思います。
「示談金が増額したい！」とお考えの方は、是非お早目に弁護士にご相談ください。

弁護士は、慰謝料の算定基準でも最も高額になる弁護士基準で交渉するため、示談金が増額される可能性が高まります。

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弁護士相談のタイミングは、次のとおりです。

「ちょうど示談交渉をしているところだけれど、うまくいかないあ・・」と感じておられる方でも遅くはありません。

• 事故でもらえるお金の相場が知りたい
• 提示された示談金額が適正なのか相談したい
• 示談交渉のサポートを依頼したい

このようなお悩みで法律事務所をお探しの方へ。

アトム法律事務所では、交通事故の弁護士相談窓口を設置しています。

お問い合わせ・相談ご予約の受付時間は、24時間365日・深夜・早朝・土日・祝日を問いません。

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提示された金額にご不安をお持ちの方や、示談交渉が難航しているという方も、早めにご相談いただくことで、あらゆる対策を講じることができます。
一緒に交通事故のお悩み解決の一歩を踏み出しましょう。