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過失割合で揉めた場合の対応は?|アトム法律事務所弁護士法人

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『こちらは一方的な被害者なのに、相手方の保険会社が提示した過失割合では、こちらにも過失があることになってる…』

過失割合という言葉は、一般の方でも聞いたことがあるかもしれません。
事故が起きた時にどちらが悪いか決めるもの、といったイメージは湧きやすいのではないでしょうか?

この過失割合が、交通事故において何故重要で、どうやって決められるのか、というテーマについて解説していきます。
さらに、相手方保険会社が主張する過失割合に納得がいかない場合の対応についても、説明していきます。


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過失割合で揉めた場合の対応は?

Q1

過失割合とは?過失相殺とは?

交通事故の過失割合とは、その事故の当事者間でどちらにどれだけの落ち度があったか、の割合を示すものです。

過失割合

過失割合は、交通事故の慰謝料を含む補償の金額に大きく関わってくるため、納得のいく過失割合で示談を進めることは非常に重要です。

被害者側にも一定の過失がある場合、賠償額から被害者の過失分が差し引かれた金額しか補償を受けられません。

被害者の過失分が差し引かれることを過失相殺と言いますが、詳細については下で解説しています。

過失相殺

過失相殺とは、被害者側の過失の割合に応じて、賠償額が減額されることを意味します。

例えば過失割合が「被害者10:加害者90」だった場合はどうなるでしょうか?
被害者に過失が全くなければ、1000万円の補償が受け取れる事例だとすると、実際に受け取れる額は900万円まで減額されてしまいます。

900万円 = 1000万円 × (100 – 10)

過失割合が30:70や50:50であれば、受け取る金額はさらに低くなってしまいます。

まずはこちらの慰謝料計算機で、ご自分が受け取れる慰謝料相場の見込みをチェックしてください。
※被害者の過失割合が0の場合の見込み

ポイント

過失割合によって、被害者の受け取れる金額が減額される

Q2

過失割合はどう決まる?

それだけ重要な過失割合ですが、一体だれがどのようにして決めているのでしょうか?

事故の状況を調べる警察?それとも慰謝料を払う保険会社でしょうか?

警察が決める?

まず警察が過失割合を決めるのか、についての答えは『NO』です。
警察は事故の発生状況や事故直後の状態を調書にまとめますが、過失割合については警察の管轄外になります。
(加害者の刑事処分において、当事者のどちらに過失があったのか、という点は考慮されますが、事故の賠償金といった民事に関する過失割合には関与しません。)

ただし、事故状況の調書は、その後の過失割合の決定において影響を与えます。
加害者側の一方的な言い分を元にした調書が作成されないよう十分な注意が必要です。

保険会社が決める?

では、保険会社が過失割合を決めるのでしょうか?
これについては、完全な『YES』ではありませんが、ある程度その通りと言える部分もあります。

交通事故の過失割合というのは、「このような事故の時には〇:〇」というパターンが、大体決まっています。
もちろん、事故毎の個別事情も考慮されますが、事故がどのパターンであるか、ということが一番大きな判断基準となります。
過去の判例を基に作成されたパターンは、別冊判例タイムズや日弁連交通事故相談センターが発行する通称「赤本」といった専門書籍に詳しく掲載されています。

ここで重要なのは、実際の事故にどのパターン(判例)を当てはめるかによって、過失割合が左右されてしまうということです。

保険会社は交通事故の示談交渉に馴れていますから、なるべく自分たちに有利になる判例、つまり、被害者の過失が大きくなるパターンや判例を参照しようとします。
被害者の過失が大きくなれば、それだけ保険会社が支払う金額も少なくなるので、このような手段を取ってくるのです。

それに対して、被害者自身には判例知識がほとんど無いでしょうし、自力で判例を調べても保険会社は示談交渉で相手にしてくれない可能性が高いです。
示談は当事者間で約束事をするものですから、極端な話をすれば、実際に裁判にならない限りは裁判所の判断がどうなるかなど保険会社にとっては関係ないのです。

保険会社との示談を優位に進めるためにはどうすればいいのか、こちらのページで詳しく解説しているのでご確認ください。
交通事故の示談とは?

ポイント

過失割合は過去の判例を基に作成されたパターンに照らし合わせて決められる

Q3

過失割合で揉めた場合はどう対応する?

「保険会社が提示する過失割合に納得がいかない!」

過失割合で揉めて示談交渉がまとまらない、という相談は多く寄せられます。
単に賠償金額の話だけでなく、被害者である自分が悪いみたいに言われるのは腹立たしい、といった心情的な部分でも納得いかないことが多いでしょう。

前提として、残念ながら0:100の過失割合が認められるケースは一部の事例に限られています。
例えば、相手方が信号無視をしていた場合や、センターラインオーバーをしてきた車に衝突された場合など、相手方に重い過失がある場合には0:100の過失割合が認定される可能性が高いです。

一方で、重過失が認められない通常の交通事故であれば、被害者の側にも一定の過失が認められてしまうことがほとんどです。
例えば、信号のない交差点で、自動車同士が交差する形でぶつかった場合は、20:80 ~ 40:60が基本的な過失割合になります。

適正な過失割合のために

「やはり、保険会社の提示する過失割合が正しいから納得するしかないのか…」

もちろん、そんなことは決してありません!
保険会社が過失割合の根拠とするパターンや判例は、あくまでも保険会社が自分たちの利益を考えて選んだパターンや判例です。
被害者側に有利な事情(慰謝料が増額する事情)をあえて無視しているケースも少なくありません。

とは言え、膨大な判例の中から、本当に適切な事例を見つけ出し、保険会社側に主張を認めさせることは、一般の方にとっては非常に困難です。

このように適切な過失割合が認められずに困っている時に、被害者の味方となって保険会社と示談交渉できるのは弁護士しかいません。
交通事故の被害者にとって一番の味方になれるのは、利害が対立する関係にある保険会社ではなく、交通事故の知識と経験が豊富な弁護士です。

ポイント

交通事故のお悩みは、弁護士に相談するのがベスト

まずは、ご自分が本来受け取れる見込みの慰謝料金額を質問するだけでも、アトムの無料相談をご利用ください。

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