作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故

腰椎捻挫の治療期間が終わったら|慰謝料相場や等級認定を徹底解説!

交通事故での腰のけがとは?
  • 交通事故による腰椎捻挫の症状は?
  • 交通事故で腰椎を捻挫した場合の慰謝料は?
  • 腰椎捻挫が後遺症として認められるには?

交通事故の腰椎捻挫に関わる、このような疑問を解説していきます。

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腰椎捻挫など腰のけが6種類と慰謝料を解説

腰椎捻挫だけではない?腰のけが6種類

交通事故による腰のけがには、以下のものがあります。

腰のけが
  • 腰椎捻挫(むちうち)
  • 腰部ヘルニア
  • 脊柱変形
  • 腰椎すべり症
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 骨盤骨折

これらのけがの詳細、症状は以下の通りです。

腰椎捻挫(むちうち)
原因腰椎の周囲にある筋肉に負担がかかったことによる損傷
症状・腰痛
・下肢の痛み、しびれ
椎間板ヘルニア
原因首や腰に力がかかり、椎間板が変形したことによる神経圧迫
症状・腰やお尻、足のしびれ、痛み
・排尿障害 等
脊柱変形
原因背骨を構成する椎体骨に縦方向の圧力がかかることによる
症状・腰痛
・足のしびれ、痛み
・臀部痛
・大腿骨前部の痛み 等
腰椎すべり症
原因ブロック状に積み重ねられている椎体が前後にすべる
症状・腰痛
・坐骨神経痛
・下半身の痛み、しびれ
・間欠性跛行* 等

*一定距離を歩くと痛みや痺れを感じ、かがむと楽になること

腰部脊柱管狭窄症
原因脊髄の神経が通る脊柱が狭くなることによる神経圧迫
症状・腰痛
・下肢の痛み、しびれ
・冷感
・排尿障害 等
骨盤骨折
原因交通事故による衝撃
症状・強い痛み
・下肢の長さの変化
・骨盤内の血管、臓器の損傷
・上記に伴う出血 等

腰痛捻挫の慰謝料2種類とは?

交通事故で腰をけがした場合、受け取れる慰謝料には以下のものがあります。

慰謝料
  • 入通院慰謝料(傷害慰謝料)
    交通事故による入通院で受けた精神的苦痛に対する補償。
    入院日数と通院期間の日数から算出する。
  • 後遺障害慰謝料
    交通事故による後遺障害のために今後も受け続ける精神的苦痛に対する補償。
    腰のけがに対し後遺障害等級が認定された場合に受け取ることができる。
    金額は等級ごとに基準が決まっている。

上記の慰謝料を含めた交通事故の損害賠償金は、以下の計算機から確認することができます。
こちらの計算機で確認できるのは、示談交渉で被害者が弁護士を立てた場合に加害者側に提示する金額(弁護士基準)です。

慰謝料の計算方法には弁護士基準の他、

自賠責保険基準
加害者側自賠責保険による最低限の補償金額

任意保険基準
示談交渉の際に加害者側が提示してくる金額

もあります。

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腰痛捻挫の入通院慰謝料は治療日数に要注意!

入通院慰謝料は入院日数と通院期間の日数をもとに算出します。上でご紹介した慰謝料計算機でも、入通院期間の日数を記入するようになっています。

この入通院期間ですが、カウントする際や実際の入通院の際にいくつか注意すべき点がありあます。

入通院慰謝料と治療期間
  • 通院期間の長さ通院頻度によっては入通院慰謝料が減額されることも
  • 入院していなくても入院日数に数えられる場合がある
  • 通院日数を実際より多く数えることがある

入通院日数の数え方について把握しないままだと、慰謝料が減額されたり、増額できることに気づかず慰謝料を計算したりしてしまう可能性もあります。

一見簡単に計算できるように見える入通院慰謝料ですが、一度弁護士に計算してもらうことがお勧めです。

入通院日数の数え方についての詳細は、以下の記事をご覧ください。

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腰椎捻挫で後遺障害等級を受ける方法

腰椎捻挫の等級認定のポイント

後遺障害慰謝料を得るためには、後遺障害等級認定に申請し、等級認定を受けることが必要です。
その際のポイントは、以下の通りです。

ポイント
  • 後遺障害の存在や程度が正確に確実に伝わる書類を作成する
  • 後遺障害の存在を証明する検査を受け、その結果を添付する
  • その他追加資料を用いてより正確に、確実に症状に関する情報を伝える
  • 事前認定よりも被害者申請の方が追加資料を添付しやすい

後遺障害等級認定では、提出資料が非常に重要になります。

後遺障害等級認定の審査は、基本的に書面のみから行われるからです。提出した資料の内容次第では、等級が認定されなかったり、低い等級になったりする可能性もあるのです。

提出資料の作成ポイントに関するより詳細な情報は以下の記事をご覧ください。

後遺障害等級認定の申請方法も、重要なポイントの一つです。
申請方法には、事前認定被害者請求があります。

事前認定の流れ
被害者請求の流れ

事前認定の方が被害者自身で準備する資料は少ないため手間はかかりません。しかし、追加資料を添付しにくく、必要最低限の資料を審査機関に提出することになりがちです。

被害者請求は追加資料を添付しやすいですが、必要資料をすべて被害者がそろえる必要があります。
手間がかかかるというデメリットはありますが、弁護士に依頼することで資料集めを代わりにしてもらえます。

つまり、手間をかけず、なおかつ追加資料を添付するには、弁護士のサポートのもと被害者請求することがベストだということです。

事前認定と被害者請求
手間追加資料の追加
事前認定かからない
被害者請求かかる
被害者請求
(弁護士サポート有)
かからない

元々ある腰痛がある場合、等級認定される?

元々腰痛持ちだった人が交通事故に遭い、腰痛が悪化したという場合の後遺障害等級認定、後遺傷害慰謝料については、以下のポイントがあります。

ポイント
  • 交通事故前後で痛みや生活への影響がどう変わったかを伝えることで等級認定される可能性もある
  • 後遺障害等級が認定されても、元々腰痛があった場合には慰謝料が減額される場合がある

元々あった腰痛が交通事故で悪化した場合には、交通事故前後の変化を後遺障害診断書等に記載しましょう。そうすることで、等級が認定される可能性があります。

事故前に腰痛の検査で撮ったレントゲン写真診断書などがあれば、それを活用して事故前後での変化を証明することもできます。

なお、元々持っていた腰痛が交通事故で悪化して後遺障害等級が認定された場合には、

「腰痛自体は元々あった」ということが後遺障害慰謝料の減額事由になることもある

ため、注意が必要です。

ただし、それも、元々の腰痛の程度等により本当に減額されるか、どれくらい減額されるかは変わってくるため、弁護士に相談してみることをお勧めします。

MRIに写らない腰の痛み…等級認定されるには

後遺障害等級認定の審査は基本的に書面のみから行われるため、書類で後遺障害の存在や程度を伝えることが重要だということは、上で解説した通りです。

後遺障害の存在を証明する一番の方法は、MRI画像レントゲン写真ですが、むち打ちなどの場合、骨には損傷がないためこうした画像や写真には写りません。そのような場合には、神経学的所見を示すことが重要です。

神経学的所見

神経の異常が反応や結果に影響を与える検査を行い、それに対する結果や医師などの見解を記載したもの。

つまり神経学的所見による後遺障害の存在の証明とは、

神経に異常がなければ出ないような反応や結果が出ている、したがって後遺障害がある

とする方法だということです。

神経学的所見を示すための検査やその他のポイントについては以下の記事をご覧ください。

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腰椎捻挫で慰謝料請求する場合のポイント

腰のけがと交通事故慰謝料の注意点

交通事故による腰のけがで慰謝料計算する場合の注意点は、以下の通りです。

注意点
  • 通院期間の長さや頻度次第では慰謝料減額もある
  • 通院中の事情次第では慰謝料増額もある
  • 後遺障害等級認定では提出書類が重要
  • 元々腰痛持ちの場合は後遺障害慰謝料が減額される場合もある

ここまで解説してきた内容や上にまとめた注意点から見ても、交通事故の慰謝料は機械的には計算できないことが分かります。

本記事冒頭でご紹介した慰謝料計算機による計算も、あくまで目安です。正確にはいくらの金額を請求できるのか、減額を防ぐためにできることはあるかなどについては、弁護士に相談することをお勧めします。

交通事故の慰謝料金額は交渉次第?

増額交渉(弁護士なし)

交通事故で実際にいくらの慰謝料をもらえるかは、示談交渉で決まります。被害者側でこれくらいの金額がもらえるはず、と計算していても、交渉で相手のペースに乗せられると、しれよりも低い金額しか受け取れないこともあるのです。

さらに、示談交渉の相手となることが多い加害者側任意保険会社は、弁護士の主張でないと聞き入れないという姿勢であることも多いです。示談交渉でも被害者側の求める金額をしっかりと主張し、妥当な金額で合意するためには、示談交渉を弁護士に代行してもらうことが非常に重要です。

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腰のけがに関するQ&A

交通事故による腰のけがには何がある?

交通事故により発生する可能性のある腰のけがには、①腰部ヘルニア②脊柱変形③腰椎すべり症④腰部脊柱管狭窄症⑤腰椎捻挫(むちうち)⑥骨盤骨折などがあります。これらのけがをすると、入通院慰謝料を請求できます。また、後遺症が残った場合には、後遺障害慰謝料を請求することもできます。 腰のけがと慰謝料の種類の解説

治療期間は慰謝料に影響する?

治療期間や入院日数は、入通院慰謝料の金額に影響します。入通院慰謝料の金額は、入通院期間に応じて決まるからです。ただし、単純に入通院期間を用いて金額が決まるというのではなく、入通院期間の長さや通院頻度によっては慰謝料が減額される場合がある、入院していなくても入院日数に数えられる場合があるなどの例外もあります。 治療期間と入通院慰謝料の関係

腰のけがに対して後遺障害等級が認定されるには?

腰のけがに対して後遺障害等級が認められるには、後遺障害等級認定で提出する資料の内容や種類が重要になります。後遺障害等級認定の審査は、基本的に提出された資料のみを見て行われるからです。後遺症の症状や程度を正確に伝えられるよう、工夫する必要があります。 等級認定の流れとポイント

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