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交通事故で後遺障害が残ると、後遺障害等級認定の申請をします。
後遺障害等級認定の手続きに関する疑問に、弁護士とともにお答えしていきます。
交通事故に遭った場合、後遺障害が残る可能性があります。
後遺障害とは、これ以上治療をしても大幅な改善は見込めないと判断された(症状固定)身体的・精神的毀損のことです。
後遺障害が残った場合、その症状や重さに応じて等級が認定される場合があります。
これが後遺障害等級です。
では、後遺障害等級を認定してもらうための手続きを見てみましょう。
後遺障害等級認定の申請手続きは、大まかには上の図の通りになります。
後遺障害等級の認定審査は基本的には書面のみから行われます。
審査に必要な書類を用意し、それを審査機関である損害保険料率算出機構に送って審査してもらうのです。
被害者請求では、
という特徴があります。
この際被害者が提出すべき資料は以下の通りです。
① | 保険金・損害賠償額支払請求書 |
---|---|
② | 実印を押した委任状 (代理人による請求の場合) |
③ | 印鑑証明書 |
④ | 交通事故証明書 |
⑤ | 事故発生状況報告書 |
⑥ | 医師の診断書 |
⑦ | 診療報酬明細書 |
⑧ | 後遺障害診断書 |
⑨ | その他後遺障害の状態を伝えられる資料 |
事前認定では、
という特徴があります。
ではここで、被害者請求と事前認定の違いをまとめておきましょう。
被害者請求 | 事前認定 | |
---|---|---|
仲介者 | 加害者側 自賠責保険会社 |
加害者側 任意保険会社 |
被害者が 集める資料 |
必要資料一式 | 後遺障害診断書のみ |
審査機関 | 損害保険料率算出機構 |
では、後遺障害等級認定の申請手続きをして、実際に等級認定される確率はいくらほどなのでしょうか。
実は、その割合は約5%程度と言われています。
では、認定されたケースの等級別統計を見てみましょう。
後遺障害等級は、数字が小さくなるほど上、つまり後遺障害が重いということです。
統計からもわかるように、高い等級になるほど割合は減っています。
後遺障害等級の認定率が低いこと、高い等級ほど認定割合が低いことには、
ということも関係しています。
ではここで、後遺障害等級の認定基準を確認してみましょう。
損害保険料率算出機構は、労災の定める後遺障害等級の認定基準に準じて審査を行います。
労災の定める認定基準を一部ご紹介しましょう。
等級 | 症状例 |
---|---|
1級 | 両目を失明 |
2級 | 片目を失明し、他方の目の視力が0.02以下になった |
3級 | 片目を失明し、他方の目の視力が0.06以下になった |
(略) | |
12級 | 片目に著しい障害が残った |
13級 | 片目の視力が0.6以下になった |
14級 | 片目のまぶたの一部に欠損または、まつげはげが残った |
ポイントは、労災の定める認定基準に「則って」審査するのではなく、「準じて」審査するということです。
損害保険料率算出機構での認定は、労災の定める基準を参考にしつつもそれよりも厳しめに審査しているのです。
実際の後遺障害に見合った正当な等級に認定してもらうためにも、どのような書類を審査に出すかが非常に大切です。
後遺障害等級の申請手続きは2種類あること、認定割合が低いことがここまででわかりました。
では、結局、どちらの申請方法を選択すればいいのでしょうか。
被害者請求にも事前認定にも、それぞれメリットとデメリットがあります。
それを踏まえたうえで、どちらの手続きをとるのかを決めることが大切です。
では、メリット・デメリットの観点から被害者請求と事前認定を見てみましょう。
被害者請求 | 事前認定 | |
---|---|---|
簡単さ | △ | 〇 |
認定確率 | 〇 | △ |
申請準備の簡単さで見ると、事前認定の方が簡単です。
被害者は後遺障害診断書を用意すればいいだけだからです。
一方、認定確率は、被害者請求の特徴をうまく利用することで事前認定より高くなる可能性があります。
必要最低限度の資料の他にも、後遺障害の状態をより伝えられる資料を加えられるからです。
必要最低限度の資料だけでは伝わりにくいことも、資料を追加することで伝えられます。
事前認定でも加害者側任意保険会社に追加資料を提出することはできます。
しかし、それを本当に損害保険料率算出機構に送ってもらえるかは定かでないのです。
申請してから2週間ほどたつけれど結果が来ない…
もうすぐ1カ月たつけれどまだ何の通知も来ない…
後遺障害等級認定の審査結果がいつ来るのかわからないと、心配になりますよね。
後遺障害等級認定の結果は、いつまでに出ると決まっているわけではありません。
後遺障害の内容によります。
ここで、後遺障害等級認定の結果が出るまでの期間を示した統計を見てみましょう。
上の統計を見ると、約8割のケースでは1ヵ月以内に結果が出ることが分かります。
ただしそれ以上かかるケースもあります。
特に、高次脳機能障害などしばらく経過を見る必要がある場合や、判断が難しい場合には、審査に数年かかることもあります。
はっきりといつまでに結果が出ると言うことは難しいです。
しかし、弁護士に後遺障害等級認定の相談をすることで、大体これくらいの期間ではないかという目安を知ることはできます。
後遺障害等級が認められると、加害者側から後遺障害慰謝料と逸失利益を受け取ることができます。
後遺障害が残ったことで今後も受け続ける精神的苦痛に対する補償
後遺障害によって労働能力を失ったことで減った収入に対する補償
これらが支払われるタイミングは、後遺障害等級認定の手続き方法によって変わります。
被害者請求をした場合には、慰謝料が受け取れるタイミングは以下のようになります。
支払い時期 | |
---|---|
後遺障害慰謝料 | ・自賠責保険基準による最低限の金額 →等級認定後直ちに ・最低限の金額以上の金額 →示談交渉後 |
逸失利益 | 等級認定後直ちに 上限:等級別保険金上限額と後遺傷害慰謝料との差額 |
被害者請求での等級認定後、まず加害者側自賠責保険会社から最低限の後遺障害慰謝料や逸失利益が振り込まれます。
しかしこれは最低限の金額であるため、それ以上の金額については示談交渉で話し合うことになります。
示談交渉で加害者側と金額を話し合い、残りの金額は示談成立後に受け取ることとなります。
事前認定をした場合には、慰謝料が受け取れるタイミングは以下のようになります。
支払い時期 | |
---|---|
後遺障害慰謝料 | 示談交渉後 |
逸失利益 |
事前認定の場合には、後遺障害慰謝料も逸失利益もすべて示談交渉後に受け取ることになります。
被害者請求では先に受け取れた自賠責保険金分も、事前認定では示談交渉後まとめて支払われます。
後遺障害等級認定の結果が届いたら、示談交渉に向けた準備を始めます。
後遺障害慰謝料や逸失利益の算出方法はこちらをご覧ください。
なお、届いた結果に納得できなければ、異議申し立てをして等級変更を目指すこともできます。
通勤中や勤務中に交通事故に遭い後遺障害を負った場合には、労災で後遺障害等級認定を受けることができます。
この時、審査機関は損害保険料率算出機構ではなく、労働基準監督署になります。
認定基準は労災の定める認定基準に沿ったものとなります。
また、審査の際は書面のみではなく、面談も行われます。
ではここで、労災での認定と被害者請求・事前認定との違いをまとめておきます。
労災 | 被害者請求 事前認定 |
|
---|---|---|
審査機関 | 労働基準監督署 | 損害保険料率算出機構 |
認定基準 | 労災の定める基準に則る | 労災の定める基準に準ずる |
審査方法 | 面談、書面 | 原則書面のみ |
では、後遺障害等級認定の労災への申請手続きを見ていきます。
① 労働基準監督署長あてに
を書く
② 勤務中の事故であれば所定の形式の診断書を添付。
その他必要に応じた資料を添付。
③ 審査、結果通知
等級認定の結果は、原則として厚生労働省から「支給決定通知」として届くはがきで伝えらえます。
労災で後遺障害等級が認定されると、その等級に応じて障害補償給付金、障害特別支給金、障害特別金が受け取れます。
そのため、支給決定通知は支払振込通知も兼ねたものになっています。
その通知が送付される頃に、支給金額が振り込まれます。
支給金の内容は以下の通りになっています。
障害補償給付金 | 障害特別金 | 障害特別支給金 | |
---|---|---|---|
1~7級 | 年金形式 | 一時金形式 | |
8~14級 | 一時金形式 |
これらの給付金は慰謝料ではありません。
慰謝料を得るためには、労災ではなく別途加害者側に請求する必要があるのです。
また、障害補償給付金は逸失利益に対応するため、加害者側から逸失利益を受け取った場合には、二重取りにならないよう調整が行われます。
後遺障害等級が認められない、無等級になった場合でも、不支給決定通知が送られてきます。
後遺障害等級認定を弁護士に相談するメリットとして、以下のものがあげられます。
ご紹介したように、後遺障害等級の認定率は高いとは言えません。
また、認定手続きのために提出する診断書を作成する医師も、後遺障害等級認定に詳しいとは限りません。
交通事故に強い弁護士は後遺障害等級認定のサポートをしていることも多いので、相談すると安心です。
他にも、認定された等級が妥当かわからず異議申し立てをするか迷っている場合にも、弁護士にご相談ください。
等級認定後の示談交渉では、交渉のプロである加害者側任意保険会社が相手になることが一般的です。
知識も経験も豊富な相手に対して対等に交渉をするためにも、弁護士への相談は大切です。
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野尻大輔
認定の申請方法は、一般的には2種類あります。
被害者請求と事前認定です。