作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故過失割合

交通事故の過失割合|決定の流れや証拠は?過失割合は途中で変わる?

交通事故の過失割合の考え方は?

交通事故はすべてが加害者の過失とはいえません。被害者にも過失があり、その過失割合が争点になることがあります

  • 過失割合の決め方は?
  • 過失割合の決定、根拠は?
  • なぜ過失割合が途中で変わる?


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交通事故の過失割合、どのように決まる?

交通事故被害者にも過失アリ?「過失相殺」の考え方

過失割合とは加害者・被害者双方の事故の落ち度を割合にしたものです。

被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。

引用元:民法722条

過失割合をもとに、被害者の過失分を賠償額から減額することを過失相殺といいます。賠償額にかかわることから、過失割合は重要な部分といえます。

過失割合を示す基準表を確認しましょう

過失割合の基準表は、これまでの裁判結果をもとに作成されています。保険会社もこの基準表を持っています。交通事故の状況により、どのように相殺されるのかをみてみましょう。

事故状況図

車Aは直進車、車Bは右折車です。基本的な過失割合は車A:車B=20:80となります。以下の状況で事故が発生した場合、過失割合がどのように変化するかみてみましょう。

具体例

過失割合と修正要素

A B
A:速度超過
15km)
10 10
過失割合 30
2010
70
8010

Aの基本的な過失割合は20ですが、15kmの速度超過が認められると、過失割合が10増えて30となります。一方で、Bは80の基本的な過失割合から10減って70となります。最終的な過失割合は車A:車B=30:70となります。この他にも基準表に基づいた具体例を解説している記事もありますので、参考にしてください。

過失割合は、交通事故の事情によって変わります。一度示談で確定した内容は、変更することができません。示談をする前に、弁護士にご相談されることをおすすめします

事故対応の流れ(被害者)
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過失割合決定のための証拠・資料、どうやって集める?

交通事故の過失割合を決めるためには、公的な(信頼性が高い)証拠・資料が必要とされます。公的な資料の入手方法と確認すべきポイントは次のとおりです。

「交通事故証明書」をまず取得しましょう

交通事故が発生したら、そのことを警察に届け出ます。警察に届け出ておけば交通事故証明書が取得可能になりますので、被害者としては、まずそれを取り寄せましょう。

「交通事故証明書」の確認ポイント

「交通事故証明書」を取り寄せたら、中身について確認しましょう。確認すべきポイントは、「当事者欄」「事故照会番号」の2か所です。

ポイント

当事者欄:「甲」「乙」欄には、被害者・加害者の氏名が記載されています。

事故照会番号:事故の取扱警察署を確認し、加害者の「送致日」「送致先検察庁」「送致番号」を調べます。

送致先の検察庁が分かれば、その検察庁に問い合わせて刑事記録を謄写します。

実況見分調書・供述調書、物件事故報告書とは

警察は、人身事故では実況見分調書供述調書などの刑事記録を、物損事故では物件事故報告書を作成します。

実況見分調書は、実況見分の日時・場所・現場や運転車両の状況、立会人の指示説明が記載されています。

供述調書は、事件に関して述べられた事実が記録されています。

被害者保護の観点から法整備がすすめられ、被害者の求めに応じて記録を開示する方向に緩和されてきています。しかし、捜査中の記録開示は進んでいないのが現状です。刑事記録の開示申請や方法は、事件捜査の進捗や段階によっても異なり、複雑です。弁護士に依頼し、弁護士から開示を求めてもらうほうがスムーズに進みます。

まとめ

被害者本人が刑事記録を入手することは困難

代理人弁護士であれば、手続きの段階によっては入手可能

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過失割合は一度提示されたら変わることはない?

物損事故と人身事故、同じ事件でも過失割合は変わります

過失割合は、1つの事故の「人身部分」と「物損部分」でズレることがあります。また、時間の経過で新しい証拠が発見されて変わることも起こりえます。

背景

加害者側の保険会社の担当者が人身部分と物損部分で異なることで過失割合がズレる

人身部分とくらべて物損部分の損害確定が早く、先に結論が出やすい

人身部分は金額が大きくなりやすく、物損部分とくらべて譲歩が起こりづらい

交通事故示談金の内訳

新しい証拠がでると、その証拠に基づいて判断されます

時間の経過で新しい証拠がでると、一度提示された過失割合が変更される場合があります。こういった場合は、過失割合が変わった根拠を確認しておきましょう。

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交通事故の過失割合、妥当なのかわからない…

過失割合は交通事故の内容によってさまざまです。保険会社の担当者が提示する過失割合が、必ずしも正しいとは言い切れません。専門的な知識をもつ弁護士に相談してみませんか。

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まとめ

過失割合の問題は、事故ごとに、個別に検討する必要があります。加害者と意見が対立することも十分に考えられますので、時間の経過で証拠収集が難しくなる前に、専門家の弁護士に相談しておくとよいでしょう。ほかにも過失割合について解説した記事がありますので、ぜひ関連記事も参考にしてみてください。

弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

全国10事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2019年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。