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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
交通事故で後遺症(後遺障害)が残ったら慰謝料が受け取れる…。
その事実だけではなく実際の相場を知っていないと、受け取れるはずだった金額をもらい損なうことになります。
何故なら、相手方保険会社から提示される金額は往々にして相場よりも低額だからです。
後遺障害12級、14級、その他の等級に認定されたらいくら受け取ることが出来るのか、慰謝料を増額することはできるのか。
交通事故の後遺障害に精通した弁護士が疑問にお答えします。
目次
後遺障害を負ってしまったという精神的苦痛に対して支払われる損害賠償
交通事故で怪我を負い、治療を十分行ってもこれ以上はよくならない痛み、しびれ、傷あと、関節の不調…。
そのような、事故が終わってなお残存する症状を後遺障害といいます。
そして後遺障害が残った場合、その重さ(等級)に応じ後遺障害慰謝料が支払われます。
これは、相手方からの保険金に上乗せする形で支払われるものです。
その他の保険金の内訳には以下のようなものがあります。
治療関係費 | 治療費 | 入通院のために病院に支払った費用 |
---|---|---|
通院交通費 | 通院のために必要な交通費 | |
付添費 | 入通院の付添看護の費用 | |
入院雑費 | 入院中にかかる雑費 | |
慰謝料 | 傷害慰謝料 | 傷害を負った精神的苦痛への補償 |
逸失利益 | 休業損害 | 治療中得られなかった収入 |
後遺障害が残ると、これらに加えて後遺障害慰謝料などが受け取れます。
すなわち、相手方から受け取れる保険金の総額が増えるということになります。
交通事故における慰謝料には、3つの算定基準があります。
このどれを用いて計算するかで、後遺障害慰謝料の金額も変わってきます。
それぞれの基準に基づく金額は
自賠責基準≦任意保険基準<弁護士基準
となっています。
実際に、どのくらいの差が出るのか、等級別に見てみましょう。
後遺障害等級に対応する、後遺障害慰謝料は以下のようになります。
後遺障害慰謝料一覧表
自賠責基準 | 弁護士基準 | |
---|---|---|
要介護1級* | 1600万円 | 2800万円 |
要介護2級* | 1163万円 | 2800万円 |
1級 | 1100万円 | 2800万円 |
2級 | 958万円 | 2370万円 |
3級 | 829万円 | 1990万円 |
4級 | 712万円 | 1670万円 |
5級 | 599万円 | 1400万円 |
6級 | 498万円 | 1180万円 |
7級 | 409万円 | 1000万円 |
8級 | 324万円 | 830万円 |
9級 | 245万円 | 690万円 |
10級 | 187万円 | 550万円 |
11級 | 135万円 | 420万円 |
12級 | 93万円 | 290万円 |
13級 | 57万円 | 180万円 |
14級 | 32万円 | 110万円 |
*1級・2級のうち介護を要する後遺障害が残った場合
実際にどのような症状が何級に相当するのかについては、
など、様々な考慮要素が関わってきます。
被害者としては最も高くなる弁護士基準で請求を行いたいところです。
ですが相手方は、それよりも低い自賠責基準や任意保険基準での金額を提示してきます。
それより高い金額を言い続ければ相手が折れる、ということはなかなかありません。
相手方はそのような交渉に精通しており、個人で対抗するのは非常に困難です。
そんな状況で慰謝料を増額するためのいくつかの方法もこの記事でご紹介します。
実際に後遺障害慰謝料を受け取るまでの手続きは、以下のようになります。
治療を継続しても症状の改善が見込めなくなった状態を症状固定と言います。
後遺障害等級認定を受ける場合は、原則事故から約6カ月以上経っている必要があると考えられています。
これ以上治療期間が短い場合は、後遺障害としては認められない可能性が高いということです。
症状固定の診断を受けたならば、後遺障害等級認定に向けて後遺障害診断書などの資料を準備します。
後遺障害診断書は医師に書いてもらう診断書で、残った後遺障害がどのようなものかを書いてもらいます。
なお、作成には費用がかかり最新の統計では平均して6320円かかります。
この費用は後遺障害が認定された場合・認定されなかった場合も必要と認められれば相手方から損害賠償として支払われます。
なお2016年10月以降、顔の傷などの外貌醜状の場合は交通事故後の傷痕等に関する所見を一緒に提出しなければなりません。
しかし病院によっては対応しきれていない場合もあり、被害者側で注意する必要があります。
必要な書類が用意できたら、その診断書を提出します。
後遺障害の申請には2種類の方法があり、提出先も方法によって異なります。
被害者請求は手間がかかりますが、後遺障害等級の認定に有利な資料を自分で精査できるのが強みです。
事前認定と被害者請求
事前認定 | 被害者請求 | |
---|---|---|
請求者 | 相手方保険会社 | 被害者自身 |
メリット | 資料収集の手間がない | 自分で資料を確認できる |
デメリット | 自分で資料を確認できない | 資料収集の手間がかかる |
提出された資料をもとに、損害保険料率算出機構が後遺障害等級の審査を行います。
原則として書面のみで審査されますが、顔の傷などの場合は面談が行われます。
審査結果をふまえ、自賠責保険会社が等級認定を行います。
審査結果は、およそ40日程度で通知されます。
後遺障害慰謝料の支払い時期は、主に事前認定か被害者請求どちらを利用したかで決まります。
という違いがあります。
自賠責保険の限度額は以下のようになっています。
支払い限度額*
1級 | 2級 | 3級 | 4級 |
---|---|---|---|
3000万 | 2590万 | 2219万 | 1889万 |
5級 | 6級 | 7級 | 8級 |
1574万 | 1296万 | 1051万 | 819万 |
9級 | 10級 | 11級 | 12級 |
616万 | 461万 | 331万 | 224万 |
13級 | 14級 | ||
139万 | 75万 |
*全体の支払い限度額であり、後遺障害慰謝料の金額ではない
その他に、等級申請の際には以下のような注意点があります。
例外もありますが、後遺障害等級に認定されるには受傷後6カ月間以上治療をしていることが条件です。
あまりに短期ですと、それは本当に治らない症状なのか?と疑問を持たれてしまうためです。
一方で治療期間を伸ばしすぎると症状が軽減してしまい、後遺障害等級が低くなる可能性があります。
ここからは、受け取る後遺障害慰謝料を増やす手段について解説していきます。
なお、あらゆる事例で使える手段ではなく、こうすれば慰謝料が増額されると保証するものでもありません。
まず、先ほど述べた後遺障害慰謝料請求の手続きの中に事前認定と被害者請求があったと思います。
そのどちらかのうち、被害者請求を選ぶことでより適切な後遺障害等級に認定される可能性が高まると言えます。
被害者が、加害者の加入する自賠責保険に対して直接申請する申請方法
被害者請求は、相手方の保険会社を経由しないため書類を1から自分で集める、申請先を自分で調べるなどの手間がかかります。
ですがこちらの方が、被害者にとっては有利なのです。
もっとも、後遺障害が残るような怪我を負ってしまった被害者にとっては被害者請求の手続きが負担になることも事実です。
そのようなときは、弁護士に依頼して手続きを一任してしまうのも事実です。
次に、医師に作成してもらう後遺障害診断書の記述を見直すことが考えられます。
原則、後遺障害等級にあたるか?ということは後遺障害診断書の記載のみで判断されます。
ですが後遺障害診断書の作成は、本来医師の医療行為ではありません。
よって記載が不十分だったために、本来認定されるべき等級が認定されない、ということもあるのです。
実際にどのような記載が必要かは症状によって異なりますが、例としてむちうちの場合をあげてみましょう。
自覚症状はいつから出たのか・初診は事故から何日後か
(交通事故によって症状が出たと言えるか)
むちうちに見られる代表的な自覚症状があるか
(傷病名と症状が一致しているか)
MRIなどの画像所見
(痛みやしびれの原因が検査結果として証明されているか)
神経学的検査の結果
(痛みやしびれの症状が検査結果として証明されているか)
むちうちの後遺障害診断書については以下のページにさらに詳しく記載していますので、ご参照ください。
手を尽くしたにも関わらず認定された等級に納得がいかない場合は、異議申立て手続きという手段がとれます。
認定される確率こそさほど高くはありませんが、交通事故に関する請求権じたいが時効となるまでは何度でも申請できます。
後遺障害の認定結果に不服である場合に、再度認定の請求を行うこと
少しでも申立てが認められる確率を上げるために、以下のようなことができます。
保険会社は、(略)後遺障害の該当する等級、当該等級に該当すると判断した理由(略)を前項に規定する請求を行つた被保険者又は被害者に交付しなければならない。
引用元:自賠責法第16条の4 第2項
等級に認定、またはいずれの等級にも非該当と認定した場合には、その理由が書面で交付されます。
また、その説明が不十分である場合はさらに書面による説明を求めることもできます。
被害者としては、その理由に十分対応する形で異議申立てを行えば、望む等級に認定される確率もあがります。
慰謝料にはいくつか種類があり、後遺障害慰謝料の他に入通院慰謝料の増額を増やすという手段もあります。
交通事故の怪我により入院・通院した精神的苦痛に対して支払われる慰謝料
この入通院慰謝料を増額するためには、以下のような方法があります。
これらの方法をとることで、入通院慰謝料の金額を減らされることなく受け取ることが出来ます。
ですが一番の方法はやはり弁護士に依頼することです。
例えばむちうちで6カ月(1カ月あたり10回通院)通院した場合、
と、単純にこれだけの差が生じます。
後遺障害が残った場合、後遺障害慰謝料の他に逸失利益を受け取ることもできます。
後遺障害により労働能力が喪失し、将来の収入が減少することに対する補償
基礎収入×労働能力喪失率×{(67-症状固定時の年齢)に対応するライプニッツ係数}で計算する
労働能力喪失率は、後遺障害等級によって以下のように定められています。
1級 | 2級 | 3級 | 4級 |
---|---|---|---|
100% | 100% | 100% | 92% |
5級 | 6級 | 7級 | 8級 |
79% | 67% | 56% | 45% |
9級 | 10級 | 11級 | 12級 |
35% | 27% | 20% | 14% |
13級 | 14級 | ||
9% | 5% |
つまり後遺障害12級に認定された場合、将来にわたる収入の14%を受け取れる計算になります。
なお、利息などの控除があるため実際に受け取る額はそれよりも少なくなります。
基礎収入の導き方・収入がない場合・症状固定時に67歳以上である場合などの計算式については、以下のページをご覧になってください。
ここまでの「後遺障害慰謝料」「入通院慰謝料」「逸失利益」などを合計した額は、以下の慰謝料計算機で簡単に求めることができます。
損害賠償額の目安を知るためにも、ぜひご活用ください。
後遺障害が残ったことで家をバリアフリーにしたり、車椅子を買ったり、介護士を雇ったり…。
そのような出費があった場合も、「後遺障害による出費」として、相手方に支払わせることが可能です。
もっとも、認められるのは必要かつ相当な費用のみであり、説得力のある立証が求められます。
今まで紹介した手続きや金額の算定などは、すべて弁護士に一任することが出来ます。
まとめると、後遺障害が残った場合に弁護士に依頼することには以下のようなメリットがあります。
交通事故のなかで、後遺障害と保険金に関わる部分は特に手続きが煩雑なものの1つです。
相手方から十分な補償を受け取るためには、治療期間中から通院方法などに気を配ることが大切です。
後遺障害の等級認定においては「治療を行っても治癒しなかった」ことが前提となるためです。
治療日数が極端に少なかったり、そのために症状経過の記載が不十分であったりすると、望むような後遺障害等級を受けられません。
そうなると、慰謝料や逸失利益などを受け取れなくなることも出てくるのです。
そうならないよう、出来るだけ早いうちから弁護士にご相談ください。
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交通事故の後遺障害に関することであれば、どうぞお気軽にご相談ください。
(第二東京弁護士会) 第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。
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岡野武志弁護士