弁護士無料相談をご利用ください
相談依頼は今すぐ!
3人の弁護士がこの記事に回答しています
通勤中・勤務中の交通事故については、労災保険からの補償を受けることができます。
交通事故における労災保険についての疑問にお答えしていきます。
目次
通勤中・勤務中に交通事故に遭うと、労災保険からの補償を受けられます。
通勤中・勤務中以外の交通事故の場合は、加害者側自賠責保険・任意保険から損害賠償が支払われます。
両者の補償項目のうち、共通しているものは以下の通りです。
労災 | 自賠責・任意保険 |
---|---|
療養給付 | 治療費 |
休業補償給付 傷病補償年金 |
休業損害 |
障害補償給付 | 後遺障害逸失利益 |
遺族補償給付 | 死亡逸失利益 |
葬祭料 | 葬儀費 |
労災保険や自賠責・任意保険による補償金の計算方法はこちら
労災保険を利用すると受けられる、労災保険独自の補償項目は以下の通りです。
これらの補償は、労災福祉の観点から支給されるものです。
そのため、自賠責保険や任意保険には請求できないのです。
労災に交通事故による補償を申請するためには、各種書類を労働基準監督署に提出する必要があります。
それぞれの補償を受けるために必要な書類は以下の通りです。
補償項目 | 提出書類 |
---|---|
療養補償給付 | 療養補償給付たる療養の給付請求書 |
休業補償給付 | 休業補償給付支給請求書 |
傷病補償年金 傷病特別年金/一時金 |
傷病の状態等に関する届 |
障害補償給付 障害特別支給金 障害特別年金/一時金 |
障害補償給付支給請求書 診断書 添付資料 |
遺族補償給付 | 遺族補償年金支給請求書 |
葬祭料 | 葬祭料請求書 |
労災への補償金の請求で少し複雑なのは、傷病補償年金、傷病特別年金/一時金と障害補償給付です。
これらについて詳しく解説します。
傷病の状態等に関する届は、けがの療養開始後1年6ヵ月のタイミングで提出します。
ただし、その時のけがの状態によって、受けられる保証の内容が変わります。
→休業補償給付の代わりに傷病補償年金・傷病特別年金/一時金の支給開始
→引き続き休業補償給付の支給。傷病補償年金・傷病特別年金/一時金は支給されない
パターン①にあたるか②にあたるかは、提出された傷病の状態等に関する届を見て、労働基準監督署が判断します。
また、パターン②になった場合には、毎年1月分の休業補償給付を請求する際に傷病の状態等に関する届を提出します。
障害補償給付を受けるためには、労働基準監督署から、後遺障害等級が認定されなければなりません。
等級を認定してもらうために、障害補償給付支給請求書の他、
が必要になるのです。
労災における後遺障害等級認定では、面接も行われます。
結果が出るまでには3か月ほどかかるといわれています。
後遺障害等級が認められると、労災から
支給決定通知
というはがきが届きます。
これは支払振込通知も兼ねており、これが発送される頃に、認定された等級に応じた支給金が振り込まれます。
後遺障害等級に認定されなかった場合には、不支給決定通知が届きます。
交通事故に遭い、加害者側の自賠責保険や任意保険に損害賠償を請求する場合、その内訳は上の図のようになります。
しかし、労災の場合には慰謝料、つまり入通院慰謝料や後遺障害慰謝料は含まれません。
また、死亡事故の場合にも、自賠責・任意保険には請求できる死亡慰謝料を労災に請求することはできません。
そのほか、物損に関する補償も、労災保険では受け取ることはできません。
労災保険でのみ受け取れる補償
→労災福祉として支給される補償金
労災保険では受け取れない補償
→各種慰謝料、物損に関する補償
慰謝料を受け取りたい場合には、別途加害者側自賠責・任意保険会社に請求する必要があります。
通勤中・勤務中に交通事故に遭った場合、
労災保険と加害者側の自動車保険(自賠責・任意保険)
双方に補償金や賠償金を請求することは可能です。
ただし、重複する項目の二重取りはできません。
前項で紹介したように、労災保険と自動車保険では、重複する補償項目があります。
それらについては二重取りにならないよう、金額の調整が行われます。
実際の金額で考えてみましょう。
この場合
労災保険から先に54万円うけとっていた
→自動車保険から21万円うけとれる
自動車保険から先に75万円受け取った
→労災保険から追加の金額は受け取れない
という形で金額の調整が行われます。
労災保険と自動車保険で重複しない項目については、それぞれに対し通常通り請求が可能です。
労災保険と自動車保険の併用
・重複項目
高い方の金額を採用して二重取りの無いように受け取れる
・重複しない項目
労災保険、自動車保険それぞれに通常通り請求が可能
労災保険と自動車保険両方を使うメリットは、以下の通りです。
①重複項目の金額におけるメリット
過失相殺による減額幅を縮められる可能性がある
②重複しない項目におけるメリット
自動車保険だけでは受けられない補償、労災保険だけでは受けられない補償を受けられる
労災と自動車保険の重複項目においては、①のメリットが発生することがあります。
自動車保険からの賠償金には過失割合が適用されますが、労災保険の補償額には適用されないからです。
具体的な数字で見てみましょう。
過失割合が50:50になった場合を考えます。
自動車保険 | 労災保険 | |
---|---|---|
過失相殺前 | 100万円 | 70万円 |
過失相殺後 | 50万円 | 70万円 |
この場合、自動車保険しか利用していなかったら重複項目は50万円しか受け取れません。
しかし、労災保険も利用していれば、金額の高い労災保険の金額を採用して金額調整が行われます。
したがって70万円を受け取ることができるのです。
労災保険と自動車保険を併用する場合、重複しない項目は通常通り請求できます。
つまり、以下のようになるのです。
自動車保険のみ利用
→重複項目+慰謝料
労災保険のみ利用
→重複項目+労災福祉での補償
自動車保険と労災保険の併用
→重複項目+慰謝料+労災福祉での補償
労災保険と自動車保険を併用することで、受け取れる項目が増すということです。
労災保険を利用する際も弁護士に相談するべきメリットは以下の通りです。
労災保険の利用方法や仕組みは、公式HPでも確認できますが、複雑です。
特に加害者側自賠責保険・任意保険への損害賠償請求も行おうと思うと、疑問も多く出てきます。
そうした場合には、弁護士に相談することがベストです。
加害者側自賠責保険・任意保険への損害賠償請求も行い労災保険との併用のメリットを得ようと思うと、
加害者側任意保険会社との示談交渉が必要になります。
ここで過失割合を低く抑えたり示談金額を高額にできたりすれば、
労災保険との重複項目や自動車保険からしか受け取れない項目の金額が大きくなります。
その結果、受け取れる金額が大きくなるのです。
加害者側任意保険会社は、仕事として示談交渉を行うプロです。
被害者よりも知識も経験も豊富なうえ、弁護士の主張でないと聞き入れないということもあります。
特に、労災保険では受け取ることのできない慰謝料は争点になることも多く、弁護士に示談交渉を代行してもらうことが大切です。
ではここで、アトム法律時事務所の弁護士が示談交渉に当たったことで慰謝料が増額した例を見てみましょう。
示談交渉前の金額 | 123万円 |
---|---|
示談交渉後の金額 | 250万円 |
経緯 | 傷害慰謝料、後遺障害慰謝料、逸失利益*が低く算出されていた。 弁護士基準で計算しなおし主張した結果、増額に成功 |
*後遺障害による労働能力喪失で失った収入を補償するもの
元々任意保険会社は慰謝料などを低めに算出して提示してくる傾向にあります。
この金額を引き上げるためにも、弁護士の力は必要です。
そう思っても、弁護士費用や弁護士事務所まで出向く時間が気になりませんか?
そんな時は、アトム法律事務所の無料相談をご利用ください。
アトム法律事務所の無料相談には、以下のような特徴があります。
スマホがあれば、場所を選ばず相談ができます。
小さなことでも、お気軽にご相談ください。
無料相談ののち、ご契約となった場合には、弁護士費用特約をご利用ください。
弁護士費用を保険会社に負担してもらえます。
という特徴があります。
ぜひ加入している保険の内容をご確認ください。
弁護士費用特約についての詳細はこちら
野尻大輔
補償項目自体は共通していても、その金額の算出方法は異なります。
したがって、例えば障害補償給付は自賠責・任意保険による補償でいう後遺障害逸失利益に当たりますが、
その金額が異なることがあるのです。