作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故紛争処理センター

交通事故紛争処理センターは福岡、大阪、東京など11か所/期間・費用・体験談は?

交通事故紛争処理センターとは?新宿が本部?東京の身近な公的機関を利用しよう

交通事故慰謝料などの問題を解決した体験談や口コミを調査。慰謝料などの決定には示談裁判、そしてADRを利用する方法があります。ADRとは、裁判外紛争解決手続を意味します。ここでは、ADR機関のひとつである「交通事故紛争処理センター」について解説します。

  • 交通事故紛争処理センターの評判は?
  • 近くに紛争処理センターはある?
  • 紛争処理センターは物損でも利用できる?

交通事故紛争処理センターについて、どのような意見があるのか確認してみましょう。


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交通事故紛争処理センターの体験談・口コミは?

体験談・口コミから見る「交通事故紛争処理センター」

交通事故紛争処理センターを利用する前に、どうしても他の人の体験談口コミは気になるものでしょう。そこで、交通事故紛争処理センターについて口コミ・体験談を調べてみました。

交通事故の早い解決を望む方々には最適です。相手が任意保険加入自動車であることが利用条件です。

引用元:https://goo.gl/maps/nFPkZn7YCLp

3ヶ月から4ヶ月で終わるからはやい

引用元:https://goo.gl/maps/x2JQKf2FZSs

公式ホームページでは、実施したアンケート結果が公開されています。

交通事故をスピーディーに解決できる点や、説明の分かりやすさを評価する声があります。利用者にアンケートを取るのも、利用者の満足度アップをはかる取り組みの一つといえます。

その他にも口コミ・体験談を確認したところ、得られた結果は以下のような内容でした。

  • 早期解決を希望する人に向いている
  • 説明が分かりやすい
  • 混んでいて予約が取りづらいと聞いたが、そうでもなかった
  • 担当弁護士を選べず、また、変更もできなかった

口コミや体験談は主観になります。例えば、混み具合などはセンターの所在地によっても変わる可能性があります。もし不安なことがあれば、事前に確認してから利用することをおすすめします。

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大阪、福岡、名古屋、新宿…?各地のどのセンターに相談すればいい?

実際に交通事故紛争処理センターを利用したいとき、どこに相談すればよいかを確認してみましょう。まずは、全国の一覧を示します。

【一覧】申立人の居住地か事故発生地を管轄するセンターへ

交通事故紛争処理センターは全国にあります。原則として、次の2つの観点から、相談するセンターを決めてください。

  1. ① 申立人の居住地
  2. ② 事故発生場所

※交通事故の被害者と加害者の双方であらかじめ合意した場合はこの限りではありません
センターは、すべての都道府県にはありません。高等裁判所がおかれている都道府県と同じになっていて、管轄もほぼ高等裁判所と同じです。交通事故紛争処理センター 公式ホームページより、管轄都道府県をまとめました。

交通事故紛争処理センター利用先
利用する
センター
申立人の居住地

または事故地

札幌支部 北海道
仙台支部 宮城 青森 岩手 秋田 山形 福島
東京本部
さいたま相談室
東京 神奈川 千葉 山梨 茨城
埼玉 群馬 栃木 長野 新潟
名古屋支部
静岡相談室
金沢相談室
愛知 岐阜 三重
静岡
石川 富山 福井
大阪支部 大阪 兵庫 京都 滋賀 奈良 和歌山
広島支部 広島 岡山 山口 鳥取 島根
高松支部 香川 愛媛 徳島 高知
福岡支部 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分
宮崎 鹿児島 沖縄

※公式ホームページより抜粋:http://www.jcstad.or.jp/guidance/flow/step1/#denwayoyaku

交通事故紛争処理センターは全国に11か所あります。代表として「大阪」、「福岡」、「名古屋」、「新宿(東京本部)」について、さらに詳しくみてみましょう。

<大阪>交通事故紛争処理センター

大阪支部の概要を示します。

【概要】交通事故紛争処理センター 大阪支部
交通事故紛争処理センター 大阪支部
住所 5410041
大阪市中央区北浜2523
小寺プラザビル4階南側
アクセス 「淀屋橋駅」徒歩2
「なにわ橋駅」徒歩3
電話番号 0662270277
HP http://www.jcstad.or.jp/map/map05/
受付 月曜日~金曜日(年末年始除く)

午前9時~正午12時/午後1時~午後5

管轄 大阪 兵庫 京都 滋賀 奈良 和歌山

※情報は2019年3月時点
※公式ホームページ(http://www.jcstad.or.jp/map/map05/)より作成
※アクセスはGoogle Mapにて計測の参考値です

<福岡>交通事故紛争処理センター

福岡支部の概要を示します。

【概要】交通事故紛争処理センター 福岡支部
交通事故紛争処理センター 福岡支部
住所 8100001
福岡市中央区天神1917
福岡天神フコク生命ビル10
アクセス 「天神駅」徒歩4
電話番号 0927210881
HP http://www.jcstad.or.jp/map/map08/
受付 月曜日~金曜日(年末年始除く)

午前9時~正午12時/午後1時~午後5

管轄 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分
宮崎 鹿児島 沖縄

※情報は2019年3月時点
※公式ホームページ(http://www.jcstad.or.jp/map/map08/)より作成
※アクセスはGoogle Mapにて計測の参考値です

<名古屋>交通事故紛争処理センター

名古屋支部の概要を示します。

【概要】交通事故紛争処理センター 名古屋支部
交通事故紛争処理センター 名古屋支部
住所 4500003
名古屋市中村区名駅南21419
住友生命名古屋ビル24
アクセス 「名古屋駅」徒歩12
電話番号 0525819491
HP http://www.jcstad.or.jp/map/map04/
受付 月曜日~金曜日(年末年始除く)

午前9時~正午12時/午後1時~午後5

管轄 愛知 岐阜 三重

※情報は2019年3月時点
※公式ホームページ(http://www.jcstad.or.jp/map/map04/)より作成
※アクセスはGoogle Mapにて計測の参考値です

<新宿>交通事故紛争処理センター

東京本部(新宿)の概要を示します。

【概要】交通事故紛争処理センター 東京本部(新宿)
交通事故紛争処理センター 東京本部(新宿)
住所 1630925
新宿区西新宿231
新宿モノリスビル25
アクセス 「新宿駅」徒歩7
電話番号 0333461756
HP http://www.jcstad.or.jp/map/map01/
受付 月曜日~金曜日(年末年始除く)
午前9時~正午12時/午後1時~午後5
管轄 東京 神奈川 千葉 山梨 茨城

※情報は2019年3月時点
※公式ホームページ(http://www.jcstad.or.jp/map/map01/)より作成
※アクセスはGoogle Mapにて計測の参考値です

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交通事故紛争処理センター|物損事故も相談できる?費用や解決までの期間は?

交通事故紛争処理センターとは?新宿が本部?東京の身近な公的機関を利用しよう

交通事故の流れ

交通事故紛争処理センターは、ADR機関のひとつです。もともとは当事者間の損害賠償などの問題解決をめざし、損害保険会社が中心となって設立した公益法人です。

交通事故紛争処理センターでは「和解あっ旋」を進めます。そのための「話し合いの場」を提供する役割があり、担当弁護士がついてくれます。弁護士はセンターが決めますので、申立人がお金をかけて依頼する必要はありません。申立人が弁護士を選ぶことはできず、また、途中で変わることもありません。

和解あっ旋の結果、両者の合意とならない場合は、「審査」に入ります。この審査では「審査会」という場が設けられます。審査員が、被害者・加害者双方の話を聞いて、結果を「裁定」として出します。裁定について、交通事故紛争処理センターの大きな特徴があります。

片面的拘束力

交通事故紛争処理センターは一定の「損害保険会社等」と協定を結んでいます。センターの審査結果は、協定を結んでいる損害保険会社等に対して拘束力があります。これは「片面的拘束力がある」ともよばれます。申立人(被害者)には拘束力はありませんので、「同意」か「不同意」を選ぶ権利があります。

協定を結んでいる「保険会社等」
協定を結んでいる保険会社
日本損害保険協会に加盟する保険会社
外国損害保険協会に加盟する保険会社
全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)
全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済)
全国トラック交通共済協同組合連合会(交協連)
全国自動車共済協同組合連合会(全自共)
全日本火災共済協同組合連合会(日火連)

2019年3月22日時点

ただ、この「片面的拘束力」はすべての場合に当てはまる場合ではないようです。たとえば、上記の保険会社等以外は、協定を結んでいるわけではありませんので、拘束力は発生しません。そのほか、物損事故について以下の事例のような場合は、「審査」の結果が双方に拘束力があることを表しています。

車両相互の衝突等によって、双方に物損が発生し、かつ双方に過失が認められる場合、双方の損害に対して双方の所有者(損害賠償請求権者)があらかじめ裁定に同意することが審査、裁定を行う条件となります。

引用元:http://www.jcstad.or.jp/guidance/

被害者は裁定の14日以内に、審査結果への同意・不同意を回答しなくてはいけません。同意すれば、弁護士立会いの下で「免責証書(示談書)」が作成されます。

不同意となった場合は、交通事故紛争処理センターでの手続きは終わりです。一度取り扱った案件について、再度ADRを利用することはできません。この後は、当人同士での裁判や、示談へ移行することになります。

【物損OK】交通事故紛争処理センターの取り扱い範囲は?

交通事故紛争処理センターはとても便利なADRのひとつです。しかし、取り扱えないものもあるので、注意が必要です。以下は、交通事故紛争処理センターの取り扱い対象外とされています。

次の紛争は、センターのご利用の対象ではありません。

  1. ① 自転車と歩行者、自転車と自転車の事故による損害賠償に関する紛争
  2. ② 搭乗者傷害保険や人身傷害補償保険など、自分が契約している保険会社又は共済組合との保険金、共済金の支払いに関する紛争
  3. ③ 自賠責保険(共済)後遺障害の等級認定等に関する紛争
  4. ④ 求償に係る紛争(保険会社等間、医療機関、社会保険等との間の求償)

引用元:http://www.jcstad.or.jp/guidance/

「求償」の意味を確認しておきましょう。

保険会社が事故の被害者である契約者に保険金を支払うことで相手に対する保険金請求権を得て、加害者に対して請求すること。

引用元:https://kotobank.jp/word/%E6%B1%82%E5%84%9F-476972

あくまで交通事故紛争処理センターで取り扱えるのは、個人と個人のあいだで起こっている交通事故の紛争といえます。また、等級認定結果への不服申し立てや、自転車同士および自転車と歩行者との交通事故も、対象ではありません

対象外となっている案件は、下記のような相談窓口があります。しかし、ADRといっても利用方法や利用料、流れはさまざまです。事前に不明点を解消してから、利用してください。

  • 一般財団法人 自賠責保険・共済紛争処理機構:等級認定結果・自賠責保険や共済から支払われる保険金等に関する紛争
  • 自転車ADRセンター:自転車事故の紛争

ほかにも、交通事故紛争処理センターを利用できない「段階」があります。先ほどのイラストをもう一度示します。

交通事故の流れ

交通事故紛争処理センターを利用できるのはケガの治療終了後、つまり「完治」あるいは「後遺障害等級の確定後」になります。その状態でないと、「示談金」の内容も決めようがないからです。治療段階ではまだ交通事故紛争処理センターを利用できる段階ではありません。

後遺障害等級認定について詳しく知りたい方は、以下の関連記事を参考にしてください。

【費用】交通事故紛争処理センターは原則無料

交通事故紛争処理センターは利用料はゼロです。担当弁護士がついてくれますが、その弁護士への弁護士費用は不要です。

しかし、以下に一例を示すとおり、相談者(被害者)が負担をするものもありますので、あらかじめ知っておきましょう。

  • センターまでの交通費・駐車場代
  • 医療関係書類の準備にかかる費用
  • コピー代

【期間】1回1時間?物損は2回で終了?

交通事故紛争処理センターでは、第三者が立ち会って和解あっ旋が進められます。この時間は1時間以内とされています。

交通事故紛争処理センターの公式ホームページによると、物損事故の場合は通常2回で和解あっ旋の内容が示されることがほとんどです。

和解あっ旋にかかる回数
  • 物損事故のほとんど:2回
  • 人身事故の70%:3回まで
  • 人身事故の90%:5回まで

※交通事故紛争処理センター公式ホームページより抜粋

材料となる資料がそろっていれば、物損事故はずいぶん短時間で和解あっ旋内容が示されます。スピード感をもった解決ができることは、冒頭の口コミ・体験談とも合致します

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弁護士への相談・依頼をご検討中の方はこちら

個別に弁護士へ相談・依頼することには意味があります

それでは、なぜ無料のADRがあるのに、個別に弁護士を依頼する人がいるのか。それは、「弁護士の役割」が違うからです。

弁護士の立場
  • ADR:中立の立場
  • 個別に依頼:被害者(依頼者)の代理人

依頼者の代理人ということは、「依頼者」の立場に立って、有利な示談交渉への積極的なアドバイスをします。一方、ADRは第三者という中立の立場ですので、主張をしっかり聞いてくれますが、「被害者」のためだけにアドバイスをくれることは望めません。

また、ADRには一部取り扱えない案件もあります。弁護士は案件の制限なく、柔軟に対応ができます。治療中の段階や、後遺障害等級認定を適正に受けるために、弁護士に相談する方も多いです。そのほうが、適正な慰謝料を受けとることに結びつきやすいからです。

示談・裁判・ADRの違い

<24時間・365日>無料の相談窓口はこちらです

アトム法律事務所では、24時間・365日無料の窓口で相談を受け付けています。「忙しくて法律事務所に行く時間はつくれない、でも早く相談したい」という方にはLINE相談も好評をいただいております。ライフスタイルに合わせて、利用しやすい方法を選んでください。土日祝や混み合う時間帯は、順次の対応となっています。お待ちいただく可能性もありますので、早めのご連絡をおすすめします。


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まとめ

交通事故紛争処理センターは、交通事故の早期解決に有効な手段です。利用は無料ですので、解決までの費用をおさえたい人には適していると思われます。一方で、担当弁護士は中立の立場ですので、被害者(申立人)寄りの話し合いになるとは限りません。交通事故の解決には「示談」、「ADR」、「裁判」など、複数の選択肢があります。そして、どの方法にも特徴があります。解決において、被害者にとって最重要は何なのか、何を目指して解決するのか。そのためにはどの方法が最も適しているかを、弁護士に相談して探ってみるのもよいと思います。

弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。


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