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「評価損」が認められれば、そうした損害を補償してもらえるかもしれません。
今回は、交通事故の評価損を中心に、
交通事故の物損部分に関わる損害賠償
について解説していきます。
目次
交通事故による評価損とは、以下の通りです。
交通事故に遭い、
→車の価値が下がる
これを評価損という。
評価損を加害者側に請求することは可能です。
しかし、加害者側の保険会社によっては
という場合もあり、裁判となることが多いです。
裁判になれば評価損は認められることが多いです。
しかし、以下の場合は、評価損が認められにくいです。
内容 | |
---|---|
初度登録からの期間 | 外車・国産人気車種 5年以上 国産車 3年以上 |
走行距離 | 外車・国産人気車種 6万㎞以上 国産車 4万㎞以上 |
損傷部位 | 下記参照 |
車種 | 国産大衆車 原付 |
表中の損傷部位についてです。
下記の部分に損傷があり修理すると、㈳日本自動車査定協会では修復歴が付きます。
しかし、下記以外の、車両の骨格部分以外の損傷は
修復歴とされない
ため、評価損は認められにくくなります。
ではここで、評価損に関する判例をご紹介します。
日産・GTRプレミアムエディション(国産限定スポーツカー、初度登録後3ヵ月、走行距離945㎞、新車購入価格834万円余)につき、リアフェンダーを修理した後もトランク開口部とリアフェンダーの繋ぎ目のシーリング材の形状に差があるなど、事故前と同じ状態には戻らなかったとして、リアバンパーの損傷等の修理費の50%相当の70万7739円の評価損を認めた
(東京地判平23.11.25 自保ジ1864・165)
引用元:『損害賠償額算定基準 2016』(日弁連交通事故相談センター東京支部)223ページ
トヨタ・レクサスLSセダンUSF40(初度登録後約5カ月、走行距離約9099㎞)につき、骨格部位に損傷が波及していたことなどを考慮し、修理費の40%である40万8525円の評価損を認めた
(大阪地判平24.10.16 交民45・5・1261)
引用元:『損害賠償額算定基準 2016』(日弁連交通事故相談センター東京支部)223ページ
車が事故で受傷したのに修理しない場合には2種類あります。
です。
それぞれについて、評価損が認められるのか見ていきましょう。
修理せずに車を買い替える場合は、
買い替える必要性
が認められると補償を受けられます。
ただしそれは、評価損とは別のものになります。
事故に遭い車を買い替える必要があると認められると、
事故時の時価相当額-売却代金
が支払われます。
これを買い替え差額といいます。
被害者が車を買い替える必要性を感じても、それが客観的にも認められなければ、
買い替え差額は認められません。
以下は、買い替えの必要性が否定された判例です。
価格772万円余の新車ベンツが引き渡しの20分後に追突された場合(略)引き渡し直後だったことは、新車の買い替えを肯認すべき特段の事情とまではいえないとして、新車の買替を前提とした車両損害の請求は認めず、修理費339万円余をもって車両損害とすべきであるとした
(東京地判平12.3.29 交民33・2・633)
引用元:『損害賠償額算定基準 2016』(日弁連交通事故相談センター東京支部)217ページ
買い替えが認められた場合には、買い替え差額の他
買い替えに必要になった登録関連費も支払われます。
交通事故で受傷した車を修理しないで乗り続ける場合、
評価損は認められません。
評価損が認められるのは、
です。
上記を見てもわかるように、評価損は、
修理することを前提としている
ため、修理できない又は修理費が時価を上回る全損の場合評価損は認められません。
交通事故の物損部分に関して請求できる賠償金は、
事故に遭った車の状態
によって変わります。
まず、修理可能な損傷の場合です。
内容 | |
---|---|
修理費 | 修理費がそのまま損害額に |
評価損 | 修理費の10~30%であることが多い |
代車費用 | 修理中の代車費用 |
休車費用 | 車を修理に出すことで生じた業務上の損害 |
積載物の損害 | ペットも含まれる |
代車費用については、
代車を借りずに公共交通機関を利用
した場合にはその交通費を請求できます。
車の損傷状態によっては、
である場合もあります。
そうした場合には、
事故当時の車の価格+買替諸費
を請求することが可能
です。
厳密には買替諸費用も請求することができます。
なお、車の状態によっては車両やそのパーツを売却できない場合もあります。
その場合、売却額は0円なので
事故当時の車の価格+買替諸費用
が車両に関する損害賠償金になります。
修理可能な損傷
→物損に伴う損害を請求
経済的全損・物理的全損
→事故当時の車の価格-売却額を請求
においても、人身部分の損害賠償と同じように過失割合が適用されます。
過失割合のポイントは2点あります。
① 過失割合とは、事故が起きた原因が
被害者と加害者それぞれにどれだけあるか
を示したものである
② 過失割合は損害賠償額に反映される
=過失相殺
過失割合の決め方・交渉についてはこちら
ではここで、物損事故における過失割合と損害賠償の事例をご紹介します。
(福岡支部平成27年9月7日裁定・福審第1156号)
事故内容 |
---|
・信号機のない交差点に向かって申立人と相手方の車が直進。 ・交差点内で衝突、双方の車両が損傷。 |
請求額 |
(1)相手方への請求額 20万3047円 (2)申立人側への請求額 45万1950円 |
過失割合 |
---|
申立人側:相手側=20:80 |
過失相殺の結果 |
(1)相手方の申立人側への支払額 20万3047円×(1‐0.2)⁼16万2438円 (2)申立人側の相手方への支払額 45万1950円×(1‐0.8)⁼9万390円 |
交通事故によって車が損傷すると、修理費が必要です。
しかし、この修理費は必ずしもすぐに、十分に受け取れるとは限りません。
物損に関する賠償金は、人身に関するものと違い自賠責保険の対象外です。
そのため、加害者が任意保険未加入だと、すぐに賠償金をもらえない可能性があります。
また、過失相殺によって受け取れる金額が不十分な額になる可能性もあります。
加害者側の車も損傷した場合、車の修理費を請求するだけでなく、
被害者も加害者から修理費を請求される
ことがあります。
そうしたことを考えても、すぐに、十分な金額を受け取ることは重要です。
物損部分の賠償金は、
→すぐに十分な金額を受け取ることが大切
物損部分に関する賠償金で困ったとき、被害者が加入する保険を利用することもできます。
内容 | |
---|---|
対物賠償保険 | 他人の物損に対する補償をする保険 |
車両保険 | 自分の物損に対する補償をする保険 |
上記の保険を使うことで、すぐに十分な金額を受け取れなくても安心です。
人身部分に関する賠償請求だけでなく、
物損部分に関する賠償請求
についても、弁護士に相談することをお勧めします。
その理由として、以下のことがあげられます。
→過失割合など
物損部分の賠償請求は、
ただ修理費などの実費を請求するだけ
と思いがちですが、違います。
過失割合が請求額に影響したり、
加害者側から損害請求を受けたりします。
ということを考えると、
弁護士に相談して対応してもらう
ことの重要性がよくわかります。
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野尻大輔
事故に遭ったことで車の評価が下がることによる損害ということです。
評価損は、
と呼ばれることもあります。