作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
中心性脊髄損傷の後遺症|慰謝料、等級は?痛み・しびれ…後遺障害を弁護士が解説
中心性脊髄損傷の後遺症が残った…。
両腕に痛み、しびれ、麻痺の症状がでて、つらい思いをしたり、生活への支障も生じているのではないでしょうか。
完全麻痺とちがって、その症状を理解してもらえず、お悩みの方もおられるでしょう。
- 中心性脊髄損傷の症状、治療法は?
- 中心性脊髄損傷の後遺症の等級は?
- 中心性脊髄損傷の後遺症の慰謝料は?
今回は、このような「中心性脊髄損傷の後遺症」にまつわる疑問を弁護士が解説します。
目次
中心性脊髄損傷の後遺症…どんな症状?治療法は?
中心性脊髄損傷とは?原因は?
中心性脊髄損傷とはなに?
中心性脊髄損傷とは、頚髄の中心部分が損傷することです。
脊髄の中心付近に近づくほど、腕(上肢)に関する神経が多くなります。
そのため、頚髄の中心付近を損傷した場合、症状の多くは、両上肢にあらわれます。
中心性脊髄損傷の原因はなに?なりやすい人はいる?
首を過度に後ろに伸展させることで頸椎を損傷(=過伸展損傷)によって、中心性脊髄損傷が発生しやすいといわれています。
とくに、変形性脊椎症や脊椎管狭窄症が認められる中年以降の被害者の場合、中心性脊髄損傷になりやすいといわれています。
脊柱管狭窄症 |
---|
・脊髄が納まっている「脊柱管」の一部が通常よりも狭くなること。 ・神経や血管が圧迫されることで、足の痛み・しびれが生じる。 |
変形性脊椎症 |
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・主に加齢により生じる椎間板や椎体の変化。 ・脊柱管内の神経が、骨棘(こっきょく)により圧迫されることで、腰・背中・下肢に痛みが生じる。 ・必ずしも症状を伴うわけではない。” |
中心性脊髄損傷の症状|腕の痛み?麻痺も?
症状は、主に腕にあらわれる?
中心性脊髄損傷の主な症状は、次のとおりです。
中心性脊髄損傷の症状
- 上肢の運動麻痺
- 上肢の疼痛(とうつう)
- 両手・指のしびれ
タンスの角に、ひじをぶつけたときに感じるようなジンジンする感覚
指の巧緻運動障害
- パジャマのボタンを留めることができない
- お箸で食事ができない
上肢の筋委縮(やせ細る)
このような症状のほか、排尿・排便障害やED障害があらわれることもあります。
ただ、下肢に目立った症状があらわれず、通常歩行が可能な場合が多いようです。
中心性脊髄損傷と気付いてもらえないことも…
中心性脊髄損傷は、症例数が少ないうえ、軽症にみえることから、医師に診断してもらえないケースもあるようです。
中心性脊髄損傷の主な症状は、「むちうち」と似ています。むちうち症と診断されてしまうと、3ヶ月程度で保険会社から治療費打ち切りを言い渡されるリスクもあります。
(逆に、中心性脊髄損傷という診断名が出されても、実質は「むちうち」だったということもあります。)
中心性脊髄損傷が疑わしい場合には、早期にMRIを撮影し、精密な画像診断をうけるなどの方法で立証していく必要があります。
中心性脊髄損傷の検査|反射をみる?MRIは必須?
たたいて反射をみる神経学検査とは?
運動機能および感覚機能(軽い触覚、ピン痛覚/pinprick、位置覚など)を検査し、上肢の不釣り合いな筋力低下がないかを確認します。
神経学的検査の検査結果については、
- 深部腱反射が「亢進」を示す
- 病的反射が「陽性」である
といった場合、中心性脊髄損傷の疑いが濃厚です。
深部腱反射
太い骨格筋につながる腱を筋が弛緩した状態で軽く伸ばしハンマーで叩くと、一瞬遅れて筋が不随意に収縮する反射。
次の部位の反射が「亢進」の場合(=強く反応した場合)、中心性脊髄損傷の疑いがある。
- 上腕二頭筋反射(C5およびC6支配)
- 腕橈骨筋反射(C6支配)
- 上腕三頭筋反射(C7)
- 手指屈筋反射(C8支配)
など
病的反射の種類
ホフマン反射
- 中指(第3指)または薬指(第4指)の爪を上から下に軽くはじく検査。
- 親指(母指)および人差し指(示指)の遠位指節間関節(指の付け根から一番遠い指の関節)が不随意に屈曲すれば陽性。
トムレナー反射
- ホフマン反射と検査方法は類似する。
- トムレナー反射の場合、「指を下から上にはじく」ことで反射を見る。
ワンテンベルグ反射
- 被験者の手のひらを上に向けて、親指が外側に向いた状態にしてから、(ゴム製のハンマーなどで)手のひらを叩く。
- この場合に、手指が屈曲すれば陽性。
MRI検査は頚髄損傷の証明に欠かせない?
脊髄損傷の診断には、画像検査が欠かせません。
もちろん、後遺障害認定の等級獲得においても重要なものです。
従来、救急外来では、まずX線で異常を検査し、必要があればCT検査へ移行するという流れでした。
しかし、外傷による脊髄損傷は発見し難く、より精度の高いCT検査を最初に行ない、さらにMRI検査まで行なうという流れが主流になりつつあります。
画像診断
CT検査
- 脊椎の損傷を把握する。
- 脊髄外傷の最初の画像検査とされることが多い。
MRI検査
- 脊髄損傷の種類、部位の同定に役立つ。
- 脊髄および他の軟部組織の画像検査のなかで、もっとも精度が高い。
- ASIA機能障害スケール等の評価基準によって、機能障害のレベルが診断される。
そのほかの検査について
そのほか、排尿障害が疑われる場合には、排尿検査や尿検査が行なわれます。
中心性脊髄損傷の治療|ネックカラー?リハビリ?
固定・手術
脊髄損傷について一般的にいえることですが、受傷後に脊髄の腫れが拡がるおそれがあります。
また、不用意に損傷部位を動かすと、麻痺の症状が悪化・拡大するおそれもあります。
このような症状の悪化を防ぐには、受傷部位を固定し、受傷後できるだけ早く除圧術(脊髄の圧迫を解除するため身体の切除)等を行なうことが必要です。
脊椎の固定
硬性のネックカラーを使用
手術
- 脊髄・神経根の圧迫を解除するための手術(除圧術)
- 脊椎を安定させるために、金属の棒を埋め込む手術
薬物投与
また、必要に応じて薬物投与も行なわれます。
薬物療法
コルチコステロイド
損傷部位周囲の腫れを抑える薬の投与。
痛み止め(鎮痛薬)
受傷直後はオピオイド、その後は、アセトアミノフェンやイブプロフェンなど。
筋弛緩薬
けい性麻痺がある場合、バクロフェンやチザニジンなど。
リハビリ・心のケア
上記のほか、麻痺の程度に応じて、リハビリが行なわれます。
重症の場合、車いすや装具などを用いることも検討されます。
リハビリステーション
理学療法
- 筋力強化訓練
- 拘縮予防のストレッチ、関節可動域訓練
- 補助器具(装具・歩行器・車いす等)の操作指導
作業療法
- 排尿・排便の技術指導
- 腸管に対する緩下薬の処方
後遺症が残ることで、抑うつ状態になりやすいため、精神的ケアも重要です。
精神的ケア
- カウンセリング
- 抗うつ薬の投与
中心性脊髄損傷の後遺症…後遺障害等級は何級になる?
後遺障害等級の認定とは?
後遺障害等級の認定とは、後遺障害の重さを認定してもらう手続きです。
後遺障害の重さは、1級から14級にわかれており、1級がもっとも重い等級になります。
入通院治療が終了し、症状固定をむかえたら、後遺障害診断書などの必要書類を準備して、損害保険料率算出機構に申請します。
後遺障害認定の申請手続は、被害者請求と事前認定の2通りです。
被害者請求とは、被害者みずからが申請する手続きです。
事前認定とは、被害者が保険会社を通じて申請する手続きです。
被害者請求の場合、より柔軟に認定に資する書類を提出できるので、認定を受ける者にとって有利といえます。
被害者請求のデメリットとして、資料の準備など手間がかかりますが、弁護士などに助言を求めながら進めていきましょう。
被害者請求 | 事前認定 | |
---|---|---|
手続の手間 | かかる | かからない |
有利な医証 の提出 |
できる | できない |
不利な事情 の補足 |
できる | できない |
後遺障害等級認定については、こちらもどうぞ。⇊
後遺障害等級認定の手続に関するページ
後遺障害等級は何級になる?
脊髄損傷の場合、神経症状の程度に応じて、次のような後遺障害等級が認定される可能性があります。
要介護1級1号 |
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常に介護を要するもの |
(例) ・高度の四肢麻痺 ・高度の対麻痺 ・高度の片麻痺(食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要する) ・中等度の四肢麻痺(食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要する) ・中等度の対麻痺(食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要する) |
要介護2級1号 |
随時介護を要するもの |
(例) ・高度の片麻痺 ・中等度の四肢麻痺 ・中等度の対麻痺(食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要する) ・軽度の四肢麻痺(食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要する) |
3級3号 |
終身労務に服することができないもの |
(例) ・軽度の四肢麻痺(2級1号に該当するものは除く) ・中等度の対麻痺(1級1号、2級1号に該当するものは除く) |
5級2号 |
特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
(例) ・高度の単麻痺 ・中等度の片麻痺 ・軽度の四肢麻痺 ・軽度の対麻痺 |
7級4号 |
軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
(例) ・中等度の単麻痺 ・軽度の片麻痺 |
9級10号 |
労務が相当な程度に制限されるもの |
(例) ・軽度の単麻痺 |
12級13号 |
局部に頑固な神経症状を残すもの |
(例) ・軽微な麻痺(運動性、支持性、巧緻性、速度にほとんど支障がない程度) ・運動障害はないが、広範囲にわたる感覚障害がある。 |
後遺障害等級獲得のポイントは?
中心性脊髄損傷で、後遺障害等級を認定してもらうためのポイントは、次のようなものです。
神経症状について、「むちうち」と診断されてしまうことも多いため、ポイントを押さえて申請する必要があります。
中心性脊髄損傷のポイント
①事故の規模・態様
脊髄損傷の結果が生じても、不自然ではない事故といえるか
②症状の一貫性・継続性
- 受傷直後から症状があらわれていたか
- ある程度の通院期間・通院頻度で治療を受けているか
③既往症の有無
脊柱管狭窄など、中心性脊髄損傷に陥りやすい既往症を有しているか
④画像所見の有無
中心性脊髄損傷を認定できる「画像所見」があること
⑤神経学的検査の結果
神経学的検査で「亢進」や「陽性」の結果がでたこと
これらに加えて、さきほども症状のところでお話ししましたが、排尿・排便障害などがある場合、強力な認定材料となり得ます。
かりに画像所見がない場合(④)でも、①~③を十分に主張していけばむちうち(外傷性頚部症候群)と同じように14級9号認定を目指すことができます。
14級9号 |
---|
局部に神経症状を残すもの |
中心性脊髄損傷の後遺症…慰謝料は?後遺障害の示談金
交通事故でもらえる示談金の内訳
治療中の損害について
まず、治療中の損害として、治療費、休業損害、入通院慰謝料などの賠償金がもらえます。
中心脊髄損傷で診察を受けたら、その治療費は「必要かつ相当な範囲」で請求できます。
また、通院や入院で働けなかった場合、その分お給料が減ってしまいます。そのような損害のことを「休業損害」といいます。会社員はもちろんのこと、主婦でも補償を請求できます。その人の属性に応じた計算方法で算定してもらえるのです。
加えて、治療期間に応じた慰謝料も請求することができます。
治療費 |
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交通事故による怪我の治療にかかった費用。 必要かつ相当な範囲内で実費が補償される。 |
休業損害 |
治療中に仕事を休んだために減少した収入に対する補償。 |
入通院慰謝料(傷害慰謝料) |
入通院を余儀なくされた精神的苦痛の慰謝料。 入通院の治療期間に応じて金額が算定される。 |
後遺症に関する損害について
次に、治療終了後の損害として、後遺障害に関する逸失利益、慰謝料などの賠償金がもらえます。
これは、いわゆる「後遺症」についての損害賠償金です。
これらの賠償金については、その後遺症について後遺障害等級が認定された場合にのみ受け取ることができます。
後遺障害逸失利益 |
---|
後遺障害によって稼ぐことができなくなった将来の収入に対する補償。 |
後遺障害慰謝料 |
後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対する慰謝料。 |
その他
そのほか、物損があれば修理費を賠償してもらえます。
被害者の方が亡くなられた場合には、死亡に関する逸失利益、慰謝料などの賠償金がもらえます。
後遺障害が残ったときの慰謝料相場は?
後遺障害慰謝料の相場は?
後遺障害慰謝料は、等級ごとに相場にがあります。
脊髄損傷で認定される可能性のある等級については、次のとおりです。
ここでは、弁護士基準と自賠責基準の相場を整理しました。⇊
等級 | 弁護士基準 | 自賠責基準 |
---|---|---|
要介護1級 | 2,800 | 1,600 |
要介護2級 | 2,370 | 1,163 |
3級 | 1,990 | 829 |
5級 | 1,574 | 599 |
7級 | 1,051 | 409 |
9級 | 616 | 245 |
12級 | 224 | 93 |
14級 | 75 | 32 |
※単位:万円
弁護士基準、自賠責基準とは?
慰謝料の算定基準には、弁護士基準、任意保険基準、自賠責基準の3種類があります。
慰謝料の算定基準
①弁護士基準
- 実際の裁判例をもとにした慰謝料相場
- 3つの算定基準のなかでいちばん高額
②任意保険基準
- 任意保険の保険会社独自の支払基準
- 自賠責基準とほぼ同額か、自賠責基準に少し上乗せした程度
③自賠責基準
自賠責保険の支払基準
自賠責基準と弁護士基準では、見てお分かりのとおり、歴然の差があります。
任意保険の保険会社の支払基準だと、自賠責基準とほぼ同額、少し上乗せされた金額になります。
弁護士基準は、過去の裁判例を参照するものであり、最も高額の慰謝料が期待できます。
裁判になれば弁護士基準による慰謝料を支払わなければならなくなるため、被害者側が弁護士基準による金額を提示することで、示談金の増額交渉の可能性が高まります。
交通事故で適正な慰謝料金額を知りたい方は、アトム法律事務所の無料相談を是非ご活用ください。
後遺障害が残ったときの逸失利益とは?
逸失利益は働けないときの補償?
「両手の麻痺が原因で、思うように働けなくなってしまった…。」
このように、今までどおりに働けなくなり、本来ならば得られたであろう収入が得られなくなった損害についても、賠償請求は可能です。
このような損害のことを「逸失利益」といいます。
- 以前の労働能力を100%とした場合に、現在の労働能力は何%なのか(労働能力喪失率)
- 後遺障害によって思うように働けない期間は、何年間なのか(労働能力喪失期間)
- 将来受け取るはずだった収入を、現在受けとれる利益はどのくらいあるのか(中間利息控除)
というような視点で、逸失利益は計算されます。⇊
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数 |
---|
基礎収入 | 被害者に後遺障害がなければ 将来的に得るはずであった年収 |
---|---|
労働能力 喪失率 |
後遺障害によって 年収を低下させる割合 |
労働能力 喪失期間 |
後遺障害によって 年収が低下する期間 |
ライプニッツ係数 | 逸失利益を一括で受け取るにあたって 現在価値に修正するための係数 |
労働能力喪失率は?等級ごとに決まっている?
後遺障害等級ごとの労働能力喪失率は、次のとおりです。⇊
第1級 | 第2級 | 第3級 | 第4級 |
---|---|---|---|
100% | 100% | 100% | 92% |
第5級 | 第6級 | 第7級 | 第8級 |
79% | 67% | 56% | 45% |
第9級 | 第10級 | 第11級 | 第12級 |
35% | 27% | 20% | 14% |
第13級 | 第14級 | ||
9% | 5% |
※要介護第1級・要介護第2級の労働能力喪失率は、いずれも100%。
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中心性脊髄損傷の後遺症(後遺障害)…交通事故に詳しい弁護士まで
弁護士から最後にひとことアドバイス
中心性脊髄損傷の後遺症について、後遺障害等級認定のカギとなるのは、MRI画像などの客観的な検査結果です。
排尿・排便障害などをともなう場合、重い等級を認定してもらえる可能性が非常に高いです。
画像診断で結果がでない場合でも、事故状況や通院状況、神経学的検査の結果によっては14級を狙うこともできます。
また、後遺障害等級認定には、後遺障害診断書の作成は必須です。
後遺障害診断書は、ポイントを押さえて作成してもらう必要があります。
医師は治療のプロですが、書類作成のプロとはいいがたい面があります。
後遺障害認定のポイントについては、交通事故に詳しいアトム法律事務所の弁護士に是非一度おたずねください。
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お問い合わせ・相談ご予約の受付時間は・・・
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お電話・メール・LINEにて、お気軽にお問い合わせください。
今後の示談交渉や、後遺障害等級認定の流れなど、ご不明点があればお気軽にご相談ください。
早期にご不安を解消していただくことが、適切な示談金を獲得する近道です。
弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
(第二東京弁護士会)
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。
中心性脊髄損傷の後遺症についてのQ&A
中心性脊髄損傷ってどんな傷病?
中心性脊髄損傷とは、頚髄の中心が損傷することをいいます。症状は主に腕にあらわれることが多く、上肢の運動麻痺や両手・指のしびれなどがみられます。その他、排尿・排便障害やED障害があらわれることもあります。 中心性脊髄損傷の解説
中心性脊髄損傷の治療法は?
治療法としては、手術や脊髄の固定などがあげられます。脊髄損傷は、受傷後に脊髄の腫れが拡がるおそれがあります。そして、不用意に損傷部分を動かすと麻痺の症状が悪化・拡大するおそれもあります。このような症状の悪化を防ぐために、できるだけ早く治療を行うことが大切です。また、必要に応じて薬物療法やリハビリ、心のケアも行われます。 中心性脊髄損傷の治療法とは?
中心性脊髄損傷の後遺障害等級は?
中心性脊髄損傷により麻痺が後遺障害として残った場合は、後遺障害等級12357912号に該当する可能性があります。どの等級が該当するかは、麻痺の程度や部位によって決まります。等級が認定されるためには、①事故の規模・態様②症状の一貫性・継続性③既往症の有無④画像所見の有無⑤神経学的検査の結果などがポイントとなります。 中心性脊髄損傷の後遺障害等級とポイント