作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故労災

【交通事故】労災保険と自賠責・任意保険の併用|金額はどうなる?メリットは?

労災と自動車保険を併用すると?
本記事のポイント
  • 労災保険と自動車保険(自賠責・任意保険)の併用は可能
  • 労災保険と自動車保険で重複する項目は金額調整が行われる
  • 労災保険と自動車保険を併用すると、受け取れる項目が増える

通勤中・勤務中に交通事故に遭うと、労災保険と加害者側の自動車保険双方からお金を受け取っていいのだろうか?と思う方もいらっしゃいます。
結論から言うと、労災保険と自動車保険の併用は可能であり、メリットもあります。
労災保険と自動車保険を併用した場合、受け取れる金額はどうなるのか、どのようなメリットがあるのかについて、解説していきます。

  • 労災保険と自動車保険を併用するメリットは?
  • 労災保険と自動車保険を併用すると受け取れる金額はどうなる?


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労災と自動車保険の併用は可能?

労災と自動車保険の併用は可能

通常交通事故に遭うと、加害者側と示談交渉をし、そこで決まった賠償金額を加害者の加入する自動車保険から受け取ります。
そしてこの事故が通勤中・勤務中に起こったものである場合は、これに加えて労災保険から補償金を受け取ることもできます。

ただし、労災保険と自動車保険で重複する支払項目については金額調整が行われ、二重取りができないようになっているため注意が必要です。

では、労災保険と自動車保険ではどのような項目が重複しているのか、その金額調整はどのように行われるのかについて解説していきます。

併用した場合の重複項目の金額調整

労災保険と自動車保険で重複する項目は、以下の通りです。
項目名は異なりますが、何に対する補償であるかという点で重複しています。

自賠責・任意保険との共通項目
労災自賠責・任意保険
療養給付治療費
休業補償給付
傷病補償年金
休業損害
障害補償給付後遺障害逸失利益
遺族補償給付死亡逸失利益
葬祭料葬儀費

これらの項目は、何に対しての補償であるかという点では重複していますが、金額は異なります。
労災と自動車保険双方から補償を受ける時には、二重取りにならないように金額の調整が行われます。
その方法を具体的に、障害補償給付/後遺障害逸失利益を例に見てみましょう。

金額調整の例

▽労災保険による障害補償給付:54万円
▽加害者側自動車保険からの後遺障害逸失利益:75万円
▽両者の差額:21万円
この場合、双方から満額ずつ受け取ると、54万円を二重取りすることになる。
そのため、以下のように金額調整が行われる。
▼労災保険から先に54万円受け取っていた
→自動車保険から差額分の21万円を受け取れる
▼自動車保険から先に75万円受け取った
→労災保険から追加の金額は受け取れない

上記の例からもわかる通り、金額調整した結果、労災と自動車保険のうち高い方の金額を受け取れるということが分かります。

併用した場合の重複しない項目の金額

労災保険と自動車保険で重複しない項目については、それぞれに対し通常通り請求が可能です。

ポイント

労災保険と自動車保険の併用

・重複項目

高い方の金額を採用して二重取りの無いように受け取れる

・重複しない項目

労災保険、自動車保険それぞれに通常通り請求が可能

労災保険と自動車保険の併用手続きは?

併用する場合でも、手続きは併用しない場合と同じです。
自動車保険への請求は加害者側との示談交渉を経て行いますし、労災への請求は必要資料を労働基準監督署に提出して行います。
どちらに先に請求しても構いませんが、金額調整の円滑化を考えると、先に自動車保険への請求を行うことが望ましいとされています。

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労災と自動車保険両方使うメリットは?

労災保険と自動車保険両方を使うメリットは、以下の通りです。

メリット

①重複項目の金額におけるメリット
過失相殺による減額をカバーできる可能性がある
②受け取れる項目数におけるメリット
自動車保険だけでは受けられない補償、労災保険だけでは受けられない補償を受けられる

①重複項目におけるメリット

労災と自動車保険の重複項目においては、①のメリットが発生することがあります。
自動車保険からの賠償金には過失割合が適用され、その結果賠償金額が大幅に減ってしまう可能性があります。
しかしこの過失割合は、労災保険の補償額には適用されないため、過失割合によって減額された部分を労災保険で補える場合があるのです。
具体的な数字で見てみましょう。
過失割合が50:50になった場合を考えます。

重複項目の金額
自動車保険労災保険
過失相殺前100万円70万円
過失相殺後50万円70万円

この場合、自動車保険しか利用していなかったら重複項目は50万円しか受け取れません。
しかし、労災保険も利用していれば、金額の高い労災保険の金額を採用して金額調整が行われます。
したがって70万円を受け取ることができるのです。

②受け取れる項目数におけるメリット

労災保険と自動車保険を併用する場合、重複しない項目はそれぞれ通常通り請求できます。

つまり、以下表を参考に言うと、

  • 自動車保険のみ利用→①②のみ受け取れる
  • 労災保険のみ利用→②③のみ受け取れる
  • 労災保険と自動車保険を併用→①②③をうけとれる

ということになるのです。

併用した際に受け取れる項目
自動車保険のみの項目
重複する項目
労災保険のみの項目

重複する項目は上で解説したように、損の内容に金額調整が行われます。
したがって、どちらか一方のみから補償を受ける場合よりも、併用した場合の方が受け取れる金額の総額も増えるということです。

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交通事故|労災保険は弁護士に相談

交通事故で労災を使いたいという場合は、ぜひ弁護士にご相談ください。
労災への手続きや加害者側との示談といった複雑な手続きの負担を軽減することができます。

また、労災からの補償金額は労働基準監督署が決めるため変えることはできませんが、自動車保険に請求する金額は、示談交渉によって増額させることができます。

アトム法律事務所では、24時間365日、LINE・電話無料相談を随時予約を受け付けています。
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弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。