作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

自転車事故保険

交通事故|自転車保険未加入の加害者と自転車事故…慰謝料は?使える保険は?

自転車事故の加害者が保険未加入

自転車事故の保険は被害者・加害者ともに未加入の場合が多いという問題があります。自動車には運転者に加入義務のある「自賠責保険」がありますが、自転車には法律で定められた義務加入の保険はありません。

  • 自転車保険未加入の加害者から慰謝料はもらえる?
  • 自転車保険は被害者も入っていないとだめ?
  • 自転車事故の慰謝料はどう計算する?

損害賠償額、9,521万円。2013年に、子どもが運転する自転車と歩行者の衝突事故が起きました。被害者の後遺障害等級が最も高い1級と認定されたことや、子どもに対する母親の監督責任不履行が認定されて高額の損害賠償となりました。

このニュースは非常に注目を集めました。おそらく損害賠償額が高額であったこと、子どもという一般的には守られる存在が加害者になってしまったことが理由のひとつでしょう。しかし、免許がいらない自転車は、誰もが被害者・加害者になりえます。

本記事は自転車事故の保険に未加入の加害者に対して慰謝料を請求する場合のポイントや、自転車事故の保険について確認していきます。順番にみていきましょう。


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自転車保険未加入の加害者に慰謝料請求はできる?

自転車事故の保険に未加入の加害者へも慰謝料請求は可能です。
自転車事故発生から示談までの流れ
自転車事故の被害者が請求できる損害賠償
この2つを見ていきましょう。

①自転車事故:示談までの流れ

示談金の受け取りまでの流れ

事故発生から示談金受け取りまではこのように進みます。
事故発生時に被害者がすべきことは複数ありますが、加害者の保険加入状況の確認は必ず行ってください。加害者が自転車の場合は保険未加入の可能性が十分あります。

事故に対する賠償金は、基本的には示談時にまとめて受けとります。
どのような損害賠償を請求することになるのかを確認していきます。

②自転車事故:請求できる慰謝料の内訳

交通事故示談金の内訳

慰謝料は損害賠償のうちのひとつです。賠償内容は「人身部分」と「物損部分」に分かれています。
人身部分は症状固定の前後で変わります。

症状固定前(治療段階)への損害賠償・慰謝料をチェックしてみます。

症状固定前までの損害賠償・慰謝料
項目 内容
治療費 治療にかかった費用
通院交通費 通院にかかった費用
休業損害 交通事故が原因で仕事を休んだ分の減収に対する補償
入院雑費 入院にかかった雑費
入通院慰謝料 入院や治療で受けた精神的苦痛に対する慰謝料
その他 診断書作成費用など

症状固定を経て後遺障害が認定された場合は、次の2つも請求できます。

後遺障害認定された場合に追加で請求可能
項目 内容
逸失利益 後遺障害が残ったことで将来に得られなくなった減収分への補償
後遺障害慰謝料 後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対する慰謝料

交通事故のケガで多いむちうちも後遺障害に認定されることがあります。むちうちは時間をおいてから痺れ・痛みなどの症状が出ることも珍しくありません。交通事故が発生した場合は、加害者・被害者双方に警察へ報告する義務もあります。
どんなに軽微であっても、警察への報告病院を受診して診断書をもらってください。そして診断書を警察へ提出して人身事故として取り扱ってもらいましょう。

慰謝料計算については、次に紹介する「慰謝料計算機」が便利です。ぜひご活用ください。

慰謝料計算機でシミュレーションする前に、過失割合の考え方や慰謝料の相場に関心のある方は、関連記事「自転車事故の慰謝料、軽傷・打撲の場合は?慰謝料の相場や計算方法を確認」もぜひ読んでください。

<慰謝料計算機>で自転車事故の慰謝料を自動計算

実際にもらえる慰謝料などを知るために、慰謝料計算機を使ってみませんか?情報を入力するだけで自動計算するので便利です。

慰謝料計算機で算出した金額は弁護士基準という慰謝料の算出基準によるものです。弁護士基準の金額で示談を進めるためには弁護士の存在が必要不可欠です。

弁護士に依頼したほうが良い理由は他にもあります。確認してみましょう。

増額交渉(弁護士あり)
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自転車保険未加入の加害者と示談、注意点は?

弁護士に依頼・相談することでスムーズな解決が可能です。本記事は弁護士に依頼する多数のメリットの中から、特に自転車保険に未加入の加害者とのやり取りで気を付けたいポイントを共に確認しましょう。

①保険未加入の加害者:示談交渉が難しい

示談とは、裁判外で互いに譲歩して折り合うことのできる点を探し出し、争いをやめることをいいます。

保険に加入している場合は、保険に「示談代行サービス」がついていることが多いので、加害者と被害者が直接やり取りをすることはほぼありません。

しかし、自転車事故の加害者が保険未加入の場合、被害者と加害者で直接示談することになります。直接加害者と話すとつい感情的になってしまうなど、言いたいことがうまく言えない…ということをよく耳にします。

交通事故はどちらか片方だけがすべて悪いということは多くありません。加害者と被害者で意見や主張で対立しやすい争点(過失割合など)はスムーズには進まないでしょう。

弁護士は被害者に寄り添い、被害者の話をよく聞いて示談交渉を進めます。被害者は余計なストレスを感じず、治療に集中できます。

②保険未加入の加害者:支払い能力に不安

保険未加入の場合は、加害者個人で損害賠償を支払うことになります。仮に、自転車事故で被害者が死亡した場合の慰謝料を示します。

交通事故の死亡慰謝料
一家の支柱
2,800万円
母親・配偶者
2,500万円
その他
2,000万円~2,500万円

金額は目安であり増減することもある

この金額は死亡慰謝料のみです。実際には葬儀費用や、死亡に至るまでに行った治療や入通院に関しては別途発生します。
加害者が支払えずに自己破産をしてしまうと、最悪の結果としては被害者が慰謝料をもらえないこともありえます。

例えば、慰謝料を分割払いにして回収するなどの対策も考えなくてはいけません。そのためにも交渉の専門家である弁護士への依頼をおすすめします。

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自転車事故に関する保険は何がある?

自転車事故に関する保険をまとめてみました。
一覧で確認してみましょう。

自転車事故に関係する保険の傾向*
自身のケガ・生命への補償 相手のケガ・生命への補償
自転車保険
人身傷害補償特約** ×
自転車傷害特約** ×
個人賠償責任特約** ×
TSマーク付帯保険 △*** △***

*各種保険会社により異なる
**自動車保険オプション
***一定程度の後遺障害や死亡案件のみ対象

保険や特約はそれぞれの契約内容によっても変わります。関連記事自転車事故で使える保険一覧|未加入や子供でも使える?保険金の請求方法は?を参考にしながら、ご自身の契約内容を確認してみてください。

契約確認時のポイント
  • 自分への補償はあるか
  • 相手への補償はあるか

⇒特約を組み合わせることで自身+相手への補償となることが多いです(例:自転車傷害特約+個人賠償責任特約など)

自転車と自転車?自転車と歩行者?

⇒適用となる事故の状況は保険ごとに決まっています

クレジットカードに自転車事故の補償特約が付帯している場合も多いです。注意すべきポイントは同じなのでぜひチェックしてみてください。

自転車事故は誰もが加害者・被害者になります。相手への補償についてもカバーできていると安心です。
また、自転車事故の被害者になってしまった場合、加害者の加入保険・特約次第では何ら補償されないことが分かります。

だからこそ弁護士に依頼することで、適正に損害賠償請求していく必要があります。

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【24時間・365日受付】交通事故の無料相談はアトム法律事務所へ

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実際にアトム法律事務所に任せてくださった方の声の一部です。

弁護士事務所の決め手は一人ひとり違います。弁護士依頼を検討している方一人ひとりの話を、ぜひじっくり聞かせてください。

アトム法律事務所の無料相談の予約受付の窓口は24時間365日ご利用いただけます。電話・LINE・メールなど、使いやすい方法でお問い合わせください。混み合う時間帯や土日祝は順番をお待ちいただくこともありますので、お早めにご連絡ください。


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まとめ

示談交渉を弁護士が行うことで適正な慰謝料の獲得が目指せて、被害者の方は治療に専念できる…。メリットは分かっていただけたと思います。次に気になるのは「弁護士費用」でしょう。一度弁護士にご相談下さい。弁護士費用と慰謝料の想定金額を比較して、被害者が損をしないかも予想してお答えします。確認してから決めるのは当たり前のことですので、気兼ねなくお問い合わせください。

弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。


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