【死亡事故】被害者が高齢者や妊婦、未成年の場合の死亡慰謝料は？

高齢者の死亡慰謝料について、

• 示談交渉で加害者側が提示する金額（任意保険基準）
• 被害者側が弁護士を立てた場合提示する金額（弁護士基準）

の2種類をご紹介します。

高齢者であっても、生前家族内で何らかの役割を担っていた場合には、死亡慰謝料にそれが反映される可能性が高いです。実際の事例を見てみましょう。

統合失調症の長男と二人暮らしの女性（76歳）につき、心身の病気を抱えた長男の生活を支えていたところ、突然の事故により1級相当の後遺障害を負いその後死亡するに至り（略）本人分2200万円、子2人各100万円、死亡分合計2400万円を認めた
（事故日平14.1.23　東京地判平18.2.22　自保ジ1658・13）

引用元：『民事交通事故訴訟 損害賠償算定基準2018』（日弁連交通事故相談センター東京支部）

息子及びその妻子と同居し、家事の多くを行っていた女性（83歳）につき、本人分2400万円を認めた
（事故日平20.11.23　東京地判平22.10.12　自保ジ1843・155）

引用元：『民事交通事故訴訟　損害賠償算定基準2018』（日弁連交通事故相談センター東京支部）

妊婦の方が交通事故に遭い、胎児が死亡してしまった、つまり流産した場合、亡くなったお腹の赤ちゃんの死亡慰謝料はどうなるの？という疑問が出るかと思います。

交通事故による流産でお腹の子が死亡してしまった場合場合、それは死亡慰謝料ではなく、母親の入通院慰謝料の増額事由として扱われることが一般的です。

また、交通事故による投薬治療等を理由に交通事故後中絶した場合も、慰謝料の対象になることが多いようです。

その他、交通事故やその治療の影響で障害のある子が生まれた場合には、損害賠償請求ができます。その障害が死にも比肩する場合には、父母の慰謝料も認められます。

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未成年の死亡慰謝料は、以下のようになります。

未成年の場合は、未来ある子供であったこと、子を失う親の心情などが考慮されて金額が算定されます。また、兄弟姉妹など、未成年の子供が事故を目撃した場合には、それが考慮されることもあります。

女児（3歳）につき、まだ死の意味すら十分に理解しかねる幼少の身で突然の死を余儀なくされたこと、突然に幼子を失った父母や近親者らにおいてその死を受容しかね呻吟する有様が顕著であることから、本人分2200万円、父母各300万円、合計2800万円を認めた
（事故日平17.7.31　大阪地判平20.3.13　交民41・2・310）

引用元：『民事交通事故訴訟 損害賠償算定基準2018』（日弁連交通事故相談センター東京支部）

小学生（男・8歳）につき、加害車が時速40㎞で走行したこと（指定最高速度20㎞）等を考慮し、本人分2300万円、父母各200万円、事故直後に受傷した被害者を目の当たりにしたこと等を斟酌し兄（11歳）100万円、合計2800万円を認めた
（事故日平16.9.8　東京地八王子支判19.9.19　交民40・5・1186）

引用元：『民事交通事故訴訟 損害賠償算定基準2018』（日弁連交通事故相談センター東京支部）

交通事故でご家族が亡くなられた場合は、弁護士にご相談ください。

この記事でご紹介した通り、示談交渉で加害者側から提示される金額と、被害者側弁護士が提示する金額とには大きな開きがあります。ご家族で示談交渉をする場合には、弁護士基準の金額を主張することは難しいですし、交渉が加害者側主導で進む可能性が高いです。

特に高齢者の方、流産・中絶をされた方、未成年の方の慰謝料については慰謝料増額の余地が大いにありますので、まずは無料相談にて、お話をお聞かせください。