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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
交通事故は、加害者だけの過失(不注意)で発生する場合だけとはかぎりません。加害者と被害者の双方に過失がある場合も多くあります。
過失について、それぞれどのような責任を負うことになるのでしょうか。
目次
交通事故の「加害者」には、負うべき3つの責任があります。
ひとつずつみていきたいと思います。
過失によって交通事故を起こし、人に傷害を負わせたり死亡させた場合、刑事上の責任が発生します。刑事罰を受けることで刑事上の責任を果たすことになります。
交通事故に関する代表的な刑罰を紹介します。
刑罰 | |
---|---|
過失運転致死傷 | 7年以下の懲役 7年以下の禁錮 100万円以下の罰金 |
危険運転致傷 | 15年以下の懲役 |
危険運転致死 | 1年以上の有期懲役 |
危険運転致傷※ | 12年以下の懲役 |
危険運転致死※ | 15年以下の懲役 |
※アルコール・薬物の影響
刑罰 | |
---|---|
救護義務違反※ | 10年以下の懲役 100万円以下の罰金 |
報告義務違反 | 3月以下の懲役 5万円以下の罰金 |
※人の死傷が当該運転者の運転に起因する場合
社会の法秩序の維持のために、交通事故ではこのような懲役・罰金などの刑罰が科されます。
過失によって交通事故を起こし、人に傷害を負わせたり死亡させた場合、行政上の責任が発生します。運転免許の違反点数の加算や反則金の支払いなどで行政上の責任を果たすことになります。
交通事故に関する違反点数の一部を紹介します。
責任の程度 | |||
---|---|---|---|
重 | 軽 | ||
過失による死亡事故 | 20点 | 13点 | |
重傷事故 | 治療期間 3月以上 |
13点 | 9点 |
治療期間 30日以上3月未満 |
9点 | 6点 | |
軽傷事故 | 治療期間 15日以上30日未満 |
6点 | 4点 |
治療期間 15日未満 |
3点 | 2点 |
過去3年間の累積点数が一定基準に達すると、
といった行政処分がおこなわれることになります。
過失によって交通事故を起こし、人に傷害を負わせたり死亡させた場合、民事上の責任が発生します。被害者に与えた損害に対して損害賠償を支払うことで民事上の責任を果たすことになります。
交通事故に関する損害賠償の内訳を紹介します。
このような損害を賠償することで民事上の責任を果たしていきます。
交通事故の「被害者」でも何かしらの過失(不注意)がある場合、民事上の責任を負わなければならない可能性があります。
事故の相手方である加害者が怪我をしたりしているなどの損害がある場合、被害者に過失が少しでもあれば民事上の責任が発生します。
過失割合に応じて、損害賠償責任を負う
つづいては、民事上の責任である損害賠償に影響する過失割合(責任割合)について解説していきます。
交通事故では、事故の当事者双方に何らかの過失(不注意)があるケースが多いです。加害者が10対0の割合で責任を負うとはかぎりません。
そこで、「過失割合(責任割合)」という考え方がポイントになってきます。過失割合は、交通事故で負うべき責任のうち「民事上の責任」と大きくかかわってきます。
どのくらいの割合で不注意の程度があったのか示したもの
事故の当事者双方に不注意の程度がどのくらいで、どのくらいの責任を果たすべきなのかを数値化したものが過失割合(責任割合)です。
「10対0、100対0、10:0、100:0」
「8対2、80対20、8:2、80:20」
「6対4、60対40、6:4、60:40」
などといった具合に表され、過失割合に対応した損害賠償責任を負うことになります。
自分の過失分の責任は、自ら責任を負わなければなりません。
過失割合について詳しくはこちら
過失割合(責任割合)は、過去におこなわれた裁判例を参考にして作成された基準があります。この基準は書籍としてまとめられています。
「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」
(通称:赤い本)
「別冊判例タイムズ38号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準〔全訂5版〕」
(通称:判例タイムズ)
このような基準にもとづいて、過失割合は決められることになります。
ここで実際にあった事例を見てみたいと思います。
責任を負うということが分かりやすいように、「10対0の交通事故」と「9対1の交通事故」を比較しながら見ていきます。
過失割合が10対0となる交通事故の代表的な事故類型は、後ろから追突するような事故です。
信号待ちなどの駐停車中に後ろから追突されるような事故は、過失割合が10対0になることが多くなっています。
加害者に対して、被害者が受けた損害の100%を請求できる
被害者に過失がないのであれば、被害者が被った損害のすべてを加害者が賠償することになります。
交通事故によって100万円の損害を被った場合は、加害者側に100万円を請求することができます。加害者側にも100万円の損害があった場合は、加害者の損害は全額自己負担することになります。
A | B | |
---|---|---|
過失割合 | 0 | 10 |
損害額 | 100万円 | 100万円 |
請求可能額 | 100万円 | – |
自己負担額 | – | 100万円 |
過失割合が9対1となる交通事故の代表的な事故類型は、一方が優先道路を走行中の車と交差点で衝突したような事故です。
他にも、直進車に対して道路外の駐車場などに入ろうとした右折車と衝突した事故なども、9対1の事故類型に分類されます。
9対1の過失割合分に応じて、お互いの損害に対してお互いが責任を負うことになります。
交通事故によって100万円の損害を被った場合は、加害者側に90万円を請求することができます。加害者側にも100万円の損害があった場合は、加害者側に10万円を支払う必要があります。
A | B | |
---|---|---|
過失割合 | 1 | 9 |
損害額 | 100万円 | 100万円 |
請求可能額 | 90万円 | 10万円 |
自己負担額 | 10万円 | 90万円 |
過失割合の判例について詳しくはこちら
交通事故で発生した損害賠償の責任を負う可能性のある人は、事故を実際に起こした当事者だけとはかぎりません。
たとえば、車の運転者が勤務中・業務中に事故を起こした場合などは運転者が勤める会社の使用者が責任を負う可能性があります。
法的根拠を確認しておきたいと思います。こちらをご覧ください。
(使用者等の責任)
ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。引用元:民法 第715条 第1項
加害者の使用者は、「損害賠償責任を負う」とあります。
などの事業主は、雇用者が業務中に起こした交通事故の損害賠償責任を負う可能性があります。このような場合、運転者と使用者が賠償責任者となります。
もっとも、これは賠償金を二重取りできるという意味ではありません。
請求の選択肢としては、
いずれかをすることになります。
過失割合が10対0にならなければ、最終的に受け取る損害賠償の金額に影響することになります。ご自身の過失割合の程度によっては、損害賠償が減額されてしまうことになります。
「過失割合が9対1だと保険会社に言われたけど争いたい」
「提示された損害賠償の金額に納得いかない」
このようなお悩みがある方は、弁護士に相談するようにしていただきたいです。
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