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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
労災での後遺障害等級認定に関する疑問について、詳しく解説していきます。
目次
労災で後遺障害等級認定をする場合の流れは、以下の通りです。
労災の後遺障害等級認定において必要になる資料は以下の通りです。
レントゲン等症状を伝える資料以外は、厚生労働省のHPからダウンロードが可能です。
請求書には労働保険番号や年金証書の番号など、個人番号を記入します。そのため、提出の際は注意が必要です。
①直接労基署に提出する場合 |
---|
✓個人番号が見えないよう、封筒などに入れる ✓本人確認書類を持っていく ・個人カード ・通知カードや個人番号付きの住民票+免許証やパスポート |
②郵送で提出する場合 |
✓できれば追跡確認ができる簡易書留で ✓本人確認書類の写しを同封する |
提出方法は、可能であれば労基署へ直接持っていくことが推奨されています。
労災での後遺障害等級認定の場合、審査は3か月程度になることが多いようです。
審査結果が出ると、
のいずれかのハガキが届きます。
等級が認定されれば、支給決定通知が届きます。これは補償金の支払振込通知も兼ねており、これの発送と同じころに、補償金が振り込まれます。
等級が認定されず、給付金は支払われない場合には、不支給決定通知が届きます。
労災の後遺障害等級の基準は、以下から確認することができます。
労災の後遺障害等級認定で用いられる等級表は、労災以外の交通事故における後遺障害等級認定で用いられるものと基本的に同じです。
ただし、労災での認定の方がよりこの表に忠実に判断され、労災以外の交通事故での認定では労災よりも厳しめに判断されることが多いです。
労災での後遺障害等級認定では、労災が指定する診断書を提出します。
項目は
などで、特別複雑というわけではありません。
等級が認定されるためには、レントゲンなどの資料も併せて提出し、
を伝えることが大切です。
診断書の書き方のポイントについてはこちらもご覧ください。
なお、労災の診断書を医師に書いてもらうと、4000円程度の費用がかかります。
これの費用は、療養(補償)給付たる療養の費用請求書を提出することで返ってきます。
労災の後遺障害等級認定では、面談が行われます。
書面だけではわかりかねる症状の状態などを確認するのです。自分の症状について、的確に説明できるよう、準備しておきましょう。
労災の後遺障害等級認定に納得できない場合、異議申し立てをすることができます。その流れについて、簡単にまとめると以下のようになります。
労災の後遺障害等級認定
↓納得できない
審査請求をし、審査
↓納得できない
↓3か月待っても結果が出ない
再審査請求をし、再審査
↓納得できない
↓3か月待っても結果が出ない
裁判
労災の場合、審査請求・再審査請求が後遺障害等級認定の異議申立に当たります。審査請求・再審査請求の詳細は、以下から解説していきます。
審査請求をするためには、
する必要があります。
提出先が変わること、結果を知ってから3か月以内に申請しなければならないことに要注意です。
また、請求書は厚生労働省のHPからダウンロード可能です。
①の審査請求の結果にも納得できない、3か月たっても結果が出ないという場合には、再審査請求をすることができます。
再審査請求のためには、
することが必要です。
なお、審査請求の結果が出るまでには半年~1年かかるといわれることが多いですが、審査請求から3か月たてば、結果が出ていなくても再審査請求が可能です。
② の再審査請求の結果にも納得できない、再審査請求の結果が3か月たっても出ないという場合には、次は裁判となります。
裁判は、審査請求の結果が出た後、再審査請求を飛ばして行うこともできます。
裁判ができるのは、
です。
労災で後遺障害等級が認定されると、一時金や年金を得ることができます。等級によってその種類が異なるため、ここで確認しておきましょう。
年金形式
一時金形式
障害特別支給金
一時金形式
年金形式とは、毎年偶数月に、その前2ヵ月分の年金を受け取る形式のことを言います。
一時金形式とは、年金のように継続して受け取るのではなく、一度だけそのお金を受け取る形式のことを言います。
受け取れる一時金・年金の金額を、1~7級の場合、8~14級の場合とに分けてご紹介します。
1~7級の場合、年金形式で受け取れるものと一時金形式で受け取れるものがあります。
障害補償給付の場合は
給付基礎日額
(=事故前3ヵ月の収入÷その間の暦日数)、
障害特別年金の場合は
算定基礎日額
(=事故前1年間の特別賞与÷365日)
に対し、等級に応じた以下の日数をかけると、1年間で受け取れる金額が分かります。
等級 | 日数 |
---|---|
1級 | 313日 |
2級 | 277日 |
3級 | 245日 |
4級 | 213日 |
5級 | 184日 |
6級 | 156日 |
7級 | 131日 |
障害特別支給金は、等級に応じて以下の金額が受け取れます。
等級 | 金額 |
---|---|
1級 | 342万円 |
2級 | 320万円 |
3級 | 300万円 |
4級 | 264万円 |
5級 | 225万円 |
6級 | 192万円 |
7級 | 159万円 |
8~14級の場合、受け取れるお金は全て一時金となります。
障害補償給付と障害特別一時金の計算方法は、1~7級の場合と同じく、
に対して以下の日数をかけることで金額が分かります。
等級 | 日数 |
---|---|
8級 | 503日 |
9級 | 391日 |
10級 | 302日 |
11級 | 223日 |
12級 | 156日 |
13級 | 101日 |
14級 | 56日 |
8~4級の障害特別支給金は、以下のようになっています。
等級 | 日数 |
---|---|
8級 | 65万円 |
9級 | 50万円 |
10級 | 39万円 |
11級 | 29万円 |
12級 | 20万円 |
13級 | 14万円 |
14級 | 8万円 |
ここまでご紹介してきたように、労災で後遺障害等級が認定されると受け取れるのは、
です。
労災以外の交通事故で加害者に請求することのできる後遺障害慰謝料は、ここには含まれていません。
後遺障害慰謝料を請求したい場合には、労災ではなく加害者側に請求することが必要です。
なお、労災と加害者側双方に対して賠償金や補償金を請求する場合には、
重複する項目は金額調整が必要になる
ということに注意です。
労災と自動車保険での金額調整についてはこちらでご確認ください。
そのようなときは、
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をご利用ください。
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(第二東京弁護士会) 第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。
弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
労災の後遺障害等級認定は、①必要資料をそろえる②資料を労働基準監督署に提出する③面談や書類での審査が行われる④労働基準監督署から結果の通知が届くという流れで行われます。必要資料は、厚生労働省のホームページからダウンロードすることができます。 労災の後遺障害等級認定の流れ
労災でも、後遺障害等級認定の異議申し立ては可能です。労災での異議申し立ては、「審査請求」といいます。審査請求の結果にも納得できない、もしくは3か月待っても審査請求の結果が出ないという場合には、再審査請求を行います。その結果にも納得できない、もしくは3か月待っても結果が出ないという場合には、裁判になります。 労災の審査請求の流れと期限
労災の後遺障害に対する補償には、一時金として支払われるものと年金として支払われるものとがあります。年金形式とは、毎年偶数月に、その前2ヵ月分の年金を受け取る形式のことを言い、一時金形式とは、年金のように継続して受け取るのではなく、一度だけそのお金を受け取る形式のことを言います。もらえる補償が年金形式で支払われるか一時金形式で支払われるかは、補償の種類や後遺障害等級によって変わります。 年金形式と一時金形式の詳細