弁護士無料相談をご利用ください
相談依頼は今すぐ!
作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
交通事故の示談交渉術を使って、示談交渉は少しでも有利にすすめたいものです。自分で示談交渉をすすめるべきか、弁護士に依頼するべきか、判断が難しいと感じている方もいるでしょう。
まずは示談交渉の意味から確認してみましょう。
示談とは、裁判をせずに、被害者・加害者の双方が折り合うことのできる点をさだめて合意し、争いをやめることです。交通事故の示談では、被害者が交通事故で負った損害を、加害者がどのように補償するか、最終的な賠償金などを決めることです。
交通事故が発生したら、まず加害者の加入している保険を確認してください。示談交渉は、治療でケガが完治したときか、症状固定となり後遺障害の等級が認定されてから行います。症状固定とは、治療を継続しても、これ以上の改善が期待できなくなったタイミングのことです。
示談内容は「後遺障害の有無」で変わります。例えば治療を継続している段階や後遺障害の有無が明確でないうちに、加害者から示談を提案されても、示談交渉を始めてはいけません。
後遺障害等級申請について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
後遺障害等級申請について
交通事故は時間がたつと証拠がうしなわれたり、事故関係者の記憶がうすくなったりします。事故が発生した時点で、解決までの道筋を立てることが理想です。
示談交渉にかかる時間は、円満に進む場合、一般的には裁判で解決するよりも早期に解決します。加害者・被害者ともに譲歩しあうことが不可欠です。
また、「損害賠償請求権」には時効があります。
不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。
引用元:民法724条
交渉期間の希望や、示談開始時期が適切か分からない、などは事前に弁護士に相談するとよいでしょう。
示談交渉は個人でも可能です。示談でポイントになる示談交渉術として、例えば以下の2つが挙げられます。
示談交渉は、加害者加入の保険会社と行います。示談では、客観的な証拠や資料をそろえ、納得してもらうことがポイントです。
示談交渉で協議していく代表的な事柄は、損害額と過失割合といえるでしょう。これらを示す資料を提出しましょう。
損害額 | 過失割合 | |
書類名 | 休業損害証明書 診療報酬明細書 後遺障害認定票 | 実況見分調書 |
慰謝料の計算方法は、加害者の加入保険を確認することから始まります。運転者に加入義務のある自賠責保険と任意加入の任意保険です。慰謝料の算出基準は保険ごとに異なりますが、自賠責保険で補いきれない分をたすけるのが任意保険だととらえてください。
算出基準は自賠責保険のみ公開されています。自賠責保険の算出基準をみてみましょう。
自賠責保険の慰謝料内訳(一部)
傷害慰謝料の治療日数は、①②のうち少ない日数を採用します。
具体的に計算してみましょう。
20日間の2倍なので①は40日、②は50日となります。少ないほうを採用しますので、この場合は①を採用した4,200円×40日=168,000円と算出されます。
任意保険については、明確な基準は公開されていません。一般的には、自賠責基準よりは高めといわれていますが多額の慰謝料を支払ってくれる、との期待は禁物です。
自賠責保険・任意保険それぞれの違いは、次の記事でより詳細に説明していますので、参考にしてください。
自賠責保険と任意保険、詳細な違いを解説しています。
交通事故の示談交渉の相手は、多くの場合、加害者側の保険会社の担当者です。示談交渉経験も多数あるので、被害者ひとりの力では、交渉を有利にすすめることは難しいといえます。交渉の過程で、保険会社側が弁護士を代理人として立ててくることもあります。弁護士が相手だからという理由で焦ることはありませんが、被害者も弁護士に相談することが望ましいでしょう。
弁護士に依頼するメリットのなかでも、被害者にとって一番大きいのは慰謝料の増額といえます。
慰謝料の算定基準には、民事裁判で用いられる弁護士(裁判)基準があります。この基準で計算すると、慰謝料は大きく増額します。慰謝料計算機をつかってみましょう。自動で簡単に弁護士基準での慰謝料が計算できます。
慰謝料計算機では、すべての個別内容を反映できるわけではありません。
弁護士に相談をして、慰謝料はいくらもらえるのか確認することをおすすめします。
「弁護士に示談交渉を依頼すると高くつく」と思っている方が多いようです。弁護士費用特約(正式名称:弁護士費用補償特約)をご存知でしょうか。被害者自身で、自分の加入保険にこの特約がついているかを確認しましょう。
被保険者が交通事故によって被った被害について、保険金請求権者(被保険者、被保険者の法定相続人等)が損害賠償請求をして弁護士費用等を負担したことによって生じた損害について、一定の限度で保険金が支払われるものである。
引用元:「改訂版 交通事故実務マニュアル 民事交通事件処理」株式会社ぎょうせい 平成29年出版
弁護士費用特約が使える場合には、基本的に弁護士費用を負担することなく弁護士に依頼できます。
弁護士費用特約が使えない場合、自分ひとりで示談交渉するほうが、「弁護士費用がゼロ」という点ではメリットがあります。しかし、一般的には、弁護士に依頼して弁護士費用を支払っても、まだ十分手元に残るくらい慰謝料が増額する場合が多いです。
弁護士費用特約については、記事「弁護士費用特約の特徴」も参考にしてみてください。
手続きや交渉に関しては専門的な知識が求められますので、弁護士への相談をおすすめします。
示談交渉の結果がまとまり、示談書を取り交わすと、原則的に変更はできません。また、最初から弁護士が交渉するほうが、示談にかかる期間も短くなります。
交通事故の示談で有効な交渉術をつかうことは被害者自身でも可能です。しかし、被害者が治療に専念することと、納得のいく慰謝料を受けとることの両立を実現するには、弁護士への依頼がより良い手段といえるでしょう。
(第二東京弁護士会)
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。